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患者と医療者のコミュニケーション
乳癌術後化学療法による再発率の低下の度合い
ベイトソン (大阪府) 2009/11/14
今年の6月に乳癌(抗ガン)と診断され、7月に手術後、術後療法としてホルモン療法(タモキシフェンとゾラデックス併用)をといわれ、3ヶ月前からホルモン療法を始めています。現在は放射線治療中です。
術後の病理検査の結果は以下のようでした。
しこり2.8cm リンパ節転移1個(センチネルリンパ節)ホルモン感受性強陽性 Her2マイナス 核異型度1 切除断片マイナス 脈管侵襲マイナス 年齢33歳
当初は、癌になったことで冷静にいろいろと自分で調べたりすることができていなくて、経験豊富な主治医の先生がそう判断したのであればそうなのだろうと、抗ガン剤やらなくてよかったと思っていたのですが、その後いろいろと自分で調べていますと、抗ガン剤をやった方がよいのではないかと自分で思う部分もでてきました。
今年のStGallenコンセンサスの結果と私の病理検査の結果を照らし合わせると、ER陽性、HER2陰性患者での化学内分泌療法の選択方法として、希望すれば抗ガン剤を適応できるという微妙なラインだと思いました。
そのことを主治医の先生に後に伝えると、「副作用も強いしこれから子供を産むかもしれないと言うことを考えると簡単に進められるものではない。医療費も高い。抗ガン剤が効きにくい癌なので、1%かそれ以下であっても再発率を下げたいならやってもいいけれど。」ということでした。
主治医の先生は厳密に標準治療にのっとって診断してくださっていることはわかっているつもりですが、どうも、この「1%かそれ以下の再発率低下」に関して気になります。
1%かそれ以下の再発率低下というエビデンスはないはずなので、主治医の先生のご経験によるものなのだと思うのですが、
ki67の発現を調べたりやマンマプリントをできなかったこと、またタモキシフェンに対する感受性が自分になかったときのことなどを考えると、抗ガン剤による再発率低下が本当に1%かそれ以下なのだろうか、もしかしてそれ以上のこともしばしばありうるのではないだろうかとなんとなく思ってしまいます。
現在使えるデータが病理検査結果しかないので、なんとも言えないということはわかっているのですが、
(1)このような場合、MDアンダーソンなどではどのように治療法を選択をされるのか参考程度にお聞きしたく投稿させていただきました。
それから、
(2)再発したときの癌は原発の癌とはまた性質が違うことが多いと言われていることや、「5年以上のタモキシフェン投与でER陰性の対側二次乳癌リスクが4.4倍」という記事を読むと、もしかしてどこかにある微少転移の性質がタモキシフェン感受性ではなかったら、術後補助療法としてホルモン療法だけでよいのだろうかという疑問がありますがその点に関して標準的にはどのように考えられているのでしょうか?
また、
(3)ほとんど抗ガン剤が効かない癌だということは、将来ほぼ同じタイプの癌が他の部位に再発したらなす術がないということなのでしょうか?もしくは、このタイプの癌に対する抗ガン剤による再発率低下の度合いが、癌の大きさや進行度悪性度に依存して上昇するということなのでしょうか(現在の私の癌のレベルでは、だからそれだけ再発率低下の度合いが小さいということなのでしょうか?)

長くなってしまいましたが、どうかよろしく御願いいたします。

   
Re:乳癌術後化学療法による再発率の低下の度合い
上野 直人(海外在住) 2009/11/16
質問です。以下の確認させてください。

副作用も強いしこれから子供を産むかもしれないと言うことを考える
ーつまり子供を今後産まれる予定があるんですね。

医療費も高い。
ーこれは本当に医療の治療の判断材料にしていいのでしょうか?

抗ガン剤が効きにくい癌なので、
ー何で?

1%かそれ以下であっても発率を下げたいならやってもいいけれど。
ーこれは何を根拠に言われているのでしょう?
Re:乳癌術後化学療法による再発率の低下の度合い
ベイトソン (大阪府) 2009/11/16
上野 直人先生

お忙しい中コメントを本当にありがとうございました。感謝します。

>副作用も強いしこれから子供を産むかもしれないと言うことを考える
ーつまり子供を今後産まれる予定があるんですね。
→現在はまだ未婚で具体的な予定は全くありませんが、卵巣機能は残ればよいなとは思っています。でも子供をもつよりも前にできるだけ再発せずに生きたいとは思っています。

>医療費も高い。
ーこれは本当に医療の治療の判断材料にしていいのでしょうか?
→日本の医療費が増加しているということを考えると、自分が過剰かもしれない医療(抗ガン剤)を受けるに値するかということも考えてしまいました。しかし、主治医の先生が判断材料にされているのかどうかはよくわかりません。単純に抗ガン剤は高いとおっしゃっていただけかもしれません。

>抗ガン剤が効きにくい癌なので、
ー何で?
→ホルモン感受性が強陽性の場合、おそらく、術前化学療法などの症例で効きにくいということがわかっているのではないかと思いました。(実際になぜ効きにくいのか主治医の先生に聞いたわけではありません)

>1%かそれ以下であっても再発率を下げたいならやってもいいけれど。
ーこれは何を根拠に言われているのでしょう?
→私が抗ガン剤のメリットとデメリットを天秤にかけ、デメリットをちゃんと自覚した上でそれでも希望するのであれば、やってもよいとおっしゃいました。

このように考えると、なぜ抗ガン剤が効きにくいのか、何を根拠に1%なのかということを主治医の先生に聞かないといけないのかもしれませんが、これまでに細かいことをいろいろと聞いたあとなので、なかなかもう聞きにくいです。
Re:乳癌術後化学療法による再発率の低下の度合い
上野 直人(海外在住) 2009/11/17
なるほど、もう一度主治医にこの点を確認するべきです。
乳癌の予後に関してはAdjuvant onlineというコンピューターで一定の予後予測は可能ですが、この話を聞いている限り、何かが情報としてかけているのような気がします。

主治医に聞くべきです。
1.Adjuvant onlineでどれぐらいの再発率があるのか?
2.化学療法とホルモン療法するとどれぐらい再発率が下がるあるいは生存率が上がるのか?

もしこれで、答えが出なければ、セカンド・オピニオンをおすすめします。

Re:乳癌術後化学療法による再発率の低下の度合い
ベイトソン (大阪府) 2009/11/18
上野 直人先生

お忙しい中コメントをありがとうございます。

何かが情報として欠けている、というのは、もっと他にほぼ決定的にホルモン療法のみで妥当であるということを裏付ける因子があるのではないかということでしょうか?

それから、私は少し勘違いしておりました。病理検査の結果以外の遺伝的な因子などがすべてハテナであるからといって今コンピュータなどで予想できる自分の再発率が上がったり下がったりするのではないですよね。各集団を今のまま固定した場合、その集団に対しての再発率は絶対的な数値としてあってその再発の要因がもしかしたら遺伝的な因子や生活習慣などによるものかもしれないということでした。
そうなると現時点での予後予測がどれくらいなのか確かにかなり気になります。
Adjuvant onlineでどのくらいなのか聞いてみようと思います。それがわかると1%のとらえ方も変わってくる気がします。

(2)の質問に関して、素人的に考えてこのように思うのですが、お医者様の立場からはどう思われますか?

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