掲示板「チームオンコロジー」

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EDUCATIONAL SEMINAR
MDAの見学(2013年3月)
ken( university in osaka) 2013/03/04
初めまして、大阪の医学部の学生のものです。
このたびは上野先生にお願いし、MDAでの見学実習をさせて頂けることとなりました。
将来は腫瘍の研究をしたいと考えていて、世界で最も進んだ臨床と研究の施設であるMDAを見学させて頂くことで、様々なことを勉強させて頂けたらと思っております。
日々体験したことをここに書かせて頂けたらと思っております。 どうぞよろしくお願いします。
Re:MDAの見学(2013年3月)
ken(university in osaka) 2013/03/04
1日目
今日は上野先生とお話しさせて頂き,先生の初診の患者さんの外来を一人見学させて頂いた後、Booser先生の外来を見学させて頂きました。

上野先生とは、これまでほとんどお話しさせて頂いたことがなかったので、お会いする前は大変緊張していました。常日頃、大学の臨床の教授というと雲の上の存在で、どのように話したらよいかいつもわからずいつも戸惑ってばかりでしたが、上野先生は大変話しやすく、またお忙しいにもかかわらず非常に丁寧にお話ししてくださいました。
お話の後、上野先生の新患の外来を見せて頂きました。先生の説明は非常に丁寧でわかりやすく感じられました。患者さんも内容をしっかり理解されているようで的確に質問されていました。診察が始まったとき患者さんは少し緊張気味でしたが、診察が終わるころには先生と患者さんとの距離が縮まり、様々なことを質問されていたのが印象に残りました。
その後Booser先生の外来を見学しました。この日は、9人の再診の患者さんと2人の新患の患者さんを診察されました。先生にお会いすると私に笑顔でいろいろなことを話しかけてくださいました。
Booser先生は、再診の患者さんに対して先生はまるで昔からの友人のように話しかけられます。病気いついてのよい知らせがあれば、本当にうれしそうに話しかけられ、また悪い知らせがあれば自分の家族が病気になったかのようでした。患者さんの質問に対しても、驚くほど大量の知識をもとに1つ1つ丁寧に答えられていました。あまりに多くのデーターを先生がご存じだったので、どの程度論文を読んでいるのかと伺ったら、数えたことないけど、論文はかなり読んでいると思うとおっしゃっていました。
MDAにきてまだ1日目ですが、先生方のコミュニケーションスキルの凄さと豊富な知識に圧倒されました。
特にコミュニケ―ンスキルに関しては、先生方が患者さんだけにではなくて、秘書や看護師、私のような学生を含めすべての人に非常に丁寧に対応されているのが大変印象に残りました。日々の積み重ねが素晴らしい患者さんと医師との関係を作っているように感じました。
MDAの見学2日目(2013年3月)
ken(university in osaka) 2013/03/05
今日は、午前と午後Theriault先生の外来を見学させて頂き、お昼は論文紹介のカンファレンスに出席しました。

Therialult先生はテコンドーが得意で、日本語も少し話されます。お会いすると日本語でのあいさつして頂きました。
午前中の外来はフェローの先生も一緒でした。診察は初めにフェローの先生が患者さんを診察した後、Therialult先生に報告します。その後、患者さんをフェローと先生で診察していきます。患者さんについての議論は、一つ一つの身体診察の結果や治療法についてエビデンスを参照しながら丁寧に行われていました。
  昨日の先生方と同様に、Therialult先生も患者さんとのコミュニケーション非常にお上手でした。再診の患者さんとは、古くからの友人のように話をされていて、新患の患者さんには、病気の説明の仕方が本当に素晴らしいといわれたりしていました。
  お昼のカンファレンスは、最近出たNEJMの論文についての内容の説明と議論が行われていました。論文紹介の形をとっていましたが、非常に批判的に論文が議論されていました。カンファレンスの後、Therialult先生に、論文を批判的に読むことの重要性を教えて頂きました。    
  午後は診察の時間に余裕があり、生命倫理の話や患者さんの接し方等様々なことを教えて頂きました。参考になるサイト等を紹介して頂きながら、病気をみるのではなくて患者さん全体をみなさいと、繰り返し教えて頂きました。実際、診察でも病気とは関係ない話をユーモアを交えながら話されており、患者さんも話に引き込まれていました。
  先生は、ジョージア大学で生命倫理の授業もされていたり、MBAを持っていたり、毎日日本語を勉強されていたりと興味の幅が大変広いのです。そういった様々なことをされつつも、Up To Dateを執筆されていたりと臨床も研究も精力的にこなされています。そんな先生とのお話は多彩で魅力的なものでした。こういった常日頃の姿勢が患者さんとの会話を豊かにするのだと感じました。
   周りと雑談をしながらも時間を見つけてはPub Medからinformed consentに関する論文の要旨を大量に印刷して、勉強されているのにも驚きました。
   午後の診察終了後、上野先生とお話しさせて頂き、非常に充実した一日が終わりました。今日も、先生方には親切にして頂きました。先生方が常に勉強されている姿が印象に残りました。
アメリカでの臨床試験(3日目)
ken(university in osaka) 2013/03/06
3日目です

  今日は上野先生の乳腺の外来を見学しました。
  アメリカでは外来もチーム医療で行われています。今日参加していたのはAdvanced Nurse Practitione、Nurse、Pharm-Dで、朝8時から午後の5時までで20人くらいの患者さんを診察されていました。
  20人というとそれほど多くないように感じられますが、炎症性乳がんの方や転移がある方等、重症な方が多く、新患の方もいらっしゃるので、少ないようには感じられません。昨日までとの違いは、なかなか治らない方が多いので診察は、薬の副作用等を細かく問診しながら、生活の質をどのように上げるかについて焦点があてられているように感じました。

  また、治療法が確立されていない患者さんが多いので、臨床試験の対象になる方もたくさんいらっしゃいました。
  アメリカの臨床試験というと(私にとっては)貧しい人が医療を受けるためにしょうがなく受けているという非常に勝手なイメージがありましたが、今日見学した限りではその考えは全く違っていました。
  臨床試験の対象になるような患者さんに対しても、まず上野先生は、普段と変わらず患者さんを診察します。治療方針の話になると患者さんに標準治療を丁寧に説明されます。その後、臨床試験の参加も選択肢の一つとして説明されます。臨床試験だとわざわざMDAに頻繁に来なければならない(患者さんのほとんどは遠くから来ていて普段は近くのクリニックに通われている)等デメリットも強調され、「試験に参加した方がよい」とか「自分の家族が患者なら参加させる」といった参加を促すような発言もされません。また、家族だけで相談するための時間も多く用意して、決断を急がせて臨床試験に参加させることもありません。
  臨床試験の説明時も患者さんの病気についての理解には大変驚かされます。臨床試験の意義や新しい薬と今までの薬の作用機序の違い等、難しい内容の質問をされ、自分が参加すべきか主体的に考えられている姿勢がみられました。今日見た限りでは、患者さんは、医師に選択を委ねた結果として試験に参加されているわけでも、金銭的な理由で参加しているわけでもないようでした。
  以前、アメリカの方が宗教的な理由(社会に貢献するため)で臨床試験等に参加を希望するといった話も聞いたことがありましたが、そういう理由よりは自分の病気をしっかり見つめ、病気をよくするために何が最善の選択か考えられて決断されているように感じました。
  今日は、病気が重い患者さんが多くて、見学しているだけで大変疲れましたが、非常に勉強になる一日でした。
MDA見学4日目 (2013年3月)
iwamura(osaka university ) 2013/03/07
今日は午前中DrQの回診を、午後は外来を見学しました。
回診は、practical nurseと様々な病棟を順に回っていきました。
移植後の拒絶反応のある患者さんが中心でそれぞれの症状に対応した処置をされていました。
拒絶反応で下痢がひどく前日から入院している患者さんやひどい皮疹が出ている患者さんなどを見学しました。
説明は患者さんへ丁寧で、繰り返し重要なことを強調されていました。

午後の外来は、多発性骨髄腫の移植後の患者さんが中心でした。DrQが熱く患者さんに話しかけていました。
多発性骨髄腫で放出されるIL6について自分の行っている研究を含めいろいろ伺いました。最新の話もご存じで、大変詳しくて驚きました。MDアンダーソンに来て驚かされたのは、MDアンダーソンの先生は臨床医学につい
てはもちろんですが、基礎医学的な内容も非常に詳しいのです。DrQは周りのスタッフをいつも褒められていました。私の研究にもかなりポジティブな意見を言ってくださり、有益な示唆を頂きました。

今日も大変楽しく一日が終わりました。
Re:MDAの見学(2013年3月)
奥山裕美 (昭和大学病院 ) 2013/03/08
2003年のMDACC留学研修プログラムに参加させて頂いた薬剤師です。臨場感あふれる体験談を、とても楽しく拝読させて頂いております。MDACCはスタッフのレベルの高さはもちろんですが、iwamura様が書いておられるように、「臨床試験の説明時も患者さんの病気についての理解には大変驚かされます。臨床試験の意義や新しい薬と今までの薬の作用機序の違い等、難しい内容の質問をされ、自分が参加すべきか主体的に考えられている姿勢がみられました。」
患者さんの自分の病気に対する姿勢に、私も本当に感動したことを覚えています。
このような患者さんになって頂くために、医療者は常に自分をbrushupしていかなくてはいけないと、新たな気持ちになります。ご投稿ありがとうございます。
Re:MDAの見学(2013年3月)
ken(university in osaka) 2013/03/08
奥山先生

お忙しいところお読みいただきまして、またご投稿頂きましてどうもありがとうございます。奥山先生のように現場で働いている方と同じような意見を持たせて頂けて大変うれしく思います。見学させて頂く前は日本とアメリカの違いは、制度の問題が大きいと考えていましたが、実際のところは、別の問題もあることを痛感いたしました。(大学病院に関してですが)
 今後も様々な場面でいろいろ教えて頂くことがあるとは思いますがどうぞよろしくお願いします。
MDAの見学(2013年3月)
iwamura(osaka university) 2013/03/08
5日目

今日は、朝、乳腺のカンファレンスに出席し、それが終わるとTheriault先生の外来を見学させて頂きました。途中お昼はカフェテリアに連れて行っていただき食事に連れていいって頂きました。そして3時から上野先生の研究室のカンファレンスに参加しました。
 
 Theriault先生の外来は2度目ということもあり、また患者さんが少なめだったこともありいろいろお話しさせて頂きました。いろいろ伺った中で印象的だったのはとにかく勉強しないということでした。確かに先生は周りのスタッフの方とお話しされているとき以外は、いつも勉強されていました。
 午後の上野先生のカンファレンスは、臨床研究の論文紹介と基礎の研究の紹介の話でした。基礎の研究の方は途中から話をしっかり追うことができませんでしたが、基礎医学から臨床そして実際の創薬まで、一貫して研究されている様子がよくわかりました。ディスカッションも活発で、大変勉強になりました。
今回の滞在も、残り一日となりました。明日もお大変楽しみです。
Re:MDAの見学(2013年3月)
山口徹郎(神戸大学医学部附属病院) 2013/03/08
初めまして!2012年にMDACC研修留学に参加させて頂いた薬剤師です。iwamura様の記事を読ませて頂き、自身の研修を昨日のことのように思い出します。
MDACCは人材、物量、資金…どれをとっても桁違いで圧倒されっぱなしでした。
研修を終えて帰国後、MDACCと日本の素晴らしい部分をどのようにhybridしたらいいのか、どのようにすればMDACCのようなTeam医療を具現化できるのか…悩む日々です。研修中にともに参加した友人達やメンターの方々とdiscussionを重ねました。iwamura様ともdiscussionをしていければと思います!
現場の声、楽しみにしております!
注!食べ過ぎにはご注意です!
Re:MDAの見学(2013年3月)
ken(university in osaka) 2013/03/09
山口先生
 お忙しいところコメントどうもありがとうございます。今日で実習が終わりました。いつも論文で目にする先生と話したり、目の前で効率的なチーム医療が行われていたりとMDAでの実習は夢の中の出来事のように感じられました。せっかく素晴らしい機会を頂いたので、何とか活かせるように頑張りたいと思います。
 まだまだ学生で現場で働いているわけではなくこれから勉強することばかりですが、ぜひいろいろ教えてい頂けたら幸いです。お話しさせて頂ける機会を楽しみにしております。
MDAの見学(2013年3月)
ken(university in osaka) 2013/03/09
最終日

今日は午前中と午後はDrQの回診と外来を見学させていただいた。そして最後に、上野先生に時間をとって頂きお話をさせて頂いた。

DrQとお話しするのも今日で2度目だったので、多発性骨髄腫の化学療法のレジメについて以前から疑問であったことを伺った。化学療法等の議論は日本では、今までのエビデンスの考察に終始しがちであるが、エビデンスは当然の前提として、基礎研究の結果や先生の個人的臨床経験等を踏まえて様々な見解を教えてくれた。新しい治療が作られている現場はやはり違うようだ。また、多発性骨髄腫に関係することで以前から研究したかった基礎研究のことを説明したら、最新の研究成果を踏まえ様々なアドバイスをしてくれた。

最後の上野先生との話し合いでは、今後の進路や研究について有益なアドバイスを頂き、さらに課題を頂いた。上野先生は、問題点を的確にアドバイスしてくださるので頭が整理される
また、今まで考えていなかったようなことを指摘してくださり、いつまでもヒューストンに残ってお話しさせて頂きたいと感じた。

今日も非常に有益で面白かった。