掲示板「チームオンコロジー」

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治療とその選択
術後検診の必要性
かおり (京都府) 2011/03/04
はじめまして、ⅡBの術後1年検診を控えている者です

ガイドラインでは再発症状が出てから治療してもOSに変わりないので、健側のマンモなどだけの検診を推奨されている病院が
あると聞きますが、私の病院はがん専門でPETも併設されており毎年調べられます

ほんの小さな転移を見つけられ宣告されて何年も受け入れて
生き続ける自信がありません
主治医は権威のある人でとても言い出しにくいです

どうすればいいでしょうか

   
Re:術後検診の必要性
向原徹(兵庫県) 2011/03/04
かおり様

はじめまして、神戸大学病院、腫瘍・血液内科の向原です。
大変悩ましいですね。

乳がんの術後検診については、ガイドラインにはそう書かれていますが、実際の医療現場にはいろいろな考え方があって、対応もまちまちなようです。私のいる診療科では、ガイドラインに沿うようにしていますが、ガイドラインはガイドラインであり法律ではありませんので、沿わない=悪というわけではありません。

というわけで、じっと投稿された文章をみて考えましたが、すごくいい解決策をお伝えすることはできません。

やはり冷たいようですが、ご自身のお気持ちを素直に伝えられる勇気を持たれること以外にはないのかなと思います。何か考えがあられて、PETを勧められていると思うのですが、案外検査をされる理由も、”患者さんが希望されるから”という場合もあります。
あるいは、がん専門のご施設でしたら、がん相談室などもあるかもしれませんので、そこで何か突破口が開けるかもしれません。

ごめんなさい、沢山お力にはなれませんが、陰ながら応援しています。

神戸大学
向原
Re:術後検診の必要性
かおり (京都府) 2011/03/05
向原先生

優しいお返事とても感謝しております、ありがとうございます
実際早く見つけてもOSに変わりないというのは
海外だけでなく日本でもそうなのでしょうか?

早期発見で何かメリットがあるなら納得できるのですが。
Re:術後検診の必要性
向原徹(兵庫県) 2011/03/05
かおり様

日本において、そのような検討が行われたことは、私の知る限りないと思います。

乳癌の術後だけでなく、一般のいわゆる検診にもいえることですが、検診をしていたことで、得をする人と、得をしない、あるいは損さえする人、がいることが議論を難しくします。

たとえば術後でいうと、画像検診をしていたことで転移が早く見つかって、仮にしていなければ急に体調を崩されて治療をできなかった、というような人は検診をしたことで得をする人だと思います。
反対に、画像検診をしていたことで、極端な話、一生顕在化しなかったゆっくりした再発をみつけてしまい、薬の副作用を受けなければならない、人は損をしたことになります。
もちろん、画像検診をしてもしなくても、いずれは同じ治療を受けることになって、治療成績も変わらない、という人もいます。

医療では、過去の臨床試験などで、色んなパターンをたどった人(得をした人、損をした人、どちらでもない人)の統合したデータをもって、目の前の患者さんにどうするかお勧めするしかありません。

しかし、患者さんに得をさせたい、と思うのが医療者というものなので、特に検診については、医療者の間でも温度差がでてしまうところなのです。

というわけで、かおり様の主治医の先生も何とかよくしたいという考えで接してられるのは間違いないですよ。

神戸大学
向原
Re:術後検診の必要性
かおり (京都府) 2011/03/05
向原先生、すぐにお返事くださりありがとうございました

大変よくわかりました。
自分に当てはめて考えると、小さな再発の宣告と放置して痛みが出てからの治療に時間差があるなら知りたくないと思います

主治医に話してみて決めたいと思います
本当にありがとうございました

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