掲示板「チームオンコロジー」

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家族関係とコミュニケーション
私ができることとは…
れい(東京都) 2006/11/26
はじめまして。この前開催されたジャパン・ウィルネス主催の「がん―医と心を考える会」の講演を聴かせて頂いた一人です。がんについての講演を聴いたのは初めてだったのですが、とても勉強させていただきました。
私の母は、今年の夏、乳がん(ステージ2)だと宣告されました。その後、手術をし、今は抗がん剤治療(2コース目)をしています。予定では、抗がん剤治療を6コース、その後放射線治療をし、ホルモン療法をする予定です。
私は現在、地元である九州を離れて、一人暮らしをしながら東京の大学に通っているので、離れて暮らしている母が心配でたまりません。
ガンだと宣告された時は、「なんで母なんだ?何が原因なんだ??母をこんな病気にさせたのは誰なんだ???家族か??私か??」と、自問自答する毎日でした。でも、この質問には答えなんてないと思います。原因は何かあるかもしれませんが、特定することはできないと思いますし、誰の責任かと言えば、誰の責任でもない、もしくはみんなの責任なのかもしれないと私は考えました。だからこそ、母を支えていかなければならないのは、私たち「家族」なのだと思います。
最近は、「この先どうなっていくんだろう。どうやって生きていったらいいのだろう。私は一体何ができるのだろう。」と、考え込む毎日です。でも、「この先どうなっていくか」なんて、神様がいたら神様にしか分からないし、「どうやって生きていくか」なんて、それが人生なのだから、試練を乗り越えてなんとかして生きていかなければならないし、そんな希望のない質問を自分自身でするのは止めようと思い、あまり考えなくなりました。
でも、最後の、「私に一体何ができるのだろう。」という質問の答えが分からなくて、ここの掲示板に投稿させていただきました。私ができること…母に毎日電話をして声を聞いたり聞かせたりすること、母を笑わせること、少しでもガンについて知識を増やすこと、など。でも、もっとあると思うのです。なにか、もっと、母がやって欲しいと思うことも私はしたいのです。薬でもない、お医者さんでもない、私だからこそできることをしたいのです。
離れて暮らしている母に、なにもしてあげられない私。「一体私は何をしているのだろう?」と自分に問うと、何もしてあげられない、何をしたらいいのかさえ分かっていない自分が嫌で嫌でたまらなくなります。母に「私に何ができる?」と聞いたら、「ちゃんと大学に行って卒業すること。」だそうです。(ちなみに私はちゃんと毎日行ってます!!笑)
もし、何か「これやってあげた方がいい」や、「これやって欲しい」というようなご意見がありましたら、教えていただけたら幸いです。私は本当にお母さんが大好きです。いつも明るくて、ひまわりのような陽気なお母さん。そんなお母さんが一人で苦しむのは絶対に嫌です。少しでも母の力になりたいと思っています。支離滅裂な文章になってしまい申し訳ありません。
もし何かあれば、よろしくお願いいたします。

   
Re:私ができることとは…
上野直人(海外在住) 2006/11/26
色々としてあげたいことがありますね。多くの人たちが同じ事を願います。私達の間で簡単に出来ることがあるかもしれません。お母さんの話をよく聞いてあげてくださいね。重要なはなしだけでなく、つまらないことまで、お母さんに意見を言わないだけで話しを聞くことを繰り返すと良いと思いますよ。簡単ですがこれが意外と難しいんでで寸ね。また、おっしゃるようにあなた自身の夢を叶えてください。きっとお母さんは安心されますよ。
Re:私ができることとは…
佐藤由美子(愛知県) 2006/11/26
れいさん、こんにちは。病院勤務の薬剤師です。
実は私も、いつもれいさんと似たような同じ悩みを抱いています。医療従事者としてがん患者さんに接しながら、ほんとうはこの患者さんは私たちにどうしてほしいのだろう、私たちは何をしてあげられるのだろう、と常に考えているのです。
最良の医療を提供することは当たり前なのですが、私たちが最良と思っていても、患者さんが最良と思えるとは限らないのががん治療の難しいところです。
そこで、私の立場かられいさんにお願いしたいことは、お母様が満足いく医療を受けられているかどうか時々確認してあげていただきたいと思います。離れて住んでいらっしゃるとのことで難しければ、そばにいる他のご家族にお願いされても良いかと思います。もし問題があれば、それを明確化して知らせていただけると、医療者側も対応が取れると思います。
あとは、薬剤師の立場を離れて考えてみますと、きっとお母様はご自分ががんになられたことで、れいさんに迷惑をかけたくないと一番願っておられると思います。ですので、お母様を愛する気持ちを伝えて差し上げたらきっとお喜びになるのではないでしょうか。
ありがとうございます。
れい(東京都) 2006/11/27
上野先生、お返事ありがとうございます。なんだか掲示板で悩みを書くことによって自分の気持ちが少し整理でき、さらに、先生や他の方にコメントを頂いて、とても安心したというか、一人じゃないんだって思えることができます。ありがとうございます。
わかりました。母といろいろ話しをしてみたいと思います。たくさんたくさん話しをして、母の気持ちを知ろうと思います。そして、今の私にできることをやり、将来、親孝行ができるように頑張ります。
本当にありがとうございました。
また掲示板使わせて頂きたいと思います。
ありがとうございます。
れい(東京都) 2006/11/27
佐藤由美子さん、はじめまして。
温かいお返事、ありがとうございました。まさか、どなたかコメントを書いてくださるとは思っていなかったので、嬉しかったです。
佐藤さんのご意見を拝見して、私たち患者(患者家族)側から物事を考えていたら、思いもつかなかったご意見だったので、とても参考になりました。是非参考にさせて頂きたいと思います。
私は今まで、母から「どのような治療をしていくとお医者さんがおっしゃったのか」を聞くだけで、母がそれに対して満足しているか、または納得しているのかという気持ちを確認していませんでした。ただ、言われた通りに治療を受けるだけで、受身の体勢だけだったな、と反省いたしました。母に今の治療で本当に満足しているのか聞いてみます。そして何か問題があれば、母と共にお医者さんと相談をしながら治療を進めていきたいと思います。
また、ご指摘頂いたように、確かに、母は人一倍気を遣う性格なので、私に心配をかけまいとしていると思います。私は、自慢ではないのですが、自他共に認める「家族大好きっ子」で、本当に家族を愛しています。なので、「大好き」ということは、いつも伝えているつもりですが、最近は、「大好き」よりも、「心配」の気持ちが強かったと思うので、「心配」しているけど、私はお母さんのことが「大好き」なのだということを、もう一度母に伝えてみようと思います。そうしたら、いつも、まだまだ私のことを子どもだと思っている母も、少しは私に甘えてくれて、本当の気持ちを言ってくれるかもしれません。
本当に、本当に貴重なご意見、ありがとうございました。
佐藤さんも、お仕事大変だと思いますが、頑張ってください。きっと、たくさんの患者さんが、佐藤さんの優しい心に癒されておられると思います。応援しています。
Re:私ができることとは…
佐藤 由美子(愛知県) 2006/11/28
れいさん
こちらこそほんとうにありがとうございます。
私こそ、毎日患者さんから勇気や元気をいただいています。
今日、れいさんからもいただきました。
またいつでも困ったことがあってもなくても、
お声を聞かせてくださいね。
Re:私ができることとは…
伊藤高章(大阪府) 2006/11/29
れいさま
 病院で、患者さんやご家族のお話を聴かせていただく仕事をしている伊藤高章と言います。離れてお過ごしのお母様のこと、さぞご心配でしょう。れいさんご自身の思いつくかぎり、できるかぎりのことで、お母様をお支え下さい。くれぐれもご自分の健康も大切にしながら。
 そのうえで、一言だけ申し添えるならば、れいさんのほかにもお母様のことを心配されている方がいらっしゃるはずですので、そのことも覚えておいてください。そして、必ずしもれいさんご自身が支えるのではなく、事柄に応じて一番適切な方が登場して支えの手を差し出すことができるように配慮する。そのようなことが、お母様の気持ちの一番近くにいらっしゃるれいさんの、大切な役割かもしれません。支える方の思いが、患者さんを独占しないように、というのが大切なことだと思います。
 お母様と1対1で向き合う大切な機会でもありますが、お母様の持っていらっしゃる広い世界に、れいさんが招いていただく機会でもあると思います。
ありがとうございます。
れい(東京都) 2006/12/02
佐藤由美子さん、再び、温かいお言葉をありがとうございました。私も佐藤さんから元気をいただきました。
これからもお互い、頑張っていきましょう。
またお話させてください。ありがとうございました。
ありがとうございます。
れい(東京都) 2006/12/02
伊藤高章さん、はじめまして。伊藤さんから温かいお言葉を頂いたのに、お礼のお返事が遅れてしまって申し訳ありません。
頂いたコメントからいろいろなことを学ばせていただきました。一生懸命になりすぎて、「私がなんとかしなきゃ!」と焦っていても、私の力で出来ることは限られていると思いますし、その焦りが母に伝わり、母を逆に苦しめてはいけないと思いました。ご意見の中にもあったように、私だけが母を支えているわけではないのですから、その場その場にいる適切な方の力を借りながら、みんなで母を支えていこうと思います。現に、今も、母は家族だけではなく、たくさんの人達に支えてもらっています。この前は、抗がん剤の副作用で髪の毛が抜け、かつらをかぶるのを嫌がって、あまり外に出たがらなくなっていた母を、母の友人の方が買い物に誘ってくれて、買い物の後、電話で、「楽しかった」と喜んでいた母の声を聞きながら安心すると共に、母の友人に感謝いたしました。伊藤さんのコメントを頂いて、いろんな人の力をお借りして、母を広い世界に連れて行くことって大事なことなんだなということに、改めて気付くことができました。ありがとうございました。
これからも、周りの方たちへの感謝を忘れず、力をお借りしながら、家族と共に母を支えていこうと思います。
本当に貴重なご意見、ありがとうございました。
最後になりましたが、私のことも心配してくださってありがとうございます。自分の体調も、気をつけながら自分で管理していきます。伊藤さんもお体に気をつけてお仕事頑張ってください。応援しています。

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