掲示板「チームオンコロジー」

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治療とその選択
乳癌術後の検診について
さくら (愛知県) 2012/03/14
現在タモキシフェンにてホルモン療法を受けております。
乳癌手術後、3ヶ月毎に血液、半年ごとにマンモグラフィー、CT、肺のレントゲン検査を行っております。
先日「低線量の被爆でも乳癌発症リスクを増加させることはほぼ確実」と(乳癌のガイドライン)記事を読みました。
私が検診で行っていたのは再発を誘発する行為だったの?!とびっくりしています。
いったいどう考えれば・・・術後の検診は必要ないのですか?
お教えください。よろしくお願いします。

   
Re:乳癌術後の検診について
村上 茂(広島県) 2012/03/19
さくらさん、コメントが遅くなり申し訳ありません。首が長~くなっておられるでしょうね(笑)

広島で乳腺外科医をしています村上と申します。
さておたずねの件ですが、手術の後にどの様な検査を受けると良いのかということになりますよね。

検査といっても、メリットとデメリットがあります。
特に放射線を受ける検査の場合には、

メリット
1:リンパ節、肺や肝臓の再発が症状が出る前に早く見つけることが出来る

デメリット
1:被曝をすることでの他の癌を発症するリスクの増加する(これは率は低いのですが確実に増加するといわれています)
2:検査費用がかかる
になります。

ただしメリットにあげた早期発見がはたして、生存期間の延長につながるのかというと、残念ながら違います。いくつかの研究から再発を早期に発見しても長期の生存にはつながらないことが示されました。つまり再発をした乳がんは、早期発見をすることよりも、再発後にその患者さんに最適な薬物療法(ホルモン療法か化学療法)をすることが大切ということです。

そういった理由があってガイドラインでは手術のあとのCT、肺のレントゲン検査は勧められていません。ただしマンモグラフィは、反対側の乳がんが早期発見できれば早期治療につながりますし、放射線の被曝量がわずかなため、毎年検査することが強く勧められています。つまりマンモグラフィではメリットがデメリットより大きいと判断されていることになります。

ただし以上の内容はあくまでも一般論です。実際にどの様な検査をしていくかは、それぞれの患者さんと主治医との話し合いで決めることになります。

質問のお答えになっていますでしょうか?
Re:乳癌術後の検診について
さくら (愛知県) 2012/03/26
早々にお返事いただきありがとうございました。
先生の回答を読ませていただき次回からCT、肺のレントゲンは無しにしてマンモグラフィーでの検診を希望したいのですが、上手く話せるのか不安です。
どのように患者側が伝えれば気持ちよく応じてもらえるのか、お教えいただければ助かります。
よろしくお願いします。

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