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治療とその選択
アリミデックスについて
あき(神奈川県) 2011/02/21
2006年7月 左乳房全摘→抗がん剤EC8クール→ホルモン療法中の58歳です。リンパ節転移11/19ありました。
幸い再発はしていません。アリミデックスを4年服用してますが骨塩量は98%(去年7月)でした。最近ビスフォス・フォネート剤を一緒に内服するのが一般的というのを見ましたが
そうなのでしょうか。今すぐに主治医に出してもらったほうがいいですか?4月に受診予定ですがそれまで待ってもいいでしょうか。ゾメタは自費扱いとの事ですので他のビス剤は何がいいのでしょうか。宇宙飛行士の方が骨折予防にフォサマックを内服してるらしいので、それでもいいのでしょうか。よろしくお願いします。

   
Re:アリミデックスについて
向原徹(兵庫県) 2011/02/22
あき様

はじめまして。神戸大学腫瘍・血液内科の向原と申します。
ご存じの通り、アリミデックスはエストロゲンの量を少なくするお薬ですので、骨密度の低下スピードが速くなることが副作用の一つです。

骨塩量の結果について確認ですが、どこの部位で測定されましたか?それから、98%とは、①同性の若い人の標準値からの%か、②同性・同年齢の標準値からの%か、いかがでしょうか。実は、①が重要と考えられて、もしそれが98%であれば、十分な骨塩量があると考えられるので、もうすぐアリミデックスが5年になることを考えると、特に骨粗鬆症の予防としてビスフォスフォネートを始める必要はないのではないかと思います。しかしもし②の数字を読んでおられるのであれば、①の数字が併記されていると思いますので、ご参照ください。それに合わせて骨粗鬆症の治療、あるいは予防が必要なことがあります。①が70%未満で骨粗鬆症と診断されます。70-80%で骨減少症といわれます。

一度ご確認いただければと思います。
Re:アリミデックスについて
佐治(埼玉県) 2011/02/22
こんにちは

患者さんの情報のとりかたという点で、いくつか気になったので、すこし質問させてください。

「最近ビスフォス・フォネート剤を一緒に内服するのが一般的というのを見ましたが 」
というのはなにでご覧になったのでしょうか。

「ゾメタは自費扱い」というのは、いま通われている病院だとそうだということですか?

これらの情報は、いくつかの点が抜け落ちて、患者さんに伝わっているようですので、患者さんが自分でうけとった情報か、そして、その内容について正しく主治医先生と意見交換ができているか、心配になってお聞きしてみました。

このサイトでは、こうした方がよいですよとは言ってあげられません。でも、こうやって主治医先生と相談してみるといいですよ、とはお伝えすることができます。

Re:アリミデックスについて
あき(神奈川県) 2011/02/23
向原先生

こんばんは。 コメントありがとうございます。

骨密度測定の結果を参照した所 実施日が2010年11月で
 大腿骨R Neck ①若い人と比較した値は99%
        ②同年代と比較した値は121%
 大腿骨L Neck ①98% ②120%でした。
 
これを見る限りまだ骨粗鬆症の予防としてのビス剤の
内服は必要ないのでしょうか。
ただ再発リスクが高いので5年過ぎても無治療になるのが
怖いです。
続けてアリミデックスを服用しても差し支えないでしょうか。
よろしくお願いいたします。
Re:アリミデックスについて
あき(神奈川県) 2011/02/23
佐治先生

こんばんは。コメントありがとうございます。

がんセンターの先生のサイトのQ&A掲示板にて他の方のご質問の回答で見ました。
転載させて頂きます。

「アリミデックスによる骨粗鬆症の副作用は、重大なことであり、アリミデックス内服開始とともにビスフォスフォネート剤の内服併用が一般的になっています。まだ服用していないようでしたら、早急に始めることをお勧めします。将来転倒して骨折し、寝たきりになると、命取りになることもあります。」

その方は最近骨が弱くなりカルシウム剤を飲んでますが大丈夫でしょうか?
との事だったので上記の回答になったのでしょうか。一般的にとありましたので
心配になりご質問させていただきました。

ゾメタに関しましては骨転移をされた患者様が保険適用で再発予防的に使用する場合は
自己負担とネットですが見たことがありました。まだ主治医先生とはビス剤については
お話した事がありませんので、解釈が間違ってたら申し訳ございませんでした。

ご心配ありがとうございました。またよろしくお願いいたします。

佐治先生へ
まる (新潟県) 2011/02/23
お世話になります。
「アリミデックス内服開始とともにビスフォスフォネート剤の内服併用が一般的」とありましたが、レトロゾールに対しても同様なのでしょうか?
よろしくお願いいたします。
(現在術後フェマーラ服用中で、骨量も低下気味です)
Re:アリミデックスについて
佐治(埼玉県) 2011/02/23
いろいろありがとうございました。
患者さんが情報を集めていく様子もわかりました。

基本的には、ネットなどの情報を得たときはそのまま自分にはあてはめず、直接相談できる主治医先生とその内容についてどうかをお聞きしていただくのが一番よいとはおもいます。時間がなくて主治医も通常診療では難しいのも事実ですが、診療がおわって電話で、また、乳癌認定看護師、がんの専門薬剤師なども相談、教えていただけると思います。

ビスフォスフォネート剤を使用する理由は、あくまでも骨粗鬆症に対してです。アロマターゼ阻害剤(アリミデックス、アロマシン、フェマーラ)では、骨粗鬆症(検査でいうと骨密度の低下)がおきてくる頻度が他の薬剤よりも高めと報告されているので、今回のような話になっているのだと思います。
アロマターゼ阻害剤なのでビスフォスフォネート剤を使うのではなく、骨密度低下がおきてきたらそれの治療としてということになります。

ただし、骨密度低下がどこまでおきてきたら、薬をのみはじめるかは骨粗鬆症治療のガイドラインがあったり、主治医先生の考えがあったりします。ぜひ、主治医先生とご相談ください。ちなみにあきさんの結果を見ると、この数値では薬はいらないのでは?と思われるような数値です。運動や食事のほうが大事かと思われました。

半年1回のゾメタに関しては、現時点ではその根拠がまだ定まっていませんので、なんともいえないところです。

Re:アリミデックスについて
向原徹(兵庫県) 2011/02/23
あき様

まず、アリミデックスを5年以上という件ですが、これについては5年以上内服したほうがよい、というデータはありません。いろいろな考え方があると思いますが、私自身はお勧めしていません。
普通に考えると長ければ効果も長く続くと想像しがちですが、タモキシフェンという同じく乳がんの術後に用いる薬では、10年間内服すると5年間内服よりもむしろ治療成績が劣るというデータすらあるのです(その逆のデータもあります)。アリミデックスについては、なんとも言えませんが、直観的によいだろうなあと思うことがよく調べてみるとそうでもないことが、医学ではありうるのも事実です。

また、骨粗鬆症予防についてですが、私は骨粗鬆症の専門家ではないのですが、恐らく今の骨塩量で、偏食なく、適度に運動されているのであれば、特に内服などは必要ないのではないかと思います。もちろん、閉経後は何方でも骨塩量は低下していきますので、定期的に調べるこのはよいと思います。
Re:アリミデックスについて
あき(神奈川県) 2011/02/23
佐治先生

ご丁寧なお返事感謝いたします。

ネットに溢れている情報を鵜呑みにせず、気になる事がありましたら
主治医先生に相談する姿勢が大事ですね。
コミュニケーションは上手く取れていると思いますが、
お会いできるのが3ヶ月後とかになるので
その間に不安になったりします。

ビス剤の使用目的もわかりやすくご説明頂き納得できました。
これからも運動や食事に気をつけて行きたいと思います。

患者にとってこのような掲示板があるのは本当に心強いです。
ありがとうございました。
Re:アリミデックスについて
あき(神奈川県) 2011/02/23
向原先生

こんばんは。最近のホルモン療法は私のような再発高リスクの場合
10年だとばかり思い込んでいましたので、
アリミデックスの継続を考えていたのですが
先生の仰るとおり長ければいいと言う物でもないのですね。

確かにアリミデックスは副作用が強いようなので
リスクとベネフィットをよく考えながら
向原先生のご意見をしっかりと頭に入れて
主治医先生とも相談したいと思いました。

これからも運動、食事に気をつけながら
定期的に骨塩量の検査もしていきます。

お忙しいのに親身になってお返事を頂きまして
本当にありがとうございました。
Re:アリミデックスについて
風子(海外在住) 2011/03/21
便乗して質問させていただいてもよろしいでしょうか?
よろしくお願いいたします。
48歳時 2003年10月2日 日帰り温存手術、ステージ1(浸潤癌6X7ミリ1つ+DCIS2ミリ1つ)リンパ節移転なし ホルモン90%と70% 放射線療法+ノルバテックス4年9ヶ月の後、2011年6月でアリミデックス丸3年です。すべてにおいて副作用なし アリミデックス服用以外は年1回 の外科医のチェックアップのみです。
マンモグラフィーも普通の人たちの検診システムに戻されました。
完治と言えるのかどうかはわかりませんが、このような状態の私の場合、アリミデックスもフルで5年続けた方が良いでしょうか?
年齢が加算されてきたので、骨の密度が減っていくのが心配です。
(先日歯のインプラントの際のCTではあご骨の状態は年齢にしては良いということでしたが、全身の骨状態は特に調べておりませんが。)
22年豪州在住です。
Re:アリミデックスについて
向原徹(兵庫県) 2011/03/24
風子さま

返事が遅くなり申し訳ありません。神戸大学、腫瘍・血液内科の向原と申します。

まず、教えていただいた情報からは、極めて妥当なpracticeをされているように思いました。乳がんの場合、他の癌と違い5年を超えても再発を経験することがありますので、やはり定期てきなcheck upと、反対側乳房のsurveillance(これは新たな乳がんを早期発見するためです)は必要かと思います。

風子さまがされているように、タモキシフェン5年終了後にアロマターゼ阻害薬を引き続き使うか否かについては、複数の臨床試験がされました。大きなものは3つ臨床試験があるのですが、タモキシフェン5年のみで経過観察する群と、アロマターゼ阻害薬を追加する群とが比較されました。3つの試験のうち、2つはアロマターゼ阻害薬を5年追加、1つは3年追加というものでした。
いずれの臨床試験でも、再発を経験することなく生存されている期間(無再発生存期間)がタモキシフェン 5年のみよりアロマターゼ阻害薬を追加したほうが延長されることが示されて、それをもとに、風子さんの治療は行われているものと思います。ただ、いずれの臨床試験でも、患者さんの全生存率では差がみられていません。また、何年追加するのが一番よいのか、ということについてもはっきりとした答えはありません。より具体的に風子さまが飲まれているアリミデックスについては、タモキシフェンに引き続いてアリミデックスを3年追加することで、タモキシフェンのみよりも無再発生存期間の延長が示されましたので、3年でも効果がでていることは十分期待されます。ただ、繰り返しになりますが、3年で十分なのか、5年の方がよりよいのかは、答えがないのです。ですので、3年でよいですよ、とも言ってあげられないのが現状なのです。しかし、すべての医療にはメリットとデメリットのバランスを測るのが大切ですので、bone healthのことも含めて、主治医とdiscussionされるのが一番かと思います。骨塩密度については、腰椎または大腿骨頭で測定するのが、一般的かと思います。

答えになっているかご参考にしていただければ幸いです。
Re:アリミデックスについて
たか(兵庫県) 2014/08/28
2007年12月に浸潤性乳癌15㎜が見つかり右乳房全摘、リンパ節転移も1つあったので抗がん剤治療もし2008年7月からアリミデックスを服用しています。骨密度測定は服用開始時に一度しましたが医師から何も言われていなかったのでその後は気にすることなく過ごしていました。ところが今年になって測定すると同年代との比較で73%まで下がっていることがわかりました。すぐにベネット錠を飲み始めテいますが、このままアリミデックスを服用していていいものか悩んでいます。アリミデックスは当初5年間服用と聞いていましたが5年を迎えたときに医師からもう少し続けることを提案されて現在に至っています。アリミデックスを飲み続ける効果と骨密度低下の副作用についてどなたかアドバイスをお願いします。

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