掲示板「チームオンコロジー」

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治療とその選択
術後の補助療法(ホルモン剤単独)について
KARIN(東京都) 2012/11/06
はじめまして。術後の補助療法について相談したく、投稿させていただきます。
私は今年の夏に、皮下乳腺全摘術を受けました。現在43歳です。
術後病理結果は以下の通りです。

mucinous ca. mixed type
ステージ2
腫瘍の大きさ 2.5x15
核グレード2
リンバ転移 なし(0/2)
Ki67 ≦10%    
ER(+) 98%、 Pgr(+) 50%
HER2タンパク なし(1+)

主治医の先生は、抗癌剤の必要はなく、粘液癌と言う事を考えてもリュープリンなしのホルモン剤内服のみでいいとの事。
私自身は腫瘍が2cmを超えていた事、単純粘液でなく混合型である事、核グレードが2である事が気になりましたが、2.5cmでも、混合型であっても低リスク。同じ様な条件でもリュープリンも抗癌剤もやる人もいるが、副作用も人によっては大差もあるがかなりつらいものになるので、私の年齢を考えるそれだけのとひどい副作用のリスクを取ってやってもどれだけの効果があるのか、と言う見解でした。やっぱりやりたいと思ったら来てください。数か月経ってから、やりたいと思った時始めても遅くありません。このケースではホルモン剤内服単独でも十分標準治療だと言われました。

色々なお話を聞き、日常生活に支障をきたす副作用の心配や、年齢的にも閉経してしまうかも知れないのが嫌だったので、また内服のみでも十分な標準治療のケースであると聞き、現在、術後の補助療法はホルモン剤内服のみの単独で治療しています。
ですが40歳~45歳はエストロゲンが減っていく過渡期、リュープリンをやるかやらないかはグレーゾーンである事と、腫瘍の大きさがどうしてもが引っかかり、補助療法を始めて数か月が経ちますが、今月中旬の定期受診を前に、本当にこのまま内服だけでよいのか悩んでいます。
私のようなケースでもホルモン剤単独治療、またはリュープリン+ホルモン剤のホルモン治療の効果はそれぞれどれくらいのものなのでしょうか?
こうして悩んだまま治療している事で、その効果を下げてしまいかねないとまたそれも心配になるこの状態がとてもよくないと思っています。「この治療で十分。これで私は大丈夫」と安心して前向きに治療して行きたいと思い悩み、こちらに相談させていただきました。

長くなりましたが、同じ様なケースの方がいらっしゃっいましたら、情報や体験談をぜひ聞かせてください。
また、ドクターや薬剤師、看護師の方など、医療者の方からアドバイスいただけないでしょうか。
どうぞよろしくお願いいたします。

   
Re:術後の補助療法(ホルモン剤単独)について
zoe(愛媛県) 2012/11/07
KARIN様

投稿ありがとうございます。
乳腺チームの薬剤師ですが、少しでもお役に立てればと思いコメントさせてください。
「この治療で十分。これで私は大丈夫」と安心して前向きに治療して行きたいというお気持ちとても大切に思います。

まず、40歳代のLuminal A typeの術後補助療法についてですが、
①ホルモン剤単独治療の効果はどれくらいあるか?
②ホルモン剤へのLH-RHアゴニスト(リュープロレリン)併用投与の効果はどれくらいあるか?
の2点が相談事項に思われます。

乳癌診療ガイドライン2011年版をもとに述べさせていただきます。
①のホルモン剤単独治療に関しては、多くの臨床試験が行われており、「5年間のタモキシフェン投与は有用であり、強く勧められる。」と記載されています。

②のLH-RHアゴニスト(リュープロレリン)併用投与に関しては、「タモキシフェンとLH-RHアゴニストの併用投与は有用である。」と記載されています。
ただし、ここでKARIN様も勉強されている通り、35歳未満で上乗せ効果が報告されており、40歳を超える場合には認められないという報告もあります。
チーム医療の中心にいるのは患者さんです。患者さんの希望はとても重要になります。LH-RHアゴニストの併用投与のメリット(再発リスクを下げる可能性)、デメリット(ほてり、頭痛、汗をかくなどの有害事象が起こる可能性)を主治医の先生に相談され、自己決定されることを願います。

公の掲示板で、多くの患者さんも見られていることから、具体的な数値に関しては伏せました。患者さんには「知る権利」、「知りたくない権利」があると思いますし、主治医の先生のお考えもあると思います。

また、ホルモン療法、化学療法の有害事象で悩まれている患者さんも多くおられます。

KARIN様が述べられた「悩んだまま治療している事で、その効果を下げてしまいかねないとまたそれも心配になるこの状態がとてもよくないと思っています。」という考え方ですが、私は同意見(メンタル面が治療に及ぼす影響の根拠があるか不明ですが)です。納得のいく決断をされ、前向きに人生を歩んでいただけますようにお祈り申し上げます。

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