はりん様

返事がとても、とても遅くなり申し訳ありません。
神戸大学、腫瘍・血液内科の向原と申します。

我々が、再発率の推定によく使うツールに、adjuvant onlineというものがあります。それには、年齢、合併症の有無、ホルモン受容体の陽性・陰性、病理学的グレード、浸潤癌の径、癌に侵されていたリンパ節の個数、を入力することで、ある程度の再発の目安、治療（ホルモン治療、化学療法）を受けた場合の再発の抑制度合い、が表示されます。

実は、ご質問の内容をみせていただいたときに、adjuvant onlineに機械的に入力して、数字を書こうかとも思いました。ただ、我々が患者さんに治療の提案をするときには、病理のレポートのみでするわけでなく、実際手術を担当した医師の意見、病理医の意見（断端の解釈など）、などを総合してお話します。そういう観点からは、いただいた情報をもとに機械的にはじき出した数字をお答えするのが、医師として気が引けたという側面があります。患者さんを診ずして、答えるべき内容ではないようにどうしても思えてしまうのです。

adjuvant onlineは、医師に制限されたツールでもありませんご自身でも簡単な登録さえすれば、参照可能だと思います。しかし、一番重要なことは、主治医と十分に再発率などについてdiscussionすることだと思います。

決して意地悪をしていると思わないでください。何度も言いますが、機械的に入力して数字をお伝えするのは簡単なのですが、主治医と重要な内容について踏み込んだdiscussionができることが、はりん様が、今後長い間、cancer survivorとして過ごしていかれるのに重要だと思えるのです。

とても、悩んだ後の回答であることをご理解ください。