掲示板「チームオンコロジー」

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治療とその選択
乳がん術後の治療
ちふみ(神奈川県) 2012/10/30
50才、ステージ2で、昨年12月、乳がんで右全摘、リンパ節切除の手術、4クールの抗がん剤点滴を終え、アリミデックスを5年服薬するように言われていましたが、5か月頃、関節痛がひどく、1カ月休んだあと、タスオミンを服用し始めて1カ月になります。関節痛や、手のこわばり、睡眠障害など、だんだん薬に体が慣れて耐えられるくらいになってきています。
それでも、これほど我慢して続けても、副作用で、子宮がんになったり、血栓ができたり、目がかすんできたりするのであれば、かえって薬なしで健康的な生活ができるのでは?と思ってしまいます。また、体になじんでくるのであれば、アリミデックスのほうが、副作用が少ないように思うので、またそれに変えても効果等には影響がなくできることなのか、次回通院までまだ日があるので相談できればと思いました。

   
Re:乳がん術後の治療
向原徹(兵庫県) 2012/11/03
ちふみ様

こんばんは、腫瘍内科医をしています向原と申します。
アリミデックスの関節痛は、時に本当につらいひとがいらっしゃいますね。

実際に診察させていただいた訳ではないので、一般論として参考にしていただければと思います。タスオミンについては、確かに子宮がんのリスク、血栓のリスクはあがるといわれています。しかし、タスオミンによる乳がんの再発予防効果のほうが子宮がんや血栓のリスク上昇よりも上回る場合が多いため、何らかの理由でそれらのリスクが特別高い(たとえばすでに血栓がある)、ということがなければ予想されるベネフィットを重視して、お勧めすることが多いです。

医療はすべて予測されるリスクとベネフィットのバランスで判断をくだしていきます。難しいのは、リスクのとらえ方は患者さんによってかなり異なることです。受け入れられるリスクや副作用の範囲が患者さんによって異なるため、そこは主治医と十分に話し合って決めていくしかありません。タスオミンをアリミデックスに戻すかどうかも、そのバランスをどう捉えるか次第になります。

残念ながら、一つの絶対的な答えはありません。もしあるならば、むしろ医療者の存在価値は低くて、銀行のATMのような機械が治療を決めればよいことになります。

とても、よく勉強をされていて、主治医とdiscussionすべき内容も整理されているようですので、そのまま疑問を投げかけてみてはいかがでしょうか。


向原
Re:乳がん術後の治療
ちふみ(神奈川県) 2012/11/05
向原先生、お忙し中のコメント、ありがとうございました。
子宮を何度も手術したり、偏頭痛があったり、飛蚊症で、目がかすんだりしている私には、タスオミンの服用は、もう先がみえてしまっているような気がして、心配になってしまったのですが、処方するにあたって、主治医からは、そのような説明もなく、いくら頭で整理していっても、診察では、思うようにお話ができず、後から歯がゆい思いをするばかりです。なので、チームオンコロジーの掲示板のような存在は、とても心強いです。ありがとうございました。

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