掲示板「チームオンコロジー」

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治療とその選択
ROS1の意義不明fusionが検出され​た子宮頸部小細胞がん
H.Y (東京都) 2018/05/24
妻が子宮頚部小細胞癌の再発で治療中です。次の薬の選択肢がないため、遺伝子解析(MSKインパクト)を受けたところ、ROS1の意義不明fusionが検出されたとのこと。
検査担当医の見解では、「このROS1がドライバー遺伝子である可能性が高い」とのことでしたが、主治医に相談したところ、治験は現在なく、意義不明fusionではクリゾチニブも使うことはできないとのことでした。再発当初から、主治医は緩和ケアを主眼として積極治療には乗り気でない状況です。当方としては、妻はまだ元気で体力もあり、あきらめきれない状況で、クリゾチニブが効く可能性があるのなら、最終的には自費ででも使うことを考えています。クリゾチニブの使用について、効果とリスクの面からどう思われますでしょうか。また、研究ベースでも何でも、国外でも構いませんので、ROS1を対象とし、部位を特定しない治験等はありませんでしょうか

   
Re:ROS1の意義不明fusionが検出され​た子宮頸部小細胞がん
S(東京都) 2018/05/31
H.Y.さま。腫瘍内科医のSと申します。奥様の治療中とのこと、ご心労お察しいたします。
MSKインパクトでROS1の意義不明fusionが検出されたとのことですが、fusionに限らず意義不明はやはり意義不明以上のものにはなり得ません。ドライバーであることがわかっていない以上、ROS1をターゲットとした薬剤の治療対象にはならないと考えます。仮にクリゾチニブなどのROS1阻害剤を使うことができ効果が見られたとしても、再発がんに対する薬物療法の効果は一時的なものです。一方、意義不明にも、ドライバーの可能性の低い意義不明と可能性の高い意義不明とがあります。実際にその検査結果を知っている検査担当医が、意義不明のfusionを"ドライバーの可能性が高い”と判断した理由を聞いてみても良いかもしれません。
治験に関しては、https://clinicaltrials.gov などで検索すると見つかる可能性がありますが、その場合も多くは”意義不明fusion”は適格外としていることが多いと思います(治験ごとに異なります)。
Re:ROS1の意義不明fusionが検出され​た子宮頸部小細胞がん
H.Y (東京都) 2018/06/01
お忙しい中アドバイス頂き、誠にありがとうございます。ご意見を参考にさせて頂き、引き続き自分に出来る限りのことをしていきたいと思います。
私の投稿で、1点訂正させてください。
「ドライバー遺伝子である可能性が高い」というご発言は、MSK の検査を担当して下さった医師の発言ではありません。当該の先生からは、検査結果を治療に繋げるべく、大変なご助力を頂いておりますが、意義不明であることの意味合いも十分にご説明頂いております。当方はMSK 以外の遺伝子検査や、セカンドオピニオンも多数受診しており、その中で他の医師から頂いたご発言でした。
簡潔な投稿にしようと省略してしまい、不正確な内容になってしまったことをお詫び申し上げます。
Re:ROS1の意義不明fusionが検出され​た子宮頸部小細胞がん
H.Y(東京都) 2019/01/07
ご相談させて頂いたH.Yです。
今更で申し訳ありませんが、もしも、同じ病気で、検索等されて記事を見ている方がいらっしゃった場合のため、その後の経過をご報告させて下さい。
ご相談後、他の大学病院で追加の遺伝子検査(RNAの解析を含むもの)をしていただき、平成30年8月にGOPC-ROS1が検出されました。(MSK-IMPACTの担当をしてくださった先生が、本当に医療の枠を超えるような尽力をしてくださり、当時は研究段階だった検査にご紹介くださいました。現在は先進医療に指定されている検査です)。
その結果を受けて9月からクリゾチニブを服用開始し、10月のCTでは腫瘍が画像上確認できないまでに著効しております。
以前にご回答でも頂いておりますとおり、治癒したわけではなく、いつかは薬剤耐性が生じることは、頭では理解しているつもりです。それでも、今後の治療や、研究中の次世代分子標的薬など、遺伝子解析前とは選択肢の数が格段に違います。何より現在、妻が病気になる前と同様の元気な姿で家族一緒に過ごせる時間は、何物にも代えがたい、大切なものです。沢山の方のお力添えをいただき、また、幸運に恵まれ、本当に感謝の気持ちしかありません。
遺伝子解析から実際の治療に繋がる可能性は10%程度と言われておりますし、私達のケースは例外的な幸運かもしれません。それでも、治療法が確立されていない希少がんの場合には、このような検査を一つの選択肢として検討する価値はあると思います(金銭的な負担は大きいため、標準治療や生活に支障が出ないかどうか、また、10%の可能性では低すぎると考えるかどうか等、判断は人それぞれあるかとは思います)。
検討される場合には、いくつかの種類の検査があるため、それぞれの違いを良く調べることも必要かと思います。対象とする遺伝子数の多さ、融合遺伝子を対象に含めるか否か、RNAを検査対象とするか、また金額もそれぞれ異なっており、とくに私達のケースでは、実は他にも遺伝子検査を受けているのですが、一番詳しい検査でなければ結果が出なかったことになります。
また、遺伝子検査にあたっては検体の状態も重要(RNAも解析する場合にはとくに)ですので、手術する場合にはあらかじめ検査を想定して組織を保存してもらった方が良いようです。
長々と申し訳ありません。私達自身が、遺伝子解析を検討した際に、実際に受けた方の意見を探しても見つからなかった経験がありますので、どなたかの参考になればと書かせていただきました。
今後も闘病は続きますので、引き続き、精一杯やって行こうと思います。
ありがとうございました。
Re:ROS1の意義不明fusionが検出され​た子宮頸部小細胞がん
掲示板委員 橋口(神奈川県) 2019/01/08
当掲示板の委員をしております薬剤師橋口と申します。
H.Y様、経過のご報告ありがとうございました。
クリゾチニブが著効しているとのことで私達も大変嬉しく思っております。
H.Y様が仰るとおり遺伝子検査に関する情報を求めている方はたくさんいらっしゃると思います。このようにご経験を掲示板に残していただくと、掲示板を訪れる皆様にとって大変有用な情報になるのではと思っています。

ご報告ありがとうございました。
H.Y様とご家族の良い時間が続きますように我々もお祈りしております。
また何かありましたらいつでもこの掲示板へお越しください。
Re:ROS1の意義不明fusionが検出され​た子宮頸部小細胞がん
K.M(東京都) 2019/02/02
はじめまして。
奥様の治療がうまくいかれているとのことでとても嬉しく思います。

私の妻は現在子宮頸がん腺扁平上皮癌の骨盤壁再発で闘病中なので、大変勇気をもらいました。
私の妻も治療の選択肢がほぼなくなりつつあり
、術後CCRTの晩期後遺症と思われる尿管狭窄による水腎症や腸閉塞などに苦しめられており、現在も入院中で抗がん剤治療も中断を余儀なくされている状況です。
身体的負担の大きい抗がん剤の選択において、
今後選択の一助になる可能性があればと思い遺伝子検査について調べておりましたところ、こちらの掲示板を拝見させていただきました。

経過もご報告していただきありがとうございます。
H.Y様の大変なご尽力を私も見習って頑張りたいと思います。

稚拙な文章ですみません。
Re:ROS1の意義不明fusionが検出され​た子宮頸部小細胞がん
H.Y(東京都) 2019/02/06
K.Mさま
大変な状況の中、少しでも多くの情報を集められていることと思います。
私達夫婦も、たくさんの方々の掲示板への書き込みや、ブログ等から貴重な情報を頂いております。

遺伝子解析についてですが、前回の書き込みでは、検査にかかった時間の話が抜けてしまったように思いますので、補足させてください。
私達が受けた検査では、まずMSK-IMPACTについては、3/19に検査依頼後、3/26通院先の病院から検査病院へ検体が送付され、3/31に米国へ発送、検査結果の一報をお電話で頂いたのが5/14でした。
また、バックアップとして国内の別の検査を受けたのですが、こちらは4/2に依頼し、5/17に結果を伺いました(融合遺伝子が対象外だったため、残念ながら私達のケースでは有用な結果を得られませんでした)。
最後に、MSKで意義不明であったものを確定してくれた検査ですが、6/14に依頼し、7/26に結果の第一報をいただきました。
どの検査にしても、検体が検査機関に到着してからの時間は一定必要ですので、時間を短縮するためには、どれだけ早く検体を届けてもらうかにかかっていると思います。その一方で、検体さえ届けてしまえば、患者本人の負担にならず、標準治療の邪魔にならないのは、この検査の良いところかと思っています(依頼時に採血が必要になる場合はありますが)。

それぞれの検査の最新の情報については、現在調べられているK.Mさまの方がお詳しいかもしれません。先進医療に指定されている検査については、参加するのにも種々の条件がありますので、直接ご説明を受けるのが一番良いかと思います。
Todai OncoPanelは連携医療機関でも受け付けているようです(私達がMSKの検査をお願いした病院も連携病院になっています)。
NCCオンコパネルは、春に予定されている保険適用を目前にして、先進医療としての検査受付は終了しているようでしょうか。保険適用になれば、費用的には大きく違いますが、実際に検査を受けられるまでの時間がどれぐらいかかるのか、また、保険適用の条件がどのようになるかが心配です。

K.Mさまの奥様の治療がうまくいくよう祈っています。
また、K.Mさま自身もお体には十分お気を付けください。
Re:ROS1の意義不明fusionが検出され​た子宮頸部小細胞がん
K.M(東京都) 2019/02/08
H.Y様

検査結果にかかる時間を詳細に教えて頂きありがとうございます。

現在再来週に腸閉塞の再手術を予定している状態で、遺伝子検査は東大オンコパネルを検討しております。
腸閉塞の手術後に東大で採血とともに検査に出す予定でDrに東大側に問い合わせていただいたところ先進医療に該当するとのことでした。

ここ2年間で子宮広汎全摘出術、術後CCRTでシスプラチン、再発時にTC➕アバスチン、サイバーナイフ 、その後アバスチン単剤、腸閉塞手術で治療をしてきましたが、
やはり術後の痛みや副作用で苦んでいる姿を思い出すと胸が苦しくなります。

根治は不可能にしろ、妻が少しでも長く苦しくない時間を過ごせる事を目指して夫としてできる事を模索していきたいと思います。

今後また進捗があればご報告させてください。

H.Y様と奥様の幸せで平穏な時間がこれからも続きますよう心よりお祈り申し上げます。
Re:ROS1の意義不明fusionが検出され​た子宮頸部小細胞がん
K.M(東京都) 2019/05/09
H.Y様

ご無沙汰しております。
3.8に東大オンコパネルを依頼し、昨日の5.8に結果を聞きに行ってきました。
結果から申しますと現状で治療に役立つような遺伝子の変異は検出できませんでした。
入院中にMSIの検査にも出したのですが、そちらも陰性との事でした。
今日その結果を持って以前よりお世話になっている腫瘍内科の先生の診察を受けに行ってきます。
私の妻の場合、治療に繋がるような情報は得られませんでしたが、
逆を返せば現状で効果を示す可能性のある薬がありながら別の抗がん剤を使う事になるわけではないという事がわかったのかなと思います。

とても親身になって貴重な情報やコメントをいただき本当に感謝しております。

今後もH.Y様と奥様の幸せを心からお祈り申し上げます。



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