掲示板「チームオンコロジー」

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患者と医療者のコミュニケーション
ホルモン感受性の抗がん治療について
晴(神奈川県) 2010/10/26
10月6日に右全摘、リンパ郭清Ⅲの手術をうけました。
57歳です。
術前の検査結果です。

硬癌 4CM
ステージ 3
核異型スコア 3
分裂像スコア 3(12個/10HPF)
腺管形成 3
核グレード 3
組織グレード 3
ER + 95%
PgR + 80%
HER2 -
T2N1 Luminal A

術後の病理結果はまだですが、リンパに4個あったそうです。

教えて下さい、ホルモン感受性ありでも抗がん治療は必要でしょうか?リンパに4個という事で抗がん治療が必要なんでしょうか?乳がんが全身という意味で必要なんでしょうか?
再発率、生存率も関係してくるとはおもいますが、、、。
29日に主治医から治療法等説明がありますが、その前に少しでも知識をつけたいと思いお聞きします。
よろしくお願いします。
  

Re:ホルモン感受性の抗がん治療について
向原徹(兵庫県) 2010/10/26
はじめまして。神戸大学病院の向原と申します。

ご心配な様子よく分かります。
まず、最初にお勧めしたいのは、正確な情報を主治医から聞かれることです。リンパに4個というのが、最終的な病理検査結果なのか、あるいは手術中の単なる印象なのか、その他の病理所見ともあわせ、29日の説明をじっくり聞かれるのがよいと思います。

その上でのお話ですが、仮に4個のリンパ節ががん細胞に侵されていた場合、多くの場合やはり化学療法が勧められます。リンパ節にがんがあること=乳がんが全身、という意味ではありませんが、全身に目に見えない形で転移している可能性が、リンパ節ががん細胞に侵されていない場合より高いということは言えます。おっしゃるように、再発率にも関わります。したがって、見えない転移をやっつけるべく、化学療法をする意味合いも強くなるということです。

最初に戻りますが、まずは正確な情報をえられて、そのうえで、最良の治療を主治医と話し合って決めていかれることを、お勧めします。
Re:ホルモン感受性の抗がん治療について
晴(神奈川県) 2010/10/27
はじめまして、向原先生
ありがとうございました。

頭の中では化学療法→ホルモン療法だろうなとは思っていましたが、髪が抜ける、帽子やかつらで職場に、、、という事が今の私には受け入れがたく、ついお聞きしてしまいました。そんな次元の問題ではないとはおもいますが。

私の場合は化学療法があまり効果がでないと聞いてます、それでもやらないよりやったほうがいいという事でしょうね。

最終的な病理検査結果は29日に主治医から説明を受けます。
納得できるようちゃんと話し合いたいと思います。
ありがとうございました。
結果を報告させていただきます。
Re:ホルモン感受性の抗がん治療について
向原徹(兵庫県) 2010/10/27
いえ。
私もたくさんの術後化学療法の患者さんを診せていただいていますが、患者さんと医療者が目標を共有することが、化学療法を乗り越えていく第一歩だと思っています。
ご説明を聞かれて、そういう風になっていただければよいなあ、と思います。
Re:ホルモン感受性の抗がん治療について
晴(神奈川県) 2010/11/01
向原先生 報告が遅くなりました。
なかなか頭の整理がつかなくて、、。
病理結果は
硬癌 3.0×1.5×1.5 リンパ節転移 4個
ER + 95%  PgR + 60% HER2 -
核異型度 2

私の状態に近い患者さんのデータを貰いました。
ホルモン療法で生存率65.5%
  〃 +化学療法で 72.6%
データが全てだとは思いませんが、7%の差をどうとらえるのか悩んでいます。
科学療法はがん細胞を限りなくゼロに、ホルモン療法はがん細胞の発育を抑えるものと理解してます。
現在一人暮らしで(主人は既に他界)一人娘とは離れて暮らしています。職場には病名を告げ、勤務日数を減らしてもらい(当然収入も減りますが)治療を受けようと思ってます。

医師の立場からすれば化学療法プラスの方向でしょうが、
7%の差で辛い副作用を乗り切れるのか?前向きにやっていけるのか?めげてしまいそうで自信がありません。ホルモン治療も更年期障害のような症状が出るのでしょうが、現在も更年期障害で漢方を服用しており前向きに乗り切れるような気がしています。(ルミナルAということもあり)

結果がわからないからこそ自分なりに納得のいく意思決定が大切だと思っていますが、この掲示板をごらんになっている方の体験談、ご意見をお聞かせ頂ければうれしいです。

思っている事が文章にするとうまく表現できなくてはがゆいです。よろしくお願いします。

Re:ホルモン感受性の抗がん治療について
向原徹(兵庫県) 2010/11/02
晴さま

頭の整理が...と書かれていますが、大変ご自身の状況をよく理解されていると思いますよ。

そうなんですね、究極的には治療でえられるであろうベネフィット(今でいう7%)と治療で差し出さなければならない犠牲とを天秤にかけて考えるしかないんですね。”たった7%”と考えられる方も、”7%も”、と考えられる方がいてしかるべきで、そこは我々医療者が勝手に決めるべきものではないと思っています。
ただ私自身は、数字だけならべて、来週までに化学療法をするかしないか決めてきてください、というのは、やはり医師の技量として不十分だと思っています。上に書いたように、7%という数字(おそらく10年間での生存割合を見積もっていると思うのですが)は、やはり医学的にはかなり大きな数字と捉えるのが一般的で、他に化学療法のリスクを上げる要因がなければ、私ならば化学療法をお勧めすると思います。7%ということは、14人の方を治療すれば、1人の方の10年後の命を救えるという計算になります。余計に悩ませるのかもしれませんが。。。

追加ですが、ホルモン療法はがんを殺さないということはなくて、やはり目に見えない転移細胞を殺し、再発を抑える効果があると考えられます。

また、おひとりで暮されていたり、お仕事を持たれていることも、お悩みを深くしているのですね。遠巻きなことしか言えませんが、まず味方を増やされることだと思います。最近は主治医だけでなく、患者相談室、心理士など、病院の中で味方になってくれるひとも増えてきているかもしれません。悩みや苦しみは、換わってあげることはできませんが、共有することはできるはずです。

どうか、主治医や他の方とチームとなって、よい決断をされるようにお祈りします。
Re:ホルモン感受性の抗がん治療について
晴(神奈川県) 2010/11/03
向原先生、ありがとうございました。

実は今週末、娘の結婚式です。一生に一度の花嫁の母です。
それが済んだらじっくり考えようと思ってます。
一人暮らし、仕事、減給、、、。共有してくれるチームを作れるよう頑張ります。その過程で見えてくる事、ふっと浮かんだ思いを大事にしたいと思います。

また結果報告させてください。
ありがとうございました。

 
Re:ホルモン感受性の抗がん治療について
晴(神奈川県) 2010/12/04
向原先生 こんにちは。

 報告が遅くなりました。
本当に色々考えました。考えても考えても結論は出ず、逃げ出したい気持ちになりました。そして誰かにこの気持ちを聞いて貰いたいと思い、勇気をだして(電話って勇気がいるし、仕事をしてると昼間の電話は難しいんです)相談センターに電話してみました。でも私の話し方が悪かったのか「国立癌センターとか有明病院にも相談センターがありますよ。」
私が思ってた感じとはちがいました。
やはり1人で考えよう。そして7%の上乗せ効果、1人と13人、、、あまりにも数字にとらわれている事に気づきました。
もっと楽に考えよう、抗がん剤治療を受ける事で再発の時期を少しでも遅らせる、その間に新しい治療法がでてくるかもしれない!そう考えた時、家族が言ってくれた言葉「いつもいつも1人で頑張らなくていいんだよ、たまには甘えてよ。」を思い出しました。経済的な事、1人暮らしの不安、少しの間ならなんとかなる!そして主治医ともよく話し合い、というより一方的に話を聞いて貰い(笑)抗がん剤治療を始める事にしました。
 向原先生 本当にありがとうございました。
頑張ろうとは思わないけど、めげへんでぇ!まけへんでぇ!って乗り切ろうと思います。
私を支えてくれるまわりの人々に感謝です。

 ありがとうございました。

  晴
Re:ホルモン感受性の抗がん治療について
向原徹(兵庫県) 2010/12/06
晴さん

ご報告ありがとうございます。
気持ちを固められるのに、大変苦しまれたことと思います。
きっと実際化学療法をしてみると、思ったより楽なことも、思ったよりも辛いこともあるかと思います。いずれにしても、1週間だけ根性で乗り切る、というものでもないですので、どうかある程度はゆったり構えられて臨んでいただければと思います。

きっと想像するに、おひとりで沢山のことを決めてこられたのだと思います(すみません勝手にな想像で)。今回、相談室に電話をされたり、ご自身のことをお話されたのは、とてもすばらしいことだと思います。他人に気持ちを共有してもらうことで、乗り越えられることは沢山あります。私たち医師も、患者さんに気持ちを共有していただいたり、逆に励まされたりして、毎日仕事を続けられるところもあるのです。

どうか、これからも、周りに味方がいることを忘れずにいてください。
Re:ホルモン感受性の抗がん治療について
晴(神奈川県) 2010/12/14
向原先生 こんばんは。

色々ありがとうございました。
化学療法一週間経過、比較的副作用も軽く、つい油断してしまい、2週間後 白血球1700で40度の高熱、関節痛、歯痛、頭痛etc(うがい、手洗いちゃんとしてたんですが) まわりの人に心配をかけてしまいました。第1回目にして色々学習しました。この病気とは一生の付き合い、無理をしないよう治療を終え、次のホルモン療法につなげていく事が私を見守ってくれてる人達にも私にも大切な事なんですよね。

 ありがとうございました。
また何かありましたら、ご指導よろしくお願いします。

 晴
Re:ホルモン感受性の抗がん治療について
向原徹(兵庫県) 2010/12/14
晴さま

いよいよ始まったのですね。
熱も出て、大変なスタートですね。。。

ただ、熱は出るときにはどんなに用心していても出る、というのも事実なので、あまりガチガチに生活を制限するのではなく、リラックスする時間ももちながらやってくださいね。

もちろん、熱や体調が悪い時には医療機関と密に連絡をとることは大切です。

向原
Re:ホルモン感受性の抗がん治療について
晴(神奈川県) 2010/12/14
向原先生

 はい、ありがとうございました。
病院よりクラビットとロキソニンを処方してもらいました。
早いお返事感謝です。「気をつけていても出る時は出る」それを聞いて少し安心しました。ガチガチにならず ですね。
ありがとうございました。
Re:ホルモン感受性の抗がん治療について
ロータス(東京都) 2010/12/15
晴さま

はじめまして
掲示板読ませていただき、3年前の自身の事を思い出しました。
私も乳がん患者で化学療法を受けた者です。
AC療法(3週間に1回)×4回
パクリタキセル(週1回)×12回やりました。

初めての時は、吐き気がひどい怖く通院治療など、とても出来ないと思いましたが、薬剤師の先生から「世界最強の吐き気止めがあるから大丈夫ですよ」と励まされ、実際始めてみると、少しは気分悪くなる事もありましたが、なんとか乗越えられました。
 晴さまは熱をだされたのですか、お大事にしてください。
私の化学療法中のモットーは「モリモリ食べて、自分に優しく」で、マイペースで仕事を続けさせてもらいました。あちこち痛い所も出ましたが、熱と吐き気はなかったので、休む事なく勤務できたのはラッキーだったのですね。
あと1つラッキーと思う事は「冬の化学療法はマスクと帽子をかぶっての通勤も目立たない、苦しくない」でしたね。これが真夏だったらそうはいきませんからね。
 ストレスを溜めないように、自分に優しく乗り切ってくださいね。応援しています。
Re:ホルモン感受性の抗がん治療について
晴(神奈川県) 2010/12/16
ロータスさま

 はじめまして、そしてありがとうございます。
自分の不注意から熱をだしてしまい、家族にいっぱい心配をかけ、母を泣かせ、、、、落ち込んでおりました。ロータスさまの応援心に沁みます。本当にありがとうございました。
私の場合は自分に優しくではなく、自分に甘くだったようです。
化学療法中のモットー 考えもしませんでした。何か考えてみます。それと自分に優しくという事がどういうことなのか、何だか自分の体を酷使していたような、、、。
ありがとうございました。少し元気が出てきました。
それと、確かに冬の化学療法はラッキーです。

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