掲示板「チームオンコロジー」

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治療とその選択
Rexin-Gを使いと思っています
栗栖啓光(千葉県) 2007/03/12
私の母は、膵臓癌と診断されました。
膵体部に50mmほどの腫瘍があり、脈管への浸潤があるようで手術はできません。
現在、抗がん剤(ジェムザール単剤)での治療を開始しましたが、炎症反応(CRPが最大で17.9まで上昇)が強かったこと、副作用が強いことから標準投与量を使うことができないでいます。
そんな折、Rexin-Gの存在を知りました。
日本ではまだ認可されていません。
どうにかして、母親に投与することはできないでしょうか?
藁にもすがる思いです。どうぞ、教えください。

   
Re:Gemzarについて
上野直人(海外在住) 2007/03/13
副作用はどんなものだったのですか?
CRPとGemzarの使用とどういう関係があるのですか?
主治医の先生とGemzarの治療計画はどのように説明されているのでしょうか?

Rexin-G以前にGemzarに対する主治医と患者の理解を教えてくれませんか?
Re:Rexin-Gを使いと思っています
栗栖啓光(千葉県) 2007/03/14
上野様

ジェムザールとCRP上昇についてですが、ジェムザールを投与すると、その直後からCRPが上昇します。
4~5日すると、少しずつ下がってきます。
主治医の先生からは、ジェムザール投与により、癌細胞の崩壊が発生している可能性もあるといわれました。
一度、エコーで腫瘍の確認をしていただいた結果では、目に見えた変化はないとのことでしたが、投与量を減らして様子をみています。800→400→600と投与量を試行錯誤しています。
また副作用ですが、吐き気が強いです。
もちろんMSコンチンを使っていることもあり、その影響もあるのかもしれませんが、ジェムザール投与後、4日ほどは嘔吐が続きます。
ジェムザールについては、奏効は10%程度と理解しています。
ただし、痛みの軽減には効果が高いとも理解しています。
しかしながら、調べれば調べるほどジェムザール単剤投与が本当によいのかも疑問だったりします。
主治医の先生は、エビデンスのないことはできないといわれました。
日本では、ジェムザール単剤投与、その次はTS-1というのが治療方法だと説明されました。
Rexin-Gにつきましては、海外では認可され効果が出てきていること、アメリカでも膵臓がんでは積極的に使われてきていることを知りました。
Re:コミュニケーションのコーチング
上野直人(海外在住) 2007/03/15
さて、色々と情報を教えてくださってありがとうございます。
大変ですね。
さて、このサイトはセカンド・オピニオンサイトではないですが、それぞれの情報に対してどのように対応すればいいか(つまりコミュニケーション)について具体的に案を出せればいいと思います。

1.ジェムザールとCRP上昇についてですが、ジェムザールを投与すると、その直後からCRPが上昇します。 4~5日すると、少しずつ下がってきます。
主治医の先生からは、ジェムザール投与により、癌細胞の崩壊が発生している可能性もあるといわれました。 一度、エコーで腫瘍の確認をしていただいた結果では、目に見えた変化はないとのことでしたが、投与量を減らして様子をみています。800→400→600と投与量を試行錯誤しています。

この件に関してはCRP と薬の投与量を変化させるのはあまり効いたことがありませんので、もう一度主治医にその因果性を具体的に聞く必要があります。用量をどのように下げるかはCRPに基づいて欧米では少なくともあまり聞きません。

2.また副作用ですが、吐き気が強いです。
もちろんMSコンチンを使っていることもあり、その影響もあるのかもしれませんが、ジェムザール投与後、4日ほどは嘔吐が続きます。

嘔吐に対して、主治医はどのように対応されているのですか。吐き気がないように抗吐き気剤を使用することは普通は対応可能だと思います。主治医は欧との件をどのように理解しているのでしょうか?


3.ジェムザールについては、奏効は10%程度と理解しています。
ただし、痛みの軽減には効果が高いとも理解しています。
しかしながら、調べれば調べるほどジェムザール単剤投与が本当によいのかも疑問だったりします。

残念ながら膵臓癌に奏功率の高い薬は現時点ではありません。それだけにいかに生活の質を維持するかが大切だと思います。つまり、単に奏功率で薬の質を判断することは出来ないことを理解していただけたらと思います。ジェムザールは膵癌では非常にエビデンスの高い薬だと思いますよ。


4.主治医の先生は、エビデンスのないことはできないといわれました。
日本では、ジェムザール単剤投与、その次はTS-1というのが治療方法だと説明されました。Rexin-Gにつきましては、海外では認可され効果が出てきていること、アメリカでも膵臓がんでは積極的に使われてきていることを知りました。

エビデンスの枠外で治療するときは臨床試験を求めるべきだと思います。大切なのは、確立した治療以外にどのような臨床試験が国内であるのかを調べるべきだと思います。Rexin-Gに関しても、臨床試験以外の枠では欧米では受けることの出来ない治療です。


頑張ってくださいね。
ありがとうございました
栗栖啓光(千葉県) 2007/03/20
上野先生

ご丁寧なご説明をありがとうございました。
先生にいただいた内容を、そのまま母にも父にも伝えました。
第一に生活の質。そのとおりです。
わかっているのですが、いろいろな治療を探すことに注力しすぎてしまったかもしれません。
いかに母親が残された時間を楽しく充実した時間にできるか、それが根底にないと、すべてがだめになります。
ありがとうございました。
家族で話し合いながら、一日一日を大切に頑張ります。
ありがとうございました。
Re:生活の質と治療をもとめる
上野直人(海外在住) 2007/03/22
すべてはバランスですね。情報を沢山得ることはとても良いことです。でも、大きな目標をうしなったらまずいです。何をゴールとするか、また手の届くゴールを患者と家族が納得することが大切です。ゴールは必ずしも治療ゴールだけでなく、生活の質、人生のゴールも入ると思います。

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