掲示板「チームオンコロジー」

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治療とその選択
癌のバイオマーカーについて
aizi(埼玉県) 2007/05/23
私は、乳癌罹患者です。おかげさまで、患部右乳房温存療法は奏効して、ただいまは、おおむね良好な予後ですが、時折、とてつもなく疲労困憊してしまう時があります。
自分の気力ではいかんともしがたい墜落するような、どっとくる全身の疲労です。
タモキシフェン副作用の一環かと思っておりましたが、こうした乳癌後の疲労は、血液中のインターロイキン6受容体が関与していると耳にしました。
この受容体が陽性だと、乳癌後、疲れをもたらすというバイオマーカーの一種だそうです。
この受容体を日本国内で検査することはできるのでしょうか?
せっかく、乳癌手術が成功したにもかかわらず、いつまでも、疲れやすくて、家族などにも、乳癌に事寄せて今度はぶらぶら病だろうと、嫌疑の目を向けられて困惑しますし、私としても、根性が足らないのではないかと、落ち込むこともあり、どうしても情緒的にふれてしまいます。
しかし、これもインターロイキン6のなせるわざだとの、エビデンス得られれば、ある種、ストレスマネージメントにも有用に思いました。
だらだら病なのか、インターロイキン6のしわざなのか、私としては、白黒はっきりしたい思いにかられています。

   
Re:癌のバイオマーカーについて
柏葉 匡寛(岩手県) 2007/05/24
癌免疫の研究をしていたことがあり、興味を持って調べてみました。40-100例前後の研究でエビデンスというレベルではないのですが、UCLAのグループが乳癌術後の倦怠感とストレスに対する反応を、IL_6とステロイドホルモンとの関連で研究しています。乳癌術後の患者さんで本来ストレスで上昇するはずのステロイドの一部が反応が低下する傾向があるそうです。ホルモン療法自体に倦怠感がある方もおりますので、有害な作用が相乗すると長期にわたって倦怠感を感じる理由付けにはなるかも知れません。だからといって特別な事では対処できませんので、適切なエクササイズと治療への前向きな姿勢で、受容した方がいいかも?位に思います。
上手い答えになっていませんが、患者さんのQOL(生活の質)が、科学的にも説明が出来る様になってきたということでしょうか?日頃の皆さんとの外来でのお話しの中にも、精神神経免疫学(因みにUCLAの研究部署はこう呼ばれています)?的営みが隠されていると勉強させられました。
Re:癌のバイオマーカーについて
上野直人(海外在住) 2007/05/25
柏葉先生の意見に参加です。私ならはかりません。エビデンスが確定しないマーカーは、まずはかり間違いがあり得る、擬陽性あるいは擬陰性の確率がわかりません。さらに、仮にその結果に対しての確定した対処も明確でないので、さらなる気持ちの迷走を助長する可能性が非常に高いです。これだけいろんなバイオマーカーが開発されているにもかかわらず、乳ガンで確立されたバイオマーカーは基本的にエストロゲンレセプター、プロゲストロンレセプター、HER2しかないのは、バイオマーカーの開発の難しさを語っています。

さて、話を変えてもう少しどのような疲れなのかを教えていただけませんか?
Re:癌のバイオマーカーについて
aizi(埼玉県) 2007/05/26
柏葉先生、上野先生、迅速な返信ありがとうございます。

実は、このインターロイキン6受容体というのを知ったのは、テレビ放送大学の医療・看護講座番組ででした。
大腸癌のプロモラシンαや卵巣癌の血清中カリレナミン?(テレビ画面を急いでメモしたので、正確な名称がわかりません)ファミリーなどど共に紹介されていました。

そうですか。インターロイキン6受容体については不確実なマーカーなのですね。

さて、私の乳癌術後の疲労ですが、柏葉先生のご指摘のように、内分泌療法副作用も共犯かもしれません。
私は、タモキシフェンによる子宮内膜亢進症状や卵巣腫大などに難渋し、タモキシフェン服用中断と再トライを繰り返し、ラロキシフェンに切り替えた経緯があるからです。
疲労のパターンは、
①貧血(昨年11月人間ドック時にも貧血との所見)で、長時間立っているのがつらく、ふらふらします。
一日家で静かにしている日でも、不意に、疲労が襲い、10~30分、横になって元気の再来を待つことがあります。
②今は治まりましたが、4月上旬まで、夕方になると、発熱し頭痛がしました。時折、38度の日もありますが、おおむね37.5程度の微熱ではありますが、虚脱感に襲われます。
③朝、全身の気力が沸かず、起床できない日があります。特に、前日、病院などで外出した翌朝は、活動開始しようという気力が失われます。外出した翌日は、そんな次第で、休養日というか、調整日として、終日臥して終わり、何の成果もない日になってしまいます。
④乳癌内分泌療法を始めるまでは、私の月々の生理は、いたって軽微なものでした。それが、この療法を開始した当月から、月経過多や不正出血に見舞われ、体をくの字にするような下腹部の痛みで、生理日は床に臥すようになりました。16歳の夏以来の事態です。
これは、後に、タモキシフェンによるものと判明しましたが、生理以外の日でも、上記のような、疲労に見舞われることがあります。

こうした症状に負けないタフな身体になりたくて、3月から、太極拳を始めました。
もともと、スポーツは苦手なので、ゆったりとした動作の太極拳なら、私にもできるかしらと始めたのです。
患部側右乳房と腋下は、放射線後、汗腺がふさがって汗が出なかったのが、このごろ、太極拳でじわっと汗ばむようになり、少しずつ体が蘇生してきているのかと嬉しく感じました。
さしあたり、私なりの攻めのスタイルとして、太極拳のように、ゆったりじっくり亀の歩みかなと思っているところです。

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