掲示板「チームオンコロジー」

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家族関係とコミュニケーション
告知後の夫婦関係、家族関係
たかはし(栃木県) 2006/11/26
初めまして、CNJから巡ってきました、どのカテゴリーを拝見しても私には少し敷居が高すぎる気がしますが、このテーマで.あればなんとか..と、思いまして意を決して投稿させていただきました。
告知を受けたのは2005年9月のはじめです、63才と9ヶ月目の事です、私と家内と娘の3名で娘が看護師として働いている大学病院でした、肺ガン(扁平上皮ガン)と云うことでステージは3でした、何故今自分がと云う思いで頭の中が真っ白でした、病院の帰途に娘がパパが取り乱すのかと心配していたのだが治療に専念しますと云う言葉を聞いて安心したといいました。
娘は直ぐに病院に戻りましたが、私は昼食もノドに通らず、60も過ぎた男がこんなにも泣けるものなのかと思うほど3時間近くも妻の前で泣きました、妻も泣いて居たようでしたが会話は全くなく泣き通しましたが、こんなにも泣くパパを見てこの人はこの先ガンと闘って行けるのかと不安になったと後日話してくれました、私は長い闘病生活になる事を想定して事業を整理し無職の状態になり入院生活に入りました、第一クール第二クールと抗ガン剤の投与と放射線治療が進みましたが第三クールの途中12月末に、放射線の副作用で肺の繊維化症が発症した事が判りガンの治療は中断する事になりました、1月の正月明けに再入院をして検査をして、この先は肺繊維化症の治療に専念するために自宅療養をして下さいと告げられ、その後は2週に1度の割合で通院と検査を続ける事になり11月の現在も続いております、肺の40%近くが既に繊維化しております服用するステロイド剤の副作用で様々な症状が出てますが、中でも糖尿病と骨粗そう症に悩まされ骨折やヒビに困惑しています、また、娘は同じ大学病院の婦人科のガン病棟に勤務して居りますので、私のカルテを見ながらガンに関する様々な資料を届けて呉れて主治医以上に勉強する気持ちにならないと延命は出来ないよとよく注意をして呉れますが、肺繊維化症では完治した症例がなくパパはガンで死ぬより繊維化症で逝く事になると思うから気持ちを整理しておいた方がよいとアドバイスを受けて何時逝っても良いように身辺整理をし、お墓も作り家族で私が入るお墓の掃除にも行っておりますお墓が出来た事で変な話しですが家族の絆が以前よりも強まりました。家内とも手をつないで歩くようになり何時も会話が途絶える事もなく、家内もパソコンをやるようになり、家から遠ざかり気味の息子も私を心配してか時々は家に来るようになりまして何か理想の家族像を見ている気がします。
以前は海外の仕事も多く出来るだけ家内同伴で行く機会を作っていましたので旅行はもういいねと云うことで私の健康管理になればと家庭菜園を作り無農薬で栽培した野菜を料理に使って呉れたりしています、私は今が結婚以来一番の幸せを感じております、二人の子供達も私の先行きが短い事を知り悔いを残さないようにパパの役に立っておきたいと口に出して言って呉れたりもします、ガンにならなければこんな幸せな家族に囲まれる生活が果たして出来ていたのかと思うことがあります。
一家の大黒柱が病に倒れて家庭が崩壊する例もたまたま見る事もありますが幸いに私にはそのようなこともなく一日を一生の積もりで生き抜いた事を噛みしめて家族に感謝して過ごしております。生きているうちに何か人のお役に立てればとガン患者さんの励ましになるようにと家内と二人で一人前の形でボランテイア活動にも参加しております。
以上が私の家族環境です、このような内容でも宜しかったでしょうか。

   
Re:告知後の夫婦関係、家族関係
上野直人(海外在住) 2006/11/26
書き込んでいただいた勇気に感服いたします。限られた文書の中にたかはしさんの家族との暖かな関係を感じることが出来ます。ここまでお疲れ様です。泣くのはみんな同じです。万国共通です。涙を出す人もいれば出さない人もいますが、心の悲しみを多くの人は感じます。その苦しい中で、次の一歩に踏み出すことが出来たのはたかはしさんの勇気と家族の力ですね。いまは少しは心安らかでしょうか?
Re:カテゴリーの名前
上野直人(海外在住) 2006/11/26
カテゴリーの名前をより敷居の低いものにしたいと考えています。まだ、サイトは未完成のために不備が多くて申し訳ありません。患者と家族と共にこのサイトをよくしたいと思っています。良い名前があれば教えてください。御意見お待ちしています。
Re:告知後の夫婦関係、家族関係
たかはし(栃木県) 2006/11/26
上野様
たかはし.です、私の書き方が良くなかったのかも知れません
また、敷居が高く感じているのも私だけかも知れません。

只、標準治療とEBMにしても、医療者とのコミニュケーションにしましても、書き込みされて居られる方が医療関係のプロのような方ばかりに思えるものですから勉強不足の私のような患者では少し内容についていけないなーと感じた次第です。

私は、娘から自分がどんなガンに罹りどんな状態に置かれているのか、主治医とのコミニュケーションは取れているのか、治療方法は今のままで良いと自分は思っているのか居ないのか、
主治医に質問が在る場合はメモ用紙に箇条書きにして最大漏らさず聞き取って来ることが大切だよ...、と言われ続けています。
それは、私には既に治療の方法が無いものと知っているからこそ娘が私を納得させたいのだと思っております。
死ぬ日を毎日数えるような生活だけはさせたくないと思っているようです。
セカンドオピニオンやサードオピニオンなどを薦める気配は全く無いようです、また、私も現在の主治医とのコミニュケーションは取れているものと信じて居りますので治療方法等には
不満は持って居りません、只、肺繊維化症と云う病気に今のところ何ら打つ手が無いと聞かされた時に今の時代にそんな事もあるのかと云う驚きが先でした。
私は既に自分の死を受け入れております、家族も同じ気持ちで居てくれていると思っております。
患者は自分の罹っているガンそのものについて勉強するべきだと云われましても勉強出来る環境に居られる人もそうでない人も居られると思いますので願わくば専門用語の飛び交うような掲示板では在って欲しくないものだと思っております。
大変失礼な書き込みをしてしまいましたがご容赦下さい。
今後とも宜しくお願い致します。
Re:告知後の夫婦関係、家族関係
上野直人(海外在住) 2006/11/27
[患者は自分の罹っているガンそのものについて勉強するべきだと云われましても勉強出来る環境に居られる人もそうでない人も居られると思いますので願わくば専門用語の飛び交うような掲示板では在って欲しくないものだと思っております]

仰るとおりだと思います。No aplogy needed (謝罪の必要なし)です(笑)。
弁明になってしまいますが、元々このサイトは医療従事者向けに作成され、その後チーム医療が患者中心であることを考えると、患者向けに変更することがあると思い、この夏から取り組んでいます。確かに、このサイトの専門用語の多さには痛感しており、改善を今後とも行いと思います。御指導のほど宜しく御願い致します。5年後には日本で患者、家族、医療従事者が一同に出会うことの出来る信用のあるサイトにしたいというビジョンをもっています。

さて、患者には勉強するべきだと言っても簡単ではないというのは私も十分に承知しています。正確な情報を分かり易く患者に供給するのは医療従事者の大きな責任だと思います。ただ、残念ながら全ての医師が同じように思っているのでは無いのは日本の現状だと思います。そこで医療を変化させる原動力は患者にあると思うのです。勉強をしたいというより、知識を得たいというマインドセット(心構え)は多くの医療従事者に力を与えます。

今後とも宜しく御願い致します。
Re:告知後の夫婦関係、家族関係
たかはし(栃木県) 2006/11/27
上野先生

ご丁寧に有り難うございます。
多くの人達にこのサイトを知って頂くために本日私のHPトップにサイトの紹介をさせて頂きました、不都合が在るかも知れませんので一度ご確認頂ければ幸いです。

http://www10.ocn.ne.jp/~supply/

です。

今朝、娘が時間があったと云う事で私を訪ねて来ました、そして私が急変して入院をした場合の緊急処置について、カルテに書き込みと自筆のサインができないので在れば別紙にしてカルテに貼り付けて貰うようにと指示をうけました。
それは、入院時から家族が駆けつける迄の間の心臓マッサージをして貰う事と、人工呼吸器等の機器類を取り付けず痛みや苦しみを取り除くだけの薬の点滴のみで後は眠るようにして逝きたいと云うことを文書にしてカルテに付けて貰うことだけは早急にするようにとの事でした。
娘もこのような事を父親に言う事が辛いのか泣きながらの提言でした、私もこの意見は持論でもありましたので賛成しまして
娘も安心して帰った次第です。

上野先生のような方が居られることが私には嬉しくてたまりません、何れ日本にも一時帰国される時があられるでしょうから
その時にはもし私が生きていればお会いしたいと思います。
先生の益々のご活躍を祈念申し上げます。
Re:最後の瞬間
上野直人(海外在住) 2006/11/28
ウェブを読ませていただきました。本当にお疲れ様です。いつかお会いできたらと思います。私は2月に日本に講演で東京、福岡に行きます。また、ウェブに紹介していただきありがとうございます。

さてさて最後にどうして貰うかに関しては、実は私自身も最近準備しました。とても考えさせられます。ただ、最後に心蘇生を無理にして欲しくは無いことだけは確信していますので、準備をしました。健康なときにこれを考えるのはまだ楽ですが、病気になるとよりむずかしくなります。でも、自分の心を探って、何を求めているのかを考えると自然に答えが見えてくるのかもしれません。

今この瞬間を一生懸命生き、そして尊厳ある生き方と死に方ができると私は良いかと信じています。
Re:告知後の夫婦関係、家族関係
井沢知子(兵庫県) 2006/11/29
はじめして、チームオンコロジーのメンバーの看護師です。たかはしさんの書き込み、HPなど拝見させていただき、大変感服いたしました。

まず医療従事者の医療用語でのサイトはやはり患者さんの立場からは、敷居が高いというご指摘、とても貴重なご意見だと思いました。そのご指摘は、日常医療者が無意識に医療用語で説明していることが(あるかもと思うのですが)、いかに患者さんにとって威圧的であり、ストレスとなっているかということにも気づきました。やはり患者さんの立場からのコメントは非常に身が引き締まります。

看護師は、「患者さんの体験を理解する」ということを学校で学んできます。たかはしさんのHPやその中でご紹介されている他の方の体験談を読ませていただき、医療者だけの一方的な「チーム医療」とならないようにしたいなと思いました。身近にいる看護師に是非日ごろ感じておられる気持ちや疑問などがあれば伝えてください。病院の看護師は忙しくしているかもしれませんが、医師よりはましなはずですから(笑)。

最後の瞬間に関するコメント、非常に辛い話題を、娘さんとなさったこと、とても大変だったのではないかと推測しています。いろんなことを客観的にブログやこのサイトで書きつずられている姿勢に本当に敬意を払います。私は一人の一般人としても、看護師としても、たかはしさんの言葉からいろんなパワーを感じることが出来ました。

Re:告知後の夫婦関係、家族関係
qtfd(栃木県) 2006/11/30
私達が投稿して直ぐにご丁寧な回答が寄せられる事に先ず驚いております、仕事の後に眠い目をこすりながら[返事をしなくてはとの思いから]即座に返事を書いて居たりされるのでのではないかと思いますと全く恐縮です、私の場合HPの掲示板に書き込みをされる方よりメールで[オヤジさん]に相談と云う方が多いのですが、返事は2~3日後か、長いときには10日も置くときがあります、それは私自身が疲れないと云う事が一つと読み終えて直ぐの返答には自分の感情的な面が多く入り過ぎるのを防ぎたいからです。
それと、タイトルにも付け加えておりますが患者及び家族には
[甘えの構図が]あり、書き込みなどをすれば直ぐにも返事が戻って来て、又それに直ぐに返事を送ってしまうと云うまるで携帯メールのよう感覚でこのような場所を利用する人が増えて来ています。
返事が遅れると[あの人は私の気持ちを解ってくれないとか、気持ちが伝わらない人だとか..]言われます。
私も患者ですが、メールを頂いた方の気持ちを理解する事などは100%出来ないと考えております、例え夫婦でも気持ちを理解し合えるのは困難だと思えるからです、[在る病院へ出入りして患者さんやご家族の話を聞いてあげるボランティアの仕事をしている方から]最近になり限界を感じたのでこの仕事を辞めたいと言う相談を受けました。
私は、相手の患者さんの気持ちになってあげられない事にジレンマを感じての事でしょうから、はっきりと[貴方はがん患者][私は健常者]だから貴方の気持ちになってあげる努力はしてもそれは無理、だから[貴方の置かれている立場]を理解する努力をして[励まして上げる事が私の役目]ですよと言う事を明確に伝える事ではないかと返事をしました、お互いに共通して解り合えるのは[立場でしかない]と私は考えるからです。

患者さんも家族も治療が長引けば(甘えや我が侭が]当然出て来てそれが当たり前のようになっています、[あの先生は私の気持ちを全く解って呉れていない、とか、あの看護師さんも私の気持ちを理解して呉れない]とか、不平不満に繋がります。
私もそういう方の気持ちは何となく解るのですが、忙しく立ち働く医師や看護師さんにしてみれば、毎日ベッドに寝たきりで好き放題を言う患者家族には辟易する事もあるはずなんです。

だから話しを聞いてあげられる人を出入りさせている訳ですがその人さえ音を上げると言うのはこうした構造が根付いてと言うことに他なりません。
私は、相談者に、[貴方はこの病室では年長者の一人りなんだから新しい入院患者さんに必要で教えてあげられる事が沢山あるでしょう、働き盛りで入院して相当ショックも受けていると思うの、そっと声を掛けて慰めてあげたり励まして上げたり、患者同士だから余計に通じ合うものが在ると思いますよ]出来たらそうして上げてくれますか、と、そうしたらどうでしょう
7回も抗ガン剤投与で入院退院繰り返してしている彼の口から不平、不満がでなくなり、逆に同室者からは先輩先輩と頼られるようになり逆に[こんな相談を受けてしまったのだがどうしたら良いだろうか、貴方からあの人の主治医に伝えて呉れますかと]、他人への配慮まで見せて呉れるようになったとの事です。
根気のいる仕事ですが、ガンとは言っても100人が100人一人として同じ症状の患者はいない訳ですから心の中も一人一人違うと思いますので[患者の立場は理解出来ても][気持ちを理解する事は出来ない、だから励ますのだ..]というお互いの立場を明確にした構図を作り上げるべきだと考えます。
医師も医療関係者ももう少し患者を利用すべきだと考えます、
静ガンセンターなどでは様々な企画会議に患者を出席させて
直接生の声を出席者に聞かせて討論しているそうです。
医療関係者だけでの会議で以外とつまらない結論が出るのもそうした事がつまり患者を利用する事が下手なんだと思えるからです。
それと別件ですが カテゴリーの[ライフスタイル]に投稿を
試みましたが投稿を拒否されました、確認の時に多分[施設名]を記入して下さいの部分で自宅と入れたことが原因か又は
私のPCがMACなのでWINに対応が出来ないのかも知れません。
以上です、長くなりました。
それと私の掲示板ですが悪戯防止のためPW を発行していますが結構楽しめますよ、宜しければメールをお送り下さいPWをお送りします。
宜しくお願いいたします。
Re:告知後の夫婦関係、家族関係
井沢知子(兵庫県) 2006/12/01
書き込みやブログを読ませていただいて、患者さん同士の交流がいろいろなエネルギーとなっていることがよく分かりました。そう思うと、医療者が関われることは、その方のほんの一部なんだということを改めて思いました。
患者さんも医療者を利用し、医療者も患者さんの力を利用し(というかもともとの力を引き出して)、大きな力をなればよいなあと思います。
Re:告知後の夫婦関係、家族関係
佐藤 由美子(愛知県) 2006/12/01
たかはしさま

HP読ませていただきました。病院勤務の薬剤師です。
私たち医療従事者は、患者さんの心に寄り添えることを願い、理解しようと日々努めていますが、その一方で、自分の身に実際に起こってもいないのに、その人の気持ちになることは難しい、というジレンマを抱えています。そんな中で、たかはしさんのHPを読ませていただくことで、また少し、理解を深められた気がします。ありがとうございます。
患者さん同士の助け合い、非常に重要ですね。患者さんの不安な気持ちをお聞きしているとき、実際に経験された方に話していただいたら、私よりよっぽど力になってくださるのにな、と思うことがよくあります。ただ、それぞれの方が抱えている事情は異なるのでしょうから、一方的にお願いするわけにもいかないのが難しいところです。でもいつか、当院の中にも患者会のようなものを作れるとよいな、との思いを新たにさせていただきました。
Re:告知後の夫婦関係、家族関係
たかはし(栃木県) 2006/12/02
上野先生、伊沢和子さん、佐藤由美子さん

ご丁寧に有り難うございます、私達患者は会を組織すると患者同士の傷の舐め合いではないかとの批判を頂く事が多くあります、特に若い方達からの批判が多いのですが、そのうち4人に一人がガン患者と云う時代が来ればその方達も改めて患者同士の連帯や、医療関係者との連帯がどれだけ必要になるかが理解してもらえるものと思っております。
2006年度は米国の真似から始めたRFLも1,000人と云う患者家族が筑波大学に集合して[命のリレー]を成し遂げました。
この陰には、医療関係者の方々や、ボランティアの方々の大きな支えがあっての事でしたが、米国では毎年3,000カ所以上で行われています、日本でもこのような活動が定着するにはまだまだ長い時間が必要かと思われます、2007年は大阪での開催が計画されておりますが、皆様のような心優しい優れた医療関係者の方々が居る限り世界で23カ国目の[がんに目覚めた国]としてこれからは安心して患者さんも治療に専念出来るのではないかと心強く思います。
私も余命の続く限り出来るだけ多くの患者さんや医療関係者の方々と接触し患者の一人としてお役に立って行きたいと思っております。
有り難うごぞいました。

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