掲示板「チームオンコロジー」

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治療とその選択
乳房の予防的切除について
ゆず(茨城県) 2010/02/16
以前、相談した際には、上野先生、どうもありがとうございました。
今は気持ちの整理も付き、前向きに生活しています。

今回は、相談ではなく、疑問というか質問なのですが、よろしいでしょうか?

Breastcancer.orgの掲示板(アメリカの患者掲示板)をよく見に行くのですが、その中で、"bilateral mastectomy (+ reconstruction)"という言葉を実にひんぱんに見かけます。
両胸にできたからというのではなく、片側だけで、しかも早期だけれど、予防的に対側も全摘(+同時再建)するというケースが多数派のようです。閉経前の若い年齢でかかった人の書き込みに、ひんぱんに見かけます。

自分もやりたいというわけではないのですが(日本では無理でしょうし)、同じ掲示板の対側乳癌の過去ツリーなど見ていると、初発が比較的若い年齢だった人が多いようなので、気にはなります。

これって、将来的に、標準治療のひとつになっていくようなものなのでしょうか?
それとも、文化の違いですか。
先生方はどう思われますか。

   
Re:乳房の予防的切除について
nozomi(東京都) 2010/02/17
ゆずさん、こんにちは。
癌の翻訳をしている者です。
この件では、アメリカは随分日本と違うなと感じます。

下記の記事が参考になるのではと思い、挙げさせていただきますね。

米国国立癌研究所発行NCIキャンサーブレティン1月26日号
http://www.cancerit.jp/xoops/modules/nci_bulletin/index.php?page=article&storyid=366




Re:乳房の予防的切除について
上野 直人(海外在住) 2010/02/18
ご無沙汰しております。

予防的乳房切除は簡単には奨められません。米国では患者が医療従事者達を押してしまっている感があるのは事実です。一番大切なのは危険度の率の場合だと思います。例えばBrca+みたいに遺伝子診断をうけている場合でも、予防切除を絶対しないといけないと言う事にはなっていません。つまり、
1.遺伝子診断をきちっと対応できる外来。
2.予防切除を理解できるオンコロジスト
3.切除後の美容整形能力がある

様々なファクターがそらって、さらには臨床試験をとおさないとハイレベルなエビデンスある治療行為になれるか疑問です。これはあくまで個人的意見です。
Re:乳房の予防的切除について
ゆず(茨城県) 2010/02/18
nozomiさん、上野先生、どうもご意見ありがとうございます。

Breastcancer.orgの掲示板を見てる限り、健側の予防切除を受けてる人のうち、BRCAポジティブの方は少数だと思います。
遺伝子変異があるからというわけではないみたいです。
若かったり、しこりが数カ所あった人などで、早期の患者は、最近手術を受けた人では相当な割合?やっているのではという印象を受けます。あくまで印象ですが。

ところで、そもそも、対側乳がんは、BRCAとか関係ない場合で、乳管癌の場合、そこまで発生率が高いものなのでしょうか??
ネットで調べても、4%と書いている記事から20%(!)と書いている記事まであって、よく分かりませんでした。
Re:乳房の予防的切除について
nozomi(東京都) 2010/02/18
再度失礼します。
そういえば、MDアンダーソンからもニュースが出ていました。

BRCA遺伝子変異や不安のある女性は、予防的乳房切除を受ける可能性が高い
http://www.cancerit.jp/xoops/modules/cancer_reference/index.php?page=article&storyid=651

対側乳癌の危険因子を特定
http://www.cancerit.jp/xoops/modules/cancer_reference/index.php?page=article&storyid=627


http://www.cancerit.jp/xoops/modules/nci_bulletin/index.php?page=article&storyid=320

DCIS
http://www.cancerit.jp/xoops/modules/nci_bulletin/index.php?page=article&storyid=339

2,3年前か、乳癌家系の若い女性が、予防的に両乳房を切除したことが米国で大きく話題になったと思います。その影響などもあるのでしょうか。驚きます。

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