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治療とその選択
乳癌骨転移部位のへの放射線照射について悩んでいます。
ぽろろ (京都府) 2011/03/01
乳癌の骨転移による、仙骨から左腸骨にかけての骨転移を抱えて3年になります。左脚の疼痛が出現~増す度に、経口薬(ゼローダ)を増やしたり、タキソールの増量で痛みを消してきました。今、左脚に痛みは全くありません。

しかし最近になって右脚に激しい痛みが出現し、画像診断で右腸骨よりに、わずかですが転移層が大きくなっていることが判明。担当医は痛みが出るたびにいつも放射線照射をすすめるのですが、またしてもタキソールの増量により多少の痛みは残るものの、激しい痛みは即座に消失しました。これで痛みが治まるならば、タキソールによる副作用も少ないので放射線照射をしなくても良いかなと思っています。

でも右腸骨に向って増大しつつあるのも事実なので、その成長を少しでも阻害できるのなら放射線治療を受けようと思います。

先が長い闘いだと思っているので、武器(放射線や抗がん剤)はなるべく安易に替えたり、追加したりしたくないです。効き目が弱くなっているとはいえ、まだ数ヶ月は今まで通り、タキソールやゼローダの増量だけで疼痛をコントロール出来そうだと思うのですが…。

★放射線療法には痛みの軽減以外に、転移層の増大を少しでも抑制出来る力はあるのでしょうか?
大して期待出来ないのなら、今はまだ受けたくありません。

★「一部位に一度しか照射できないなら、放射線は鎮痛薬が効きにくくなってからの最終手段」と考えるのは間違っていますか?

   
Re:乳癌骨転移部位のへの放射線照射について悩んでいます。
向原徹(兵庫県) 2011/03/04
ぽろろ様

神戸大学、腫瘍・血液内科の向原と申します。
まず、ご質問に答えさせていただきたいと思います。

★放射線療法には痛みの軽減以外に、転移層の増大を少しでも抑制出来る力はあるのでしょうか?

→放射線治療にはもちろん転移巣の増大を抑制する力があります。がんに対する縮小効果と、神経に対する効果も加わって除痛効果があると考えられます。

★「一部位に一度しか照射できないなら、放射線は鎮痛薬が効きにくくなってからの最終手段」と考えるのは間違っていますか?

→基本的な考え方としては、正しいと思います。
ひとつ付け加えるとすれば、鎮痛剤、化学療法の効果以外に、”もし骨折した時にどれだけ患者さまの生活の質(QOL)に影響するか?”ということも考え合わせて放射線療法のタイミングは考えます。具体的には、例えば肋骨などではたとえ骨折をしても通常命に関わったり、あるいは患者さまの活動度に影響がでる可能性は低いと思います。反対に例えば、頸椎であったり、大腿骨(太ももの骨)などでは、骨折した場合の影響が深刻ですので、早めに放射線を考えます。

そのほか、少し気になるのは、ゼローダやタキソールを増量して疼痛をコントロールする、ということはあまりしないことです。化学療法薬には、決められた投与法、投与量があって、副作用が許すかぎり定められた投与量で使うのが基本です。
恐らく何らかの理由があって、量を変えたりされているのだと想像しますが、そのあたりは主治医の先生と確認しながらされることをお勧めします。

あとされているとは思いますが、ゾメタの点滴はされていますでしょうか。ゾメタは、骨転移からくる骨折などの悪い事象を減らしますが、除痛効果についても言われています。

ぽろろ様がおっしゃるように、お薬や放射線のタイミングというのはとても重要で、「安易に替えたり、追加したり」するのはよくないことです。使っている治療の効果を見定め、治療変更・追加のしかるべきタイミングを推し量るのは、主に我々医療者の仕事ではありますが、必ずしも一定の答えがあるわけではありません。痛みなどの場合は特に患者さまと相談の上決めていく部分は大いにあります。

どうか、よいお話をされて、治療を続けていただければと思います。

神戸大学腫瘍・血液内科
向原 徹
Re:乳癌骨転移部位のへの放射線照射について悩んでいます。
ぽろろ (京都府) 2011/03/05
向原先生、コメントありがとうございます。

>ゾメタの点滴はされていますでしょうか。
はい、転移発覚直後から始めました。


タキソールの増量から10日、疼痛はオキシコンチンを使わなくても、ロキソニンで抑えられる程度になりました。喉元過ぎれば熱さを忘れる感じで、やはりまだ放射線治療に踏み切る気持ちが持てません。放射線の「抑制」がいつまで効いてくれるのか、痛みが再発する割合はどれくらいなのか?とても不安です。

とりあえずは放射線治療科へ話しを伺いに行こうと思い予約しました。結果はまたご報告させて戴きます。

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