掲示板「チームオンコロジー」
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家族関係とコミュニケーション
乳がんと授乳、娘へのリスクについて
たまこ(東京都)
2009/05/22
ご相談させていただきます。
現在40歳で小学2年生の娘を持つ「たまこ」と申します
5年ほど前、まだ3歳の幼い娘の育児に追われていた頃、
自治体の乳がん検診のエコーでひっかかり、慌てて自ら有名ながん専門病院に再検査に飛んでいきました。
授乳を終えて2年近く経つのに乳頭をしぼると透明な分泌物がにじみ出るのが気がかりでもあり、がん専門の乳腺科を受診しました。
その節は再度のエコーやマンモグラフィーで特別な異常みつからず、分泌物も血性のものではないからか、細胞診はしなかったものの、心配要らないと言われ胸をなでおろしました。
その後は忙しさにかまけて検診から遠ざかっていましたが、
2008年はじめに入浴中左胸のしこりに気がつき、再度受診、
乳がん告知となった次第です。
見逃しか?と残念に思いましたが、前回のフィルムを取寄せて再検討して頂いたところ、そのときの画像ではやはりがんは確認できなかったとのことでした。
腫瘍経2.7×1.2cmの硬ガンで、
2008年3月に左乳房切除、腋リンパ節転移1/12で1群郭清
ホルモン感受性 Er(+)Pr(+)、HER2(-)、
異型度はグレード1、脈管侵襲は中程度
乳管内の広がりもあったので切除しておいて正解と伺いました。
術後補助の化学療法も半年前の年末に終え、現在は月経がまだ戻らないのでタモキシフェンのみ服用中です。
家族歴としては私の父が肺がん、母はやはり40代で乳房生検を経験していますが、がんではありませんでした。父方の叔父・叔母ともに40代の若さで胃がんで亡くしています。
母方の祖母も大腸がんでした。
これって十分リッパながん家系かも・・・
今回ご相談したいのは気がかりな娘のことで、以下の3点です
1.<乳がんと授乳>
まさに乳がんを発症した左胸でばかり授乳していましたので、がん細胞が娘に取り込まれたのでは・・と心配です。
乳がんの授乳への影響についてはなにか知見があるのでしょうか?
ちなみにおっぱいの出が悪く、すぐに混合栄養でした。
2.<乳がん患者の娘へのリスク管理>
家族性をも頭に置いて、将来娘にも検診を受けさせないと・・・と思いますが、実際には娘の乳がん警戒にどの程度リスクがあるのか?
検診は何歳くらいから受けさせればよいのか?
3.<子どもの乳腺の発達について>
娘はまだ7歳の小学2年生です。体型は、標準体重と身長で、おなかは多少ポッコリ気味です。ただ、最近気になるのが、バレエも習い、決して肥満体型ではないのに、まだ幼いはずの娘の胸が少々膨らんでいること。周囲のママ友に聞いてもやはりまだ早すぎるように思われます。とても心配になりました。
子どもだからまさかまだまだ乳がんになるはずはないと祈るように自分に言い聞かせつつも、私のがん家系と乳がん罹患と授乳が頭を離れず、不安です。
あまり神経質になってただでさえナイーヴな気質の娘を恐がらせてはいけないとも思いつつ、いのちを守る必要なチェックは怠らないようにしたいです。
娘には切除した胸も見せてお風呂も一緒に入っていますが、
悪いモノを取ってもらったと言って、「がん」という言葉は使っていません。
子どもの乳腺の発達とは何歳くらいからなのか?
年齢に比して早すぎる胸のふくらみはリスクの増大につながるのか?
娘へのリスク管理はどの程度考えてやったらいいのか、専門的なチェックがいつ頃から必要か?
自分の闘病よりも娘への影響が心配で眠れずとても苦しいです。
どうかご助言をよろしくお願いいたします。
現在40歳で小学2年生の娘を持つ「たまこ」と申します
5年ほど前、まだ3歳の幼い娘の育児に追われていた頃、
自治体の乳がん検診のエコーでひっかかり、慌てて自ら有名ながん専門病院に再検査に飛んでいきました。
授乳を終えて2年近く経つのに乳頭をしぼると透明な分泌物がにじみ出るのが気がかりでもあり、がん専門の乳腺科を受診しました。
その節は再度のエコーやマンモグラフィーで特別な異常みつからず、分泌物も血性のものではないからか、細胞診はしなかったものの、心配要らないと言われ胸をなでおろしました。
その後は忙しさにかまけて検診から遠ざかっていましたが、
2008年はじめに入浴中左胸のしこりに気がつき、再度受診、
乳がん告知となった次第です。
見逃しか?と残念に思いましたが、前回のフィルムを取寄せて再検討して頂いたところ、そのときの画像ではやはりがんは確認できなかったとのことでした。
腫瘍経2.7×1.2cmの硬ガンで、
2008年3月に左乳房切除、腋リンパ節転移1/12で1群郭清
ホルモン感受性 Er(+)Pr(+)、HER2(-)、
異型度はグレード1、脈管侵襲は中程度
乳管内の広がりもあったので切除しておいて正解と伺いました。
術後補助の化学療法も半年前の年末に終え、現在は月経がまだ戻らないのでタモキシフェンのみ服用中です。
家族歴としては私の父が肺がん、母はやはり40代で乳房生検を経験していますが、がんではありませんでした。父方の叔父・叔母ともに40代の若さで胃がんで亡くしています。
母方の祖母も大腸がんでした。
これって十分リッパながん家系かも・・・
今回ご相談したいのは気がかりな娘のことで、以下の3点です
1.<乳がんと授乳>
まさに乳がんを発症した左胸でばかり授乳していましたので、がん細胞が娘に取り込まれたのでは・・と心配です。
乳がんの授乳への影響についてはなにか知見があるのでしょうか?
ちなみにおっぱいの出が悪く、すぐに混合栄養でした。
2.<乳がん患者の娘へのリスク管理>
家族性をも頭に置いて、将来娘にも検診を受けさせないと・・・と思いますが、実際には娘の乳がん警戒にどの程度リスクがあるのか?
検診は何歳くらいから受けさせればよいのか?
3.<子どもの乳腺の発達について>
娘はまだ7歳の小学2年生です。体型は、標準体重と身長で、おなかは多少ポッコリ気味です。ただ、最近気になるのが、バレエも習い、決して肥満体型ではないのに、まだ幼いはずの娘の胸が少々膨らんでいること。周囲のママ友に聞いてもやはりまだ早すぎるように思われます。とても心配になりました。
子どもだからまさかまだまだ乳がんになるはずはないと祈るように自分に言い聞かせつつも、私のがん家系と乳がん罹患と授乳が頭を離れず、不安です。
あまり神経質になってただでさえナイーヴな気質の娘を恐がらせてはいけないとも思いつつ、いのちを守る必要なチェックは怠らないようにしたいです。
娘には切除した胸も見せてお風呂も一緒に入っていますが、
悪いモノを取ってもらったと言って、「がん」という言葉は使っていません。
子どもの乳腺の発達とは何歳くらいからなのか?
年齢に比して早すぎる胸のふくらみはリスクの増大につながるのか?
娘へのリスク管理はどの程度考えてやったらいいのか、専門的なチェックがいつ頃から必要か?
自分の闘病よりも娘への影響が心配で眠れずとても苦しいです。
どうかご助言をよろしくお願いいたします。
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Re:乳がんと授乳、娘へのリスクについて
村上 (広島県)
2009/05/24
たまこ様
私は広島で乳がんの専門医をしている者です.
自分のことはさておき,娘さんのことが何より心配とのこと,本当に心が打たれます.乳がんと遺伝についてはまだまだ分からないことが沢山ありますが,今私が分かる範囲でお答えします.
1:乳がんと授乳の関係
左の乳がんを発症されたとのことですが,たとえ気付かずに左の乳房で赤ちゃんに授乳をしていたとしても,それが原因で乳がんが赤ちゃんに遺伝することはありません.これに関しては全く心配しなくて良いです.
2:娘さんの乳がん管理
たしかにご家族にがんを患われたかたが多いようですね.ただ胃がん,大腸がんで治療を受けた方がご家族におられることが,乳がんのリスクを増やすことは一般的には無いと言われています.がんが発病するのは遺伝だけが原因ではなく,生まれてからの生活習慣も大きく影響すると言われています.娘さんの乳がんのリスクについては,今の時点であまり神経質になる必要は無いでしょう.
3:子供の乳腺のはついくについて
7才の女の子は,まだまだ幼児体型の子が多く,おなかぽっこ,胸も少しぽっこりのことが多いです.たまこさんもご自分の病気のこともあり,大切の娘さんの事なので多少神経質になっているのかも知れません.一般的に言って,乳房の大きさに極端な左右差がなければ,しばらく様子を見られて良いと思います.気になるようでしたら,かかりつけの小児科の先生にご相談下さい.
娘さんが乳がんにならないか心配,どのように話をすればいいのか分からないと,悩む患者さんはたくさんおられます.そのような相談に乗ってくれる看護師もいます.乳がんの治療を受けておられる病院で,担当医,看護師さんにご相談してみられては如何ですか.
私は広島で乳がんの専門医をしている者です.
自分のことはさておき,娘さんのことが何より心配とのこと,本当に心が打たれます.乳がんと遺伝についてはまだまだ分からないことが沢山ありますが,今私が分かる範囲でお答えします.
1:乳がんと授乳の関係
左の乳がんを発症されたとのことですが,たとえ気付かずに左の乳房で赤ちゃんに授乳をしていたとしても,それが原因で乳がんが赤ちゃんに遺伝することはありません.これに関しては全く心配しなくて良いです.
2:娘さんの乳がん管理
たしかにご家族にがんを患われたかたが多いようですね.ただ胃がん,大腸がんで治療を受けた方がご家族におられることが,乳がんのリスクを増やすことは一般的には無いと言われています.がんが発病するのは遺伝だけが原因ではなく,生まれてからの生活習慣も大きく影響すると言われています.娘さんの乳がんのリスクについては,今の時点であまり神経質になる必要は無いでしょう.
3:子供の乳腺のはついくについて
7才の女の子は,まだまだ幼児体型の子が多く,おなかぽっこ,胸も少しぽっこりのことが多いです.たまこさんもご自分の病気のこともあり,大切の娘さんの事なので多少神経質になっているのかも知れません.一般的に言って,乳房の大きさに極端な左右差がなければ,しばらく様子を見られて良いと思います.気になるようでしたら,かかりつけの小児科の先生にご相談下さい.
娘さんが乳がんにならないか心配,どのように話をすればいいのか分からないと,悩む患者さんはたくさんおられます.そのような相談に乗ってくれる看護師もいます.乳がんの治療を受けておられる病院で,担当医,看護師さんにご相談してみられては如何ですか.
Re:乳がんと授乳、娘へのリスクについて
上野 直人(海外在住)
2009/05/25
村上先生がお書きになられましたが,この三点の問題を真の意味で納得させるには,主治医(病院チーム)の関わりが大きいです。この質問を主治医あるいは看護士に相談されましたか?
Re:乳がんと授乳、娘へのリスクについて
たまこ(東京都)
2009/06/02
村上先生、上野先生、早速ご丁寧な回答をいただき、ありがとうございました。不在が続きまして御礼が遅くなって申し訳ございません。
私の主治医の先生にも授乳でがんが遺伝しないかとの心配は訴えたことあるのですが、軽く「ない、ない」と流されてしまったので、お忙しい先生にそれ以上聞けず、悶々としておりました。
村上先生のご丁寧な解説をいただき、かなり納得できたように思います。お陰様でだいぶ落ち着くことができました。
本当にありがとうございました。
娘の胸のふくらみはやはり夫も気になっていたようで、
「発達が早すぎるかも…」と心配しておりますが、
ご回答いただいた極端な左右差はないようです。
子どもの乳がんはまさかないだろうけれど、発達が良いのは女性ホルモンの分泌が他のお子さんより盛んなのか…と、
将来的なリスクへの気がかりはどうしても残ります。
かかりつけの先生は呼吸器がご専門の内科の先生で、小児科ご専門ではなさそうですので、ご相談できるか微妙です。
もう少し様子をみて、一度は
別の小児科の先生か保健所にでもご相談してみようかと思いました。
今月下旬に定期検診でまた病院に伺うので、上野先生のお勧めを胸に、勇気を出して主治医の先生や看護師さんにももう一度、娘への気がかりをお話してみようかとも思います。
何かお話をいただけたら、またご報告させていただきます。
これからもまた何かご相談させていただくかもしれませんが、
どうぞよろしくお願い申し上げます。
ほんとうに、ありがとうございました。
私の主治医の先生にも授乳でがんが遺伝しないかとの心配は訴えたことあるのですが、軽く「ない、ない」と流されてしまったので、お忙しい先生にそれ以上聞けず、悶々としておりました。
村上先生のご丁寧な解説をいただき、かなり納得できたように思います。お陰様でだいぶ落ち着くことができました。
本当にありがとうございました。
娘の胸のふくらみはやはり夫も気になっていたようで、
「発達が早すぎるかも…」と心配しておりますが、
ご回答いただいた極端な左右差はないようです。
子どもの乳がんはまさかないだろうけれど、発達が良いのは女性ホルモンの分泌が他のお子さんより盛んなのか…と、
将来的なリスクへの気がかりはどうしても残ります。
かかりつけの先生は呼吸器がご専門の内科の先生で、小児科ご専門ではなさそうですので、ご相談できるか微妙です。
もう少し様子をみて、一度は
別の小児科の先生か保健所にでもご相談してみようかと思いました。
今月下旬に定期検診でまた病院に伺うので、上野先生のお勧めを胸に、勇気を出して主治医の先生や看護師さんにももう一度、娘への気がかりをお話してみようかとも思います。
何かお話をいただけたら、またご報告させていただきます。
これからもまた何かご相談させていただくかもしれませんが、
どうぞよろしくお願い申し上げます。
ほんとうに、ありがとうございました。
Re:乳がんと授乳、娘へのリスクについて
上野 直人(海外在住)
2009/06/02
最後にひとこと。
是非同じ質問を主治医にぶつけてください。納得のある答えを主治医あるいはあなたの所属する医療チームから引き出すことが真の患者中心のチーム医療につながりますし。最終的にはあなた自身の大きな納得につながると思いますよ。
是非同じ質問を主治医にぶつけてください。納得のある答えを主治医あるいはあなたの所属する医療チームから引き出すことが真の患者中心のチーム医療につながりますし。最終的にはあなた自身の大きな納得につながると思いますよ。
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