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連載コラムを読んで
臨床試験におもうこと
あい(東京都) 2011/01/18
「vol.32 日本のがん医療をより良くするために」を読んで。

瀬戸山先生、こんにちは。
息子と笑って免疫力upに努める乳癌患者あいです。

今回のエッセイを読ませて頂いたのと相前後して臨床試験に関するセミナーに参加しました。`希望のちから`の上映もあり、いかに臨床試験が大変なことか、患者としてどう協力していけるのか、考えるきっかけをいただきました。

私自身、HER2陽性でハーセプチン投与も受けました。
もしも私の罹患が数年早かったら「アメリカなら使える薬があるのに」という悔しい思いを経験し、今ここでこうしていることもなかったかもしれません。まさに渦中にいる患者さんにとってドラッグラグは切実な問題に違いありません。
とはいえ、先生のエッセイを読ませて頂き、公知申請なるものは大手を振って賛成できるものではないと思いました。

でも、「アメリカなら、、、」ではなく同じ時期に国内の臨床試験が行われていたとしたら、自分もそれに参加することが出来ていたら、、、その場合もっと悔しい思いをしたことでしょう。

新薬の臨床試験に参加できるかどうか、よほど気丈な一部の患者さんを除いては主治医の裁量に委ねるしかないのが現状だと思います。また`臨床試験`と聞いただけで拒否反応を示す患者さんも多いようにも感じますので(つい最近まで私もその一人)、やりたくても思うように進まない苦労をされている医療従事者の方々もいらっしゃるのでしょう。

私たち患者はこれまであまりに臨床試験に関する情報に接することなく今日に至っています。ドラッグラグの問題はあるにしても、それはそれとして、まず国内の臨床試験がスムーズに進むようそれぞれの立場でやるべきことがたくさんあるのではないでしょうか。

最後に、国内の製薬会社で行われている研究が実を結び、世界初の新薬の臨床試験を日本で始める機会が増えていくことを期待しています。

   
Re:臨床試験におもうこと
瀬戸山修(宮城県) 2011/01/18
あい 様
 小生のつたないコラムに,適切なコメントを頂きありがとうございます。
 海外で有効性が確認された薬物療法を日本人でも有効性が確認できるか,どのような因子を持つ患者さんにより効果的かとうことがわかれば,より質の高いがん薬物療法が可能になると思います。そのようなことを確認するには臨床試験が必須となります。
 「臨床試験」は,患者さんにとってハードルが高いものかもしれませんが,臨床試験なしには,質の良いがん医療の実現は困難と言えます。言い換えれば,患者さんが臨床試験に参加するということが,将来の質の良いがん医療を支えることになると考えています。
 多くの患者さんが,臨床試験の重要性を理解していただき,臨床試験に参加していただきたいと思っています。
 ドラッグラグ解消のための公知申請も必要とは思いますが,臨床試験なしに,がん医療の質は向上しないと理解していただければ幸いです。
 適切なコメントありがとうございました。
    
 

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