掲示板「チームオンコロジー」

Bulletin board

治療とその選択
非浸潤性乳がんの補助療法無しによる再発率
Ike(海外在住) 2012/09/21
アメリカカリフォルニア在住です。41歳既婚です。3年前に不妊治療の末こどもを1人出産しています。
7月の年一回の定期マンモグラフィーで石灰化が見つかり、その後のマンモトーム生検により、左非浸潤性乳がんと診断されました。
約6週間後の8月後半に皮下乳腺全摘+センチネルリンパ節生検+臀部自家組織による同時再建(SGAP)の手術を受けました。術後の病理検査のレポートは以下の通りです。

- DCIS, cribriform,comedo(not identified@biopsy) and solid types, with central necrosis, high nuclear grade (<-intermediate@biopsy)
- Size of DCIS: 3.8cm (<-3cm@biopsy)
- Surgical margins: DCIS is 0.3cm from the anterior margin,
0.4cm from posterior margin
All other margins appear negative for carcinoma
- Lymph/vascular invasion: not definitively identified
- Microcalcifications: seen with DCIS
- Benign breast tissue: present with biopsy site change and lactational change
- Negavtive for invasive carcinoma
- ER>95% 3+, PR<1% 1+

オンコロジストはタモキシフェンの5年服用という選択肢のみを提案してくれましたが、基本的には健側の乳がん発生をふせぐためのもので、服用するか否かは自己判断に任せると言っていました。タモキシフェン服用しない場合、基本的にはDCISの乳腺全摘手術後の乳がん再発を発見するテストは無いため、次のフォローアップは1年後のMRIになるだろうと言われました。そこで質問です。

1) 私の術後診断では、補助療法なしで再発率はどのくらいでしょうか。
2) margin 0.3, 0.4cmでは非浸潤性がんの取り残しはどのくらいの率で起こるのでしょうか。
3) comedo typeとhigh nuclear gradeというのが気になります。biopsyでは報告されていなかったため、手術を待つ6週間の間に急速な変化、発展を遂げてしまったのでしょうか。
4) comedo+high nuclear gradeの浸潤化+再発率はどのくらいでしょうか。
5) このタイプでは術側の取り残しによるがん細胞へのタモキシフェンによる治療は効果はどのくらいあるのでしょうか。
6) ER>95%では一般的にタモキシフェンは服用すべきでしょうか。
7) 1年後のMRIを受けるのを待つ間に、何かやってもらえるフォローアップありませんか。これで治療が一旦終了と言われてしまっているのが大変不安です。
8) 3年前の出産前2回出産後2回流産もしています。5回の妊娠流産期間(5年間ほど)は不妊治療用ホルモン剤を常用していました。特に過去1年は流産を短期間で繰り返し、その間にクロミッドも使用していました。このことが今回の乳がん発生を促してしまったのでしょうか。ちなみに1年前のマンモグラフィーでは石灰化の兆候は全く見られなかったと言われています。

たくさんの質問をしてしまい申し訳ありません。何か参考になる意見が頂ければ幸いです。

   
Re:非浸潤性乳がんの補助療法無しによる再発率
村上 茂(広島県) 2012/09/25
Ike様
海外での治療でいろいろと不安な点もあろうかと思います。広島で乳腺外科をしています村上と申します。あまりご期待には添えないかもしれませんが、何点かご質問にお答えします。

たくさん質問がありますので分けてコメントします。

1,2,4,5,6については担当医にまずお聞きになるのがよろしいのではないでしょうか。もしお聞きになっているのでしたら、担当医のコメントを教えてください。実際に執刀をした担当医にしかわからない部分もありますので、まずはお聞きになるのが一番かと思います。

3のcomedo typeとhigh nuclear gradeはbiopsyでは報告しないこともあります。biopsyは所詮組織の一部分しか見ていませんので、レポートの内容にも限界があります。

7についてはそれぞれの医療制度の違いもありますので、コメントが難しいです。ただ乳がんの術後の診察には治療をフォローアップの両面があります。たとえ治療が終了したとしても、当然フォローアップの対象にはなります。DCISのフォローアップをどのようにしているのかお聞きになっては如何でしょうか。

8の不妊治療と今回の発症の間の因果関係はほとんど無いと思います。
Re:非浸潤性乳がんの補助療法無しによる再発率
Ike(海外在住) 2012/09/25
村上先生、
お忙しい中、お返事ありがとうございました。早速ですが、こちらのオンコロジストに言われたことを補足します。(私がかかっている大学病院がそういうシステムになっているのか、実際に執刀した外科医は特に主治医という訳ではなく、ほとんど詳細を説明してくれていません。)
1) DCISの全摘(皮下乳腺のみか否かはわかりません)後の健側の乳がん発症率は1%per yearで、タモキシフェンを服用した場合、それが半分の0.5%になる、が同時に子宮がんおよび子宮内膜?でのがん発症率があがる、とのことでした。 術側の再発率については、何度も聞きましたが、はっきりとした回答ははもらえませんでした。
2) この大学病院ではmargin0.3cmはcomfortableな数字なので問題ない、と言われましたが、が日本の病院では0.5cm以内にがんが見つかれば再手術と聞きました。その違いが気になります。
4) comedo, high nuclear gradeについても、何度も聞きましたが、がはっきりとした回答はもらえませんでした。
5) 術側の取り残っている乳腺内にもタモキシフェンは効くはずだが、一番の目的は健側の乳がん発症を抑えるために服用、とのことでした。また、タモキシフェンは乳腺内のがん発症にのみに効くもので、遠隔転移を抑えることは出来ないし、生存率を変えるものでもない、ともいわれました。
6) ERの数字が大きい=再発率が高いというわけではないので、服用するか否かは、自己判断に任せるとのことでしたが、日本では数字が高いと、ホルモン治療を勧められているように見受けられますが、いかがなのでしょうか。

7) については、私の受けた印象ですが、基本的には乳腺外科医もオンコロジストも、私の症例は手術で取りきれている症例で術側に関してはこれ以上の治療は必要ない、と思っているようでした。こちらでは症例ごとに主治医が居たり居なかったりのようで、私の場合はどちらの方が重要ということがないためか、誰がどうfollow upしてくれるのかという話すらない状況です。オンコロジストによると、血液検査もやったところでおそらくnormalな値しかでないであろうため、そのfollow upも必要ないとのことでした。出来る事といえば、自分でする術側の触診で変化に気をつけることぐらい、と言われました。

こんな状況です。もしまた何か参考になる意見がありましたら教えていただけると幸いです。

記事内容を変更することはできません。記述を修正したい場合はコメント欄を使って補足・訂正を行ってください。