掲示板「チームオンコロジー」

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治療とその選択
小児脳幹グリオーマについて
おだんご(栃木県) 2012/04/28
はじめまして。

昨夏、4歳の娘が脳幹グリオーマと診断され闘病中です。

放射線治療と化学療法がスタンダードな治療法とされているようですが、未だコレと言った治療法ではなく予後不良で、娘も再燃してしまいました。

脳幹グリオーマにも種類があるようで、娘のがどの種類に当てはまるのかという点もあるかと思いますが、

日本に限らず、治験や臨床試験を実施しているところはないでしょうか?

もしそれが海外という場合は、現実問題、経済的、物理的に限りなく無理なんでしょうが、何か突破口のようなものが見つかれば…と思っています。

ざっくりとした質問ですが、ご存じの方、どうぞよろしくお願い致します。

   
Re:小児脳幹グリオーマについて
三浦裕司 (東京都) 2012/04/29
虎の門病院で腫瘍内科をしております三浦と申します。
私も同じ年頃の子供を持つ親として、心中お察しいたします。
娘さんのご病状について正確に理解している訳ではなく、はっきりした事は言えませんし、私は小児がん、脳腫瘍を専門にしておらず、ご希望に添えるような回答が出来ないかもしれませんが、治験や臨床試験に関して少し情報提供させていただければと思います。

まず、文脈から拝察するに、初回治療として、現在の医療で最善と考えられる標準治療をお受けになられて、その後、再燃してしまったということ科と思います。まずは、現在の病状に対する標準治療が何かを主治医の先生とお話になる事が第一と思います。その上で、標準治療がない、もしくは一般診療として日本では受けれない場合、臨床試験・治験という選択肢を患者さんに情報提供する事は、我々腫瘍を専門とする医師に必要な事だと思っています。

日本でも海外でも臨床試験は登録性となっており、それは医療者でなくても以下のサイトで調べる事が可能です。
UMIN:
http://upload.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr.cgi?function=search&action=input

ClinicalTrial.gov
http://clinicaltrials.gov/ct2/home

ただ、治験や臨床試験には様々な段階のものがありますし、またその質も様々です。残念ながら、同じ専門科としてあまりおすすめできないような質の臨床試験がある事も事実です。そしてこれを見分ける事は患者さんやご家族にはとても困難だと思います。そのため、とても大事な事は、それぞれの臨床試験に関して、最も身近にいる専門家である主治医のご意見を聞く事だと思います。

また、国立がん研究センターのweb site(以下)で治験や臨床試験について分かりやすく説明してあります(現在実施中の治験に関しても情報開示されております)ので、御参考にしていただければと思います。
http://www.ncc.go.jp/jp/ncch/division/clinical_trial/index.html
http://www.ncc.go.jp/jp/ncce/division/clinical_trial/index.html#03

娘さんとご家族にとって最善の医療が見つかる事を祈っております。
Re:小児脳幹グリオーマについて
おだんご(栃木県) 2012/05/01
三浦先生、専門ではないと言われつつ、こんなに丁寧に教えて下さりありがとうございます。

心から感謝致します。

この病気は放射線と化学療法で一度は抑えることができても、必ず再発し、しかも再発後は悪性度を増し、今の医療でも手立てがないので、とにかく体が動く間にQOLの充実をはかり、本人・家族共に悔いのない最後を迎えられるようにするしかないと、娘の主治医やセカンド、サード…、をお願いした先生方にも口を揃えて言われました。

同じ病気で闘病中のお子さんを持つ親御さんのサイトを拝見しても同様で、主治医に相談して参加させてもらえそうな治験や臨床を紹介してもらうことはほとんどなく(脳幹グリオーマだけを専門にされているわけでないためか、この疾患で実施されている治験や臨床試験をご存じない先生がほとんどのようです)、

三浦先生が言われている「現在の病状に対する標準治療がない、もしくは一般診療として日本では受けれない場合、臨床試験・治験という選択肢を患者さんに情報提供する事は、腫瘍を専門とする医師に必要な事」というのは全然あてはまらず、

私もですが、専門知識がゼロに近い親御さん達が個人的に調べまくって情報を調達しないといけない状態です。

そんな中私も、娘も参加させて頂けたら…という治験や臨床試験の情報をいくつか見つけ、問い合わせしてはいるんですが、三浦先生が教えて下さったサイトでもそうですが、対象が成人というものがほとんどで、

たまたま小児対象というものを見つけた!と思ったら、それはそれで、再発してしまっている状態での参加は難しい、参加するための時間と体力は残された時間を大切に過ごすために費やす方がいいというお返事で、このまま為す術なく、ただただ動けなくなって最後を迎える娘を見ることだけしかできないのか…とやるせなさでいっぱいです。

今までも東洋医学や民間療法など色々試してはいるんですが、もっと元気でもっと動きまわれた時に、もっと情報を得て、実行していたら…、と、今からではどうしようもないですが、ほんとに残念で悔しいです。

それでもやはり、娘が生きている今動くしかなく、諦めないで進もうと思います。

こんなことに費やす時間を娘と向き合って過ごすべきだと言う人もたくさんいると思いますが、娘との時間を大切にしつつ、暇を見つけては模索していこうと思います。

支離滅裂、乱文で申し訳ありません…。

三浦先生、ありがとうございました!

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