掲示板「チームオンコロジー」

Bulletin board

治療とその選択
骨転移による痛みのコントロールについて
めぐみ(東京都) 2006/12/07
乳癌患者です。骨と肝臓に転移があり、骨は痛みを伴っています。現在、デュロテップパッチ10mgとボルタレン1日3錠飲んでいます。それでも骨盤の痛みがとれず、すでに
痛み止めの放射線を3箇所あてているので、主治医はこれ以上の放射線は、他の臓器に与える影響を考えて、お勧めでは
ないようです。 月に一度は、ゾメタも点滴してます。
一向に効き目がなく、痛みは増すばかりです。 他によいコントロール方法がないものでしょうか? 

   
Re:骨転移による痛みのコントロールについて (質問)
上野直人(海外在住) 2006/12/08
質問をしていただきありがとうございます。いくつか教えてください。
1.主治医にはこの痛みに対して相談されたのですか?
2.もし相談されたら、主治医はどう答えたのでしょうか。
3.痛みのレベルはどれぐらいですが。
4.このような痛みでどのような日常生活を過ごされていますか?
Re:骨転移による痛みのコントロールについて
めぐみ(東京都) 2006/12/09
ご質問に対しての回答です。なにかよいアドバイスをいただけたらと思います。よろしくおねがいします。

1.主治医にはこの痛みに対して相談されたのですか?
 >はい、 毎回痛みについては、訴えています。

2.もし相談されたら、主治医はどう答えたのでしょうか。
 >痛みは我慢しないでレスキュー(モルヒネ)をもっと飲んでください。と言われます。あとは、デュロテップパッチの量を徐々に増量されました。現在10mgです。 モルヒネは、便秘になるのであまり飲みたくないので、外出予定があるときなどに飲む程度です。

3.痛みのレベルはどれぐらいですが。
 >一日のうちで朝起きたときが一番ひどくて10段階で7~8レベルだと感じてます。 薬(ボルタレン等)を飲んで1~2時間安静にしていると少しおさまって6レベルくらいに落ち着くように感じます。 ここ1週間くらいで動作を起こすときにズキンという激痛が走るようになってきました。

4.このような痛みでどのような日常生活を過ごされていますか?
 >ほとんど家の中ですごしています。外出は、病院関係に
出かけるときのみで、タクシーを呼んで目的地まで行きます。
家にいるときもベットに横になっていることが多いです。
椅子に座っていても痛みを伴うので。買い物は、ほとんど宅配を利用してます。夕食の支度は、今のところなんとか自分でやっています。
Re:骨転移による痛みのコントロールについて
上野直人(海外在住) 2006/12/09
つらいですね。痛みがコントロールされていないことが生活に大きなインパクトがあるのがよくわかります。このさいとは、セカンド・オピニオンサイトではないので具体的な指針をたてることは出来ませんが、いくつか考えていただきたいことがあります。

1.ちなみに痛みの原因はなんだと主治医はいっていますか?

2.モルヒネなどの麻薬性鎮痛剤に関しての便秘は積極的にmanagementするべきです。つまり、便秘を予防するために便秘薬を飲むぐらいの積極的なアプローチが必要です。一度この点は相談された方が良いと思います。痛み止めの副作用は許される限り予防するのが原則だと思います。副作用に関しては主治医あるいは薬剤師と相談されたことはありますか?

3.日本ではまだ認可されていませんが、 骨集積性放射性医薬品を考える点もあります。日本で臨床試験があるか調べるのも手だと思います。日本でもSr-89は臨床試験がおこなわてると聞いたことがあります。

Re:骨転移による痛みのコントロールについて
めぐみ(東京都) 2006/12/10
お返事ありがとうございます。感謝しております。

1.ちなみに痛みの原因はなんだと主治医はいっていますか?

> 骨に転移すれば痛みを伴うものと思っていて、ちゃんと聞いたことがないように思います。 骨が溶け出して、まわりの神経を圧迫することによって痛みやしびれがでていると思っています。

2.モルヒネなどの麻薬性鎮痛剤に関しての便秘は積極的にmanagementするべきです。

> はい、デュロテップパッチでも便秘になるので、便秘薬は毎日飲んでいます。 主治医も便秘は便秘薬で解消すればよいといわれています。 
便秘薬の量を増やしてでも、モルヒネを飲んで痛みを軽減するほうが大切でしょうか。

3.日本ではまだ認可されていませんが、 骨集積性放射性医薬品を考える点もあります。日本で臨床試験があるか調べるのも手だと思います。日本でもSr-89は臨床試験がおこなわてると聞いたことがあります。

> 貴重な情報をありがとうございます。 早速、主治医にきいてみるなり、自分で調べてみます。
Re:骨転移による痛みのコントロールについて
上野直人(海外在住) 2006/12/10
1.ちなみに痛みの原因はなんだと主治医はいっていますか?

> 骨に転移すれば痛みを伴うものと思っていて、ちゃんと聞いたことがないように思います。 骨が溶け出して、まわりの神経を圧迫することによって痛みやしびれがでていると思っています。

なるほど、骨の痛みは必ずしも、骨の転移だけとは限りません。骨は様々な自らの体重で圧迫を受けるので、物理的な力だけでも痛みは起こります。一度主治医に骨の痛みの原因が単に病気によるものかを聞いてみたら如何でしょうか。

2.モルヒネなどの麻薬性鎮痛剤に関しての便秘は積極的にmanagementするべきです。

> はい、デュロテップパッチでも便秘になるので、便秘薬は毎日飲んでいます。 主治医も便秘は便秘薬で解消すればよいといわれています。 
便秘薬の量を増やしてでも、モルヒネを飲んで痛みを軽減するほうが大切でしょうか。

米国では、便秘薬を増やしても、デュロテップパッチでもモルヒネを増やした方が良いというのが通説です。麻薬性鎮痛剤の量制限は基本的にはありません。痛みがコントロールするまであげるのが常識とされています。しかし、副作用がありますので、これをいかにして予防するのが薬剤師、腫瘍内科医の腕の見せどころといわれています。

3.日本ではまだ認可されていませんが、 骨集積性放射性医薬品を考える点もあります。日本で臨床試験があるか調べるのも手だと思います。日本でもSr-89は臨床試験がおこなわてると聞いたことがあります。

> 貴重な情報をありがとうございます。 早速、主治医にきいてみるなり、自分で調べてみます。

がんばってください、応援しています。主治医とのコミュニケーション改善をとおしてでも、納得できないならセカンド・オピニオン(腫瘍、ペインクリニック)をお勧めします。
Re:骨転移による痛みのコントロールについて
佐藤 由美子(愛知県) 2006/12/11
めぐみさん、こんにちは。
いてもたってもいられない気持ちで毎日掲示板を見守っていた病院勤務薬剤師です。
米国のみでなく、日本でも痛みのマネジメントの基本的考え方は同様です。
便秘の副作用について、もうすでにご存知で蛇足かもしれませんが、私の知る限りの薬の使い方です。
1.プルゼニド(センノシド)
大腸の運動を促し、便を出させる働き。1日1回夜2~4錠。
2.酸化マグネシウム
大腸の中に水分を引き込むことにより、便を柔らかくし、便が出やすくする働き。1日0.5g~3gを1回~3回に分けて。
3.ラキソベロン(ピコスルファートナトリウム)
主にプルゼニドと同じ働きだが、大腸から水分が吸収されるのを抑える働きもある。液体の製剤もあり、1日1回10~20滴程度で微調整も可能。

1日も早く、めぐみさんの痛みが取れて、副作用もコントロールできることを願っております。
Re:骨転移による痛みのコントロールについて
めぐみ(東京都) 2006/12/11
上野先生、佐藤様、よきアドバイスをありがとうございました。 便秘をうまくmanagementしながらモルヒネをもっと利用するようにします。 自由診療で、アバスチンとリンパ球療法を併せて始めることにしました。うまく効果を発揮しだすと痛みもかなり軽減できると聞いて、期待しています。
Re:骨転移による痛みのコントロールについて
めぐみ(東京都) 2006/12/13
上野先生、 主治医に、骨集積性放射性医薬品の事をきいてみましたが、残念ながら日本ではまだ臨床試験はやっていないとのことでした。Sr-89も同じく臨床試験はおこなわれていないとのことでした。 残念です。
Re:骨転移による痛みのコントロールについて・リンパ球注入
上野直人(海外在住) 2006/12/13
事情は了解いたしました。痛みの原因は何度といってましたか?
ちなみにSr89はGEが導入しようと考えていると思います。http://www.nmp.co.jp/
一度連絡して日本における事情を確認してみたら如何でしょうか?
さて, avastinとリンパ球注入は臨床試験で行われるのでしょうか?どのような説明を受けたかを教えていただけたら幸いです。
Re:骨転移による痛みのコントロールについて
めぐみ(東京都) 2006/12/14
痛みの原因については、骨に転移した癌が、神経を圧迫して、痛みを引き起こしていると聞いており、それ以上あまり詳しくは、聞いていません。
Sr89については、教えていただいたサイトにあった連絡先に電話をして聞いてみたところ、すでに治験は終了しており、現在申請中で、来年あたりに承認されるのではないかとの見込みらしいです。 ところでこのSr89とはどんな薬なのでしょうか?直接、骨転移の痛みを緩和するような薬なのでしょうか?

avastinとリンパ球注入は、臨床試験ではありません。 まったくの自由診療で行います。 主治医からは、アバスチンとタルセバの組み合わせがよいのでは、と言われてそのつもりで話を聞きに行ったのですが、先方は、リンパ球療法を組み合わせたほうが、より効果が上がっていると説明されました。リンパ球療法が、アバスチンの効能をより強調するとの説明でした。タルセバについては、ハーセプチンと似たようなもので、今まで長い間ハーセプチンを投与し続けていてあまり効果が出ていないようなので、タルセバを組み合わせるより、リンパ球療法を併せて行ったほうがよいのではないでしょうか?と説明され、費用もかかるので、あまりなにもかもというわけにいかず、効果がでているというアバスチンとリンパ球療法を併せて行うことにしました。
Re:骨転移による痛みのコントロールについて
上野直人(海外在住) 2006/12/18
[痛みの原因については、骨に転移した癌が、神経を圧迫して、痛みを引き起こしていると聞いており、それ以上あまり詳しくは、聞いていません。 ]

もうすこし、聞かれた方が良いと思います。骨の痛みは、神経だけでなく、がんそのものによったり、あるいは骨自体が安定していないためなど、様々な理由を考慮する必要があります。


[Sr89については、教えていただいたサイトにあった連絡先に電話をして聞いてみたところ、すでに治験は終了しており、現在申請中で、来年あたりに承認されるのではないかとの見込みらしいです。 ところでこのSr89とはどんな薬なのでしょうか?直接、骨転移の痛みを緩和するような薬なのでしょうか? ]

Sr89は静脈注射することにより、Sr89が骨に集積します。そして、放射線治療を骨にするのですが、骨にしか行きませんので、骨の痛みを和らげ、副作用も少ないです。とくに麻薬性鎮痛剤で痛みが緩和できないときに使用します。

リンパ球注入に関しては別の項目を作りました。

記事内容を変更することはできません。記述を修正したい場合はコメント欄を使って補足・訂正を行ってください。