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治療とその選択
皮下乳腺全摘の乳頭切除について
ゆう(石川県) 2011/02/19
皮下乳腺全摘の乳頭切除について、お聞きしたいと思います。
術前は左乳房内側下部の1.1×0.8×0.7mmの浸潤癌で、乳頭から1.5cmの場所にあり、温存しました。
その後、最終の病理診断の結果が以下のように出ました。
医師からは、乳頭下に癌があり、更なる温存は難しいので、乳頭を切除する皮下乳腺全摘(乳輪は残す)を勧められました。
同時にエキスパンダーを入れます。
私としては、できれば乳頭も残したいのですが、やはり下記結果だと、主治医の勧める再手術の方法が良いのでしょうか?
ご意見を伺いたく、よろしくお願いいたします。

Invesive duvctual carcinoma of the left breast , partical resection
割面では乳頭側断端近くに境界不明瞭な腫瘍が見られる。組織学的には、invasive ductal carcinoma、scirrhous carcinomaであり、大きさは13×8mm。脂肪浸潤あり、f(+)。リンパ管浸襲を認める。静脈浸襲明らかではない。乳管内進展を認め、充実性増性、comedo壊死を伴う。一番乳頭側の割面において、浸潤癌及び乳管内病変が見られ、乳頭側断端陽性の可能性ありと考えます。他の側方断端は陰性。
リンパ節0/6。
Histrogical gradinig,HG(Ⅱ) score合計6
NG=1
MIB-1 index:約10%

   
Re:皮下乳腺全摘の乳頭切除について
Dr NO(東京都) 2011/02/24
 あくまで一般論としてお話させていただきます。
 通常、乳房温存手術を行って、切除断端に浸潤癌が陽性であった場合には追加切除を行うことが一般的です。乳頭を温存できるか否かは、乳頭裏面あるいは乳頭内に癌が伸展しているか否かで決めることが多いと思います。乳房温存手術の場合は術後、放射線治療を行います。
 一方、皮下乳腺全摘、Skin-sparing mastectomyでは、乳頭乳輪を切除するのが一般的です。なぜなら、乳頭乳輪も乳管上皮があり乳腺の一部であるからです。切除した場合、形成外科的に再建は可能です。
 しかしながら、最近、乳頭乳輪を温存した皮下乳腺全摘、Nipple-sparing mastectomyの成績が単施設のデータではありますが、いくつか報告されるようになってきました。それらによれば必ずしも乳頭乳輪部の再発は多くないようです。ただ、画像上伸展が無い、病理で乳頭裏面の組織に癌がない、などの条件が必要なようです。ただ、乳頭を温存しても、壊死、萎縮、左右のアンバランス(多くは上にあがる)などから、必ずしも美容的に満足できない場合もあると言われています。ならば、先にあげたように切除して、対側に合わせて作成した方がよい、という考え方もあります。
 利点、欠点などを、担当の先生とよくご相談なされることをお勧めいたします。
Re:皮下乳腺全摘の乳頭切除について
ゆう(石川県) 2011/02/26
回答ありがとございました。
乳輪は残す予定でしたが、乳輪は残しても大丈夫なのでしょうか?
主治医からは、私が乳頭乳輪を残したいという要望が元々強かったためか、乳輪なら乳腺も乳頭程ないので、残しても大丈夫と言われ、乳輪のみ残すことになっています。
よろしくお願いいたします。
Re:皮下乳腺全摘の乳頭切除について
Dr NO(東京都) 2011/02/28
 乳頭部、乳輪部をわけて局所再発を示したdataがないので、わかりません。個人的には乳輪部再発した患者さんをみたことはありますが、これは、あくまでエビデンスではなく、エクスピアリエンスです。
 ご担当の医師とよく話し合われ、ご納得がいけば、よろしいのではないかと思います。

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