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治療とその選択
温存か全摘か
スマイルスマイル (神奈川県) 2011/02/23
昨年右乳房C域に癌がみつかり、年末に温存手術をうけた39歳のものです。
しこりは1cm(浸潤部)ちょっとでしたが、乳管内進展があり(58mm×24mm×11mm)、術中迅速検査で断端陽性だったため、追加切除をしました。センチネルでリンパ節転移なしです。
Histological Grading, HG(Ⅱ) score合計(6)
1.Tubular Formation score2
2.Nuclear pleomorphism score2
3.Mitotic count score2

Nuclear grade(NG)=2
ER:PS(5)+IS(3)=TS(8)
PgR:PS(5)+IS(2)=TS(7)

病理の結果、乳頭側の一か所の断端が陽性だったため、今月さらに追加切除をしましたところ、前回の乳管内成分とほぼ同様の成分を前回切除断端部分に認めるという結果でした。
病変のおおきさは3mmくらいとのことでした。
脈管侵襲を認めない。切除断端陰性。とのことでした。
乳管内進展は乳頭直下までは来ていないとのことでしたが、ギリギリのところまではきているようです。前回切ったものの乳管内進展を含めると、6センチ強もあるのです。
また今回の追加切除で、断端陰性は確認できたものの、乳管内進展の度合い、温存手術の再発リスクが高いこと、万が一再発した場合、放射線をあてた胸へのシリコンで再建ができないことを考えて、温存でいくか、全摘同時再建がいいか悩んでいます。
今のところの予定では、放射線治療を5週間行い、ブースト照射はしない予定です。
ちなみにオンコDXのスコアーは11でした。低リスクのため、ホルモン療法を始めています。
私は今月39歳になったばかりですが、ネットとかでみると10年での再発リスクは7~10%、20年で20%くらいと考えると30年でそれ以上と考えると、温存は、非常にリスクが高いように感じます。
みなさん、そんなリスクを承知で温存手術をうけられるものなのでしょうか?
断端陰性で、温存した場合の再発リスクも上記の確立でおこるものでしょうか?
断端陰性で温存プラス放射線治療で、全摘と同等の結果が得られるともネットで見たことがあるのですが、いかがでしょう?
お忙しいところ申し訳ありませんが、宜しくお願いいたします。

今回の検体の結果です。

Histological Grading, HG(Ⅱ) score合計(4)
1.Tubular Formation score1
2.Nuclear pleomorphism score2
3.Mitotic count score1

   
Re:温存か全摘か
Dr NO(東京都) 2011/02/24
 あくまで一般論としてお話させていただきます。
 通常、乳腺切除断端陰性を確保して乳房温存手術ができた場合は、術後に放射線治療、適切な薬物療法を行って、乳房温存療法として、経過観察を行います。全摘術と比較して生存率に差はないとされています。しかしながら、ご指摘のように残存乳房内の局所再発、新規発生の可能性はあります。
 残存乳房内の局所再発、新規発生のリスクが高い因子として最近注目されているのが、遺伝性乳癌の話題です。家族内(父方も含めて)に乳癌、卵巣癌の方がいる、若年発症である、両側性である、などが遺伝性乳癌卵巣癌症候群を疑う条件です。BRCAという遺伝子の検査が行われることもあります。BRCAに遺伝子変異があった場合、残存乳房内の局所再発(新規発生)は高率であるという報告があります。そういった場合には、乳房全摘±乳房再建をお勧めすることもあります。
 ご担当の先生とよくご相談されて次の治療に進まれることをお勧めします。
Re:温存か全摘か
スマイルスマイル (神奈川県) 2011/02/25
ご回答ありがとうございます。
オンコタイプDXを行いましたが、その中に先生のおっしゃる遺伝子のBRCAは入っているのでしょうか?
また、私のようにしこりからさらに数センチ乳管内進展をしており、乳頭直下ギリギリまで癌があったケースは、温存してもいいものなのでしょうか?
乳頭、乳輪下、付近までの乳管内進展は、全摘すべきとする先生もいらっしゃるようですが、私の先生はそこはあまり気にしていないようです。もし、断端陰性だったとしても、切除していない乳頭にはいりこんでる可能性もあるのでしょうか?
Re:温存か全摘か
Dr NO(東京都) 2011/02/28
- オンコタイプDXには、BRCAは含まれておりません。オンコタイプDXは乳癌組織を用いて検査を行い、その癌を持った方の予後を予測します。BRCAは血液検査で乳癌に罹患する可能性が高い遺伝形質を持っているかどうか、を調べます。

- 最近は、腫瘍の部位によらず切除断端に癌がないように切除できれば、乳房温存療法をしてもかまわない、と考える医師が多いように思います。

- 非連続性の乳管内病変が存在する可能性はあるかと思います。また、病理で断端陰性を言いきるのが難しいことも事実だと思います。ただ、放射線治療も含めた乳房温存療法を行うことで、局所再発がそれほど多くはならない、というところで実行されているのが現状の治療法ということです。
Re:温存か全摘か
スマイルスマイル (神奈川県) 2011/02/28
ご回答ありがとうございます。
癌が残っているかどうかは、切除してみないとわからないですものね。
2010年乳癌学会によると、再発のリスク因子の一つに、年齢というものもあるようですね。
40歳未満は、温存+放射線で10年再発率が29%とかいてありました。私はギリギリ39歳ですが、この再発率をみると、温存するのが怖いように感じます。
温存手術は、40歳未満では、推奨されないものなのでしょうか?万が一再発した場合、放射線照射後の再建も難しいといわれているようですし、全摘を考えたほうがよいのでしょうか?

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