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患者からみたMDアンダーソンキャンサーセンター(MDACC)見学記
桜井 なおみ(東京都)
2010/12/18
乳がんサバイバー歴6年の桜井です。今回、同じく乳がんサバイバーの寺田さんと一緒に2010年12月8日~12日にテキサス州サンアントニオで開催される乳がんシンポジウム(SABCS)へ参加してきました。おそらく、日本人の患者がこのシンポジウムへ参加をするのは初めてのこと。
サンアントニオへ行くには、ヒューストン経由が一番。ヒューストンといえば、MDACC。ということで、私にとって3回目の訪問となりました。
まずは、上野先生を始め、貴重な時間をさいてお付き合いくださった、たくさんのスタッフの皆さんにこの場を借りて御礼申し上げます。
MDACCは、訪れるたびにいつも様々な気づきを得ます。
中でも今回は、
1)アドボケートという職種
2)院内患者会活動の視察
3)<がん撲滅>へ向けて
について、簡単ですが、感想をまとめさせていただきたいと思います。
1)アドボケートという職種
院内にアドボケートという有給スタッフがいることは聞いていましたが、実際、どのような組織体制で、どんな活動をし、どんな効果があるのかを知ることができたのは、大きな成果です。
アドボケートという言葉には権利擁護、政策提言、リサーチなど様々な意味がありますが、ここでいうアドボケートは<医療コミュニケーションの仲介役>。アドボケートは、医療者と患者の間の<コミュニケーション>を潤滑にし、チーム医療をつなぎます。彼らの効果は数字では表せないがとても大きい。患者、家族の様々なニーズに対応することで、患者満足度につながっているのでしょう。
2)院内患者会活動の視察
ブレストセンターでボランティアをしているスーザンとは1年ぶりの再会。本当にうれしかった。今回も彼女たちの活動をみせてもらいましたが、驚いたのは医療者との密接な関係。医療者のスペースにもどんどん入っていき、普段通りの言葉で人として対等に説明や言葉を交わしていました。
所属団体は様々ですが、院内のあちらこちらに<I’m a cancer survivor>と書かれたバッチを誇らしくはった経験者の存在は頼もしい限りです。前述のアドボケートとどうちがうのか?と聞くと、ボランティアということと、患者さんをナビゲートすることに重きをおいているということだと、答えてくれました。不安な気持ちの患者さんの心をそっと支え、正しい医療にナビゲートする経験者の存在は大きいと思いました。
3)<がん撲滅>へ向けて
MDアンダーソンの新しいロゴマークにはcancerの部分に赤い×がついています。これはがんを撲滅するという病院の姿勢の表れです。SABCSで様々な乳がん研究を知り、そこに参加している患者、医師などありようを見るにつけ、<がんは撲滅する!>との信念を持って、突き進んでいる人がいる限り、私たち患者も同じベクトルを向いてともに歩かなければならないのではないか?と痛感しました。
私は今まで、闘病とか撲滅などという言葉は嫌いでしたが、SABCSでの研究者や医療者、患者のがんに立ち向かう姿勢をみて、<撲滅できる>という信念をもって活動することの大切さを知りました。その象徴が、cancerに×をつけるロゴマーク。
がん撲滅に向けて頑張る医療者を、患者として、あるいは、患者支援団体として、医学に何ができるのかを、これからも時間をかけて考え、一つ一つ行動をしていこうと思います。いつの日か、がんは撲滅できる。
貴重な体験をありがとうございました。
サンアントニオへ行くには、ヒューストン経由が一番。ヒューストンといえば、MDACC。ということで、私にとって3回目の訪問となりました。
まずは、上野先生を始め、貴重な時間をさいてお付き合いくださった、たくさんのスタッフの皆さんにこの場を借りて御礼申し上げます。
MDACCは、訪れるたびにいつも様々な気づきを得ます。
中でも今回は、
1)アドボケートという職種
2)院内患者会活動の視察
3)<がん撲滅>へ向けて
について、簡単ですが、感想をまとめさせていただきたいと思います。
1)アドボケートという職種
院内にアドボケートという有給スタッフがいることは聞いていましたが、実際、どのような組織体制で、どんな活動をし、どんな効果があるのかを知ることができたのは、大きな成果です。
アドボケートという言葉には権利擁護、政策提言、リサーチなど様々な意味がありますが、ここでいうアドボケートは<医療コミュニケーションの仲介役>。アドボケートは、医療者と患者の間の<コミュニケーション>を潤滑にし、チーム医療をつなぎます。彼らの効果は数字では表せないがとても大きい。患者、家族の様々なニーズに対応することで、患者満足度につながっているのでしょう。
2)院内患者会活動の視察
ブレストセンターでボランティアをしているスーザンとは1年ぶりの再会。本当にうれしかった。今回も彼女たちの活動をみせてもらいましたが、驚いたのは医療者との密接な関係。医療者のスペースにもどんどん入っていき、普段通りの言葉で人として対等に説明や言葉を交わしていました。
所属団体は様々ですが、院内のあちらこちらに<I’m a cancer survivor>と書かれたバッチを誇らしくはった経験者の存在は頼もしい限りです。前述のアドボケートとどうちがうのか?と聞くと、ボランティアということと、患者さんをナビゲートすることに重きをおいているということだと、答えてくれました。不安な気持ちの患者さんの心をそっと支え、正しい医療にナビゲートする経験者の存在は大きいと思いました。
3)<がん撲滅>へ向けて
MDアンダーソンの新しいロゴマークにはcancerの部分に赤い×がついています。これはがんを撲滅するという病院の姿勢の表れです。SABCSで様々な乳がん研究を知り、そこに参加している患者、医師などありようを見るにつけ、<がんは撲滅する!>との信念を持って、突き進んでいる人がいる限り、私たち患者も同じベクトルを向いてともに歩かなければならないのではないか?と痛感しました。
私は今まで、闘病とか撲滅などという言葉は嫌いでしたが、SABCSでの研究者や医療者、患者のがんに立ち向かう姿勢をみて、<撲滅できる>という信念をもって活動することの大切さを知りました。その象徴が、cancerに×をつけるロゴマーク。
がん撲滅に向けて頑張る医療者を、患者として、あるいは、患者支援団体として、医学に何ができるのかを、これからも時間をかけて考え、一つ一つ行動をしていこうと思います。いつの日か、がんは撲滅できる。
貴重な体験をありがとうございました。
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