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治療とその選択
ノルバディクスの副作用について
怖がり (愛知県) 2009/09/11
乳癌術後、先生からノルバディックスの副作用で子宮がんになる確率が上がるから半年に1回は「体がん検診」に行くよう説明がありました。
友達にその話をすると「知ってるの?すごく痛い検査だよ!それを半年に1度なんて辛いよ」と聞いたので、体がん検診したことのある人に痛みについて尋ねたところ、10人中9人までがすごく痛い、痛くて我慢できないので麻酔してもらったとの答え・・・・
そんなに痛い、検査だと知り受けたくないなぁ・・と思ってしまいました。
そんな折り、乳癌のガイドライン作りにも参加されている先生の講演会にいきました。すると、「体がん検診は、痛いものだから出血してから行っても心配ないです。アメリカではそうなっています。」とおっしゃるではありませんか!

むむむっ!どうなってるの???不思議に思い体がん検診について調べてみるとがんセンターのホームページに、「器具を使って出血と痛みを伴う検査です。」「この検査によって感染する可能性もあります。」とあり最後に「このようなリスクをおってまであなたは検診をうけますか?」などと書かれているではありませんか!
えっ!

痛いのに恐怖を感じる私は出来れば6ヶ月に1度の検診より、出血してからの検診を選びたいのですが・・・いかがなものでしょうか?
ノルバディクスを飲み始めてからどれくらいで、体がんリスク率が上がるのですか?飲み始めてどれくらいしてから検診に行けばいいですか?
そして・・・痛いのを我慢してもやはり検診に行くべきなのでしょうか???教えてください。

   
Re:ノルバディクスの副作用について
佐治(東京都) 2009/09/11
こんにちわ

ホルモン専属回答者?の佐治です。
(なんとなくそうなってしまいましたが・・。他のかたのご意見もおまちしております)

現実的に困ってしまう問題とおもいます。
過去には入り口がちいさくて、体癌検診ができないかたもいらっしゃいました。

”患者さんのための乳がん診療ガイドライン”は2009年版改訂されて売っています。129ページに詳しい記載があります。ぜひそこもお読みください。

個人的な意見ですが、
たしかに、ある程度負担のある検査なので、基本的には1年に1回は検診をうけてほしいとお話しています。
出血がある場合や下腹部痛などの症状は、その時点で1年経過していなくても婦人科受診していただきます。

内服す期間におうじて体癌リスクはあがるとされていますが、いつから?という答えは見た覚えがありません。しらべてみます。
ふつうは5年間のみますが、飲み終わるとすーっと発ガンリスクがさがるとなっています。ただ、5年の刺激のあとなので、患者さんには2年間くらいは、それまでと同じく検診をうけてとお話しています。

5年間のむと、体癌になるひとが800人に1人から2-3人に増えるとされています。発生率がひくいので、乳癌の再発予防の利益がたかいとされる理由です。ただ、古いデータですし、日本人でというわけではないので、この数の少なさはそのまま信じていいかはわかりません。飲んでいない場合より、2-3倍増えるだろうということは確かだとおもいます。

どのくらい痛い検査かはわからないので、どうしてもとまではいえないのですが。
がんセンターのホームページの内容の意図はちょっとわかりません。

お役に立てばいいですが。
Re:ノルバディクスの副作用について
怖がり (愛知県) 2009/09/11
ホルモン担当佐治先生(笑)からこんなに早くお返事いただけるなんて、とってもうれしいです。

薬を飲み始めてもうすぐ1年になります。そろそろ検診をと考え始めてたのですが「痛い」と聞き
躊躇していました。
佐治先生からのメールで、出血なくてもやはり定期的に検診を受た方がいいのかなと思い始めています。

患者さんのための乳がん診療ガイドライン”2009年版というのは日本乳癌学会から出版されている本ですか?購入して129ページ読みたいと思います。

大変役立ちました。ありがとうございました。



Re:ノルバディクスの副作用について
ひろりん (東京都) 2009/09/12
ノルバデックスを4年間飲んでいました。
半年毎の検査を受けるように言われて、4年間半年毎に検査を受けてきました。
わたしの場合、検査は痛くありませんでした。
なんてことないです。
ちょっといやな感じがするだけです。
おなかの中をひっかかれる感じ。
「痛くて麻酔してもらった‥」なんて信じられません。
「当日出血するかもしれない」と言われますが、出血することもほとんどなかったです。
もともと子宮筋腫があったので、ノルバディスクの副作用で大きくなっていたのと、
おりものが気になっていたので、半年毎に検査を受けて安心できたのでよかったです。

Re:ノルバディクスの副作用について
佐治(東京都) 2009/09/12
ひろりんさん

ありがとうございました。
こういう実体験のコメントは大変たすかります。
おなかのなかがひっかかれる というのは、初めて聞きました。

もちろん、みなさんが同じように感じるわかではないとおもいますが、いろんなパターンがあるんだとわかることも重要です。

患者さんの中でのピアカウンセリングのメリットは、たぶんこういうことなのでしょう。

Re:ノルバディクスの副作用について
るき(兵庫県) 2009/09/13
確かに、実体験の書き込みはとても参考になりますね。私の場合は、発病以前から、子宮がん検診(体癌、頚癌)を受けていました。確かにちょっと痛いですが、すぐ済みますし、ひろりんさんと同じく、麻酔するなんて信じられない、というのが実感です。力を抜いて楽にしていれば、楽に済みますよ。ちなみに私の周りでは麻酔してもらった、という話は全然聞きませんでしたので、怖がりさんの書き込みを読んで、びっくりしました。ところ変われば、事情も変わるのですね。
Re:ノルバディクスの副作用について
まどか(東京都) 2009/09/14
「痛くない」派(?)の方が続いているようですが、私は毎回かなり痛いです。
私は、以前から子宮筋腫があるので、ほぼ1年に1度は子宮がん検診(体癌、頚癌)を受けてきました。痛いかどうかは、本当に個人差が大きいと思いますが、私にとっては何度やっても慣れることのない痛みです。
組織を切り取る瞬間は、その直後にすごい生理痛のような重い痛みがドーンと来て、検査終了(すぐには起き上がれない)なのですが、私には採取以前が大変です。るきさんのように、力を抜いて楽にするというのがうまく出来ないので、痛い上に時間もかかってしまいます。出産経験がないからではと思っていますが、先生に聞いたことはありません。
けれども、私の場合も、麻酔してほしいという痛みではありませんので、痛みと受けないリスクを秤にかけると、リスクの方が重いです。

ただ、検診の回数については、婦人科の主治医に乳がんの報告をして以来、ノルバを飲んでいるなら検診を半年ごとにしましょうと言われているので、受診予約をあとから必死にずらして抵抗(?)しています。
今のところ、なんとか8~9ヶ月に1回の割で検診されて(笑)いますが、年1回と2回では、体がんが発見されるのにどのくらいの差があるのかは知りたいところです。
毎回のこういう痛みは、けっこうストレスになるので、もし体がん検診が年1回でいいなら、そうしてほしいです(乳がんの先生は「最低、年1回は」という言い方でした。)が、婦人科の主治医は病院も違うので、まさか乳がんの先生に言われたから年1度に戻してほしいとは言えない感じです。
Re:ノルバディクスの副作用について
佐治(東京都) 2009/09/14
いろいろなご意見ありがとうございます。

何年目からリスクがあがるかという点について、もともとの発生リスクが低いせいとは思いますが、数字でだせることのできる信頼できそうなデータはさがせませんでした。治療が終わるともとへもどるということだけです。

あとはご存じかもしれませんが、このタモキシフェンの体癌リスク増加は閉経後の患者さんでのみ見られます。閉経前ではみられません。閉経前でLHRHアナログ+タモキシフェンの場合は完全にはどちらかわかりませんが、理屈では閉経後と同じ扱いで考えていいと思いますが、不明です。

子宮癌を早期発見するための、検診の意義というのは完全には確定されておらず、このため年1回や2回、子宮内膜の組織をとる検査や、超音波検査をすることが、本当に子宮癌で亡くなることを防げるのか(単に子宮癌を発見するかどうかではなく)という点でまだ議論があるようです。
このため、子宮癌検診をどれくらいの頻度や条件で受けてもらうべきかが、先生によって意見がわかれるのだと思います。
出血など症状がでてから検診をうけてもよいのではと言われる先生は、このあたりが根拠と思います。

”タモキシフェン 子宮体癌 PDQ” で検索いただくと、おおよそ根拠になる情報が得られます。ただ、記載がかなり難しいので、わかりずらいかもしれません。

いずれにしても、完全な答えのない部分なので、患者さん向けの乳癌学会のガイドラインの記載は、ある程度の公約数と考えてみていただければとおもいます。
自分は、この記載くらいが、バランスがとれているのではないかと思っています。
Re:ノルバディクスの副作用について
上野 直人(海外在住) 2009/09/16
ちなみに子宮粘膜細胞診やUSをアメリカではしません。
ACS ガイドラインはスクリーニング不要、となっています。
ただここで大きな米国と日本の医療の違いがあります。
アメリカの多くのプライマリーケアの医師(内科医、家庭医、婦人科)は内診ができ、精通しています。ですので、異常出血をしたときにその対応は迅速なものがあります。
Re:ノルバディクスの副作用について
まどか(東京都) 2009/09/17
佐治先生、上野先生、ご回答ありがとうございました。
佐治先生の「ご存じかもしれませんが、このタモキシフェンの体癌リスク増加は閉経後の患者さんでのみ見られます。閉経前ではみられません。」というご説明ですが、初耳です。私はリュープリンで生理を止めつつノルバなのですが、ホルモン療法は、ホルモン感受性がある人は、抗癌剤をやるかどうかや閉経云々とは関係なく、ほとんどみんながやるという印象を持っていましたし、体癌リスク増加が、閉経後の人のデータしかないとは全く説明されていませんでした。
また、上野先生の回答に「アメリカの家庭医は内診が出来、精通している」とありますが、そういう意味では、婦人科の主治医はもちろん専門医ですし、もともと子宮筋腫で通っているので、年3~4回は必ず通っています。
両先生のお話を総合すると、なんだか、あの痛い検査をわざわざ受けなくても、そのリスクをしっかり認識して、出血などがあったら速やかに婦人科を受診することで十分な気もします。
「患者さん向けの乳癌学会のガイドライン」は、アマゾンで売り切れていたため、まだ入手していませんので、どのように記載されているか分かりませんが、科の違うドクター同士では、どのようなコンセンサスになっているのでしょうか?
婦人科の主治医も、アヤシイわけではなく、がん患者をたくさん扱っている病院の医師です。
Re:ノルバディクスの副作用について
ひかり (北海道) 2009/09/17
私は3ヶ月に1度婦人科で診察を受けています。
これは癌検診ではなく、閉経前後の微妙な時期であった為、ノルバデックスをいつ止めるか決定するのに、ホルモンの状態を把握する為と、子宮筋腫、内膜症の既往歴があるので、卵巣、子宮の状態、カンジダのスクリーニングの為です。

ですから、検査は経膣超音波エコーで行っております。
体がん検診は最初の1回だけで、以降は年1回の頚がん検診だけです。
その時は痛いというより、お腹の中でいやーな感じ(分かり辛い(>_<))がしたぐらいです。
それも数秒だったと思います。

婦人科の主治医が言うには、子宮の中の状態で細胞を取って調べるまでも無く、きれいで問題ないのでという事でした。
また、ノルバデックス服用による体がんリスクについても、7年前の当時の話では「そんなに心配する事ではないと思う」と言われています。
私の主治医は産婦人科医でベテランの女医さんです。
エコーだと痛くないし、スクリーニングには良い方法かなと思っています。

私も体がんリスクが閉経後の患者だけとは知りませんでした。
これからリスクが高くなるのかも知れませんね。
今度受診した時には、この事も確認してみたいと思いました。
Re:ノルバディクスの副作用について
佐治(東京都) 2009/09/17
”ホルモン療法は、ホルモン感受性がある人は、抗癌剤をやるかどうかや閉経云々とは関係なく、ほとんどみんながやるという印象”

はい。大前提は、あくまでも乳癌の再発を抑える貢献度が、体癌の問題よりずっと大きいので、この問題は、注意をしていくことで対処していきます。

閉経前後の問題は、個々の患者にはどちらかの話をするので、”両方をご存じかも”というのは、言われてみればたしかにおかしいです。失礼しました。

自分の場合は、お話する患者さんが閉経前後どちらかによって話の内容をかえています。どちらのかたにもリスクの話はしますが、これくらいあるという説明ができるかたと、あるかもしれないが、いまのところはっきりしないという説明になります。あくまでも、治療のためにホルモン療法を受けて欲しいのが前提です。
完全に言い切れない部分の内容の説明はいつも難しいですね。


この検診のしかたや、内容を乳腺と婦人科の学会で相談して決めているのかは??です。
たぶん婦人科学会の子宮体癌検診における方針にお任せしているというのが現状ではないかと思います。
指摘されて、たしかに、とおもいました。
Re:ノルバディクスの副作用について
怖がり (愛知県) 2009/09/17
痛みについてあまりにも差があるので調べてみました。

・子宮内膜細胞診検査(ブラシにて細胞の一部を採取)
・子宮内膜組織検査(組織の一部を採取)
・子宮内膜全面掻爬(内膜を前部掻爬、負担が大きい検査のため麻酔を併用することもある)
となっていました。

それぞれの検査方法の痛みについては分かりませんが、検査方法によって痛みが違ってくるように思いました。
また検査の欠点として、採取方法が盲目的操作であるため精度は悪く子宮体がんを見落とす場合がある。検査中~後に痛みがあり膣から子宮内への細菌感染をおこし腹痛の危険性もある。
とありました。

Re:ノルバディクスの副作用について
佐治(東京都) 2009/09/18

やはり正確に知るためには、婦人科の先生の意見が必要ですね。
Re:ノルバディクスの副作用について
上野 直人(海外在住) 2009/09/19
子宮内膜の検診に関してですが、痛みとその検査の有効率がかなり大げさにとらえられていると思います。

痛みに関しては、非ステロイド系抗炎症剤などを飲めば多くの患者で問題がありません。
また、検査の有効率は疑いのレベルにより、ただランダムに検査をすればもともと有効である検査も有効でなくなります。

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