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治療とその選択
術後補助療法タモキシフェンの内服期間(5年 vs 10年)について
zoe(愛媛県) 2013/01/17
サンアントニオ乳癌シンポジウムで発表されATLAS試験の最終結果(The Lancet掲載)と日常臨床について教えてください。

10年間のタモキシフェン内服により乳癌再発が減少し、生存期間が改善する

術後補助療法としてタモキシフェン内服中の患者、タモキシフェン5年間内服が終わろうとしている患者(やっと治療が終わろうとしていたが、さらに5年が必要か?)、すでに5年間のタモキシフェン内服が終わって数年たった患者(投与再開は必要か?)、様々なケースがあると思われます。

タモキシフェン長期投与のメリット(再発リスクを下げる可能性)、デメリット(治療モチベーション維持、薬剤費用、有害事象など)を主治医の先生から説明され、最終的に患者が自己決定する上で、どのようなポイントを主治医の先生と相談したら良いでしょうか?

宜しくお願い致します。

   
Re:術後補助療法タモキシフェンの内服期間(5年 vs 10年)について
たい(東京都) 2013/01/17
zoeさん

インターネット上でこのようなツールが公開されています。http://www.kango-net.jp/decisionaid/public/pdf/otawa01.pdf

このようなツールはスムーズで効果的に使用するために、できれば病院の看護師(特に看護外来やがん相談窓口がある場合はそういった部門で働く看護師)と一緒に使ってみることをお勧めします。
もし、ご自身でやってみてわからないところなどがあればその時におかかりの病院の話しやすそうな看護師に声をかけてみるのもいいかもしれません。

ご参考まで。
Re:術後補助療法タモキシフェンの内服期間(5年 vs 10年)について
上野 直人(海外在住) 2013/01/17
タモキシフェン内服を10年するかしないかに関しての私の見解を述べさせて頂きます。

少なくとも、タモキシフェン内服を10年内服するなら、premenopausal,
前月経?正しくない日本語でない可能性大、が、十年持続することが前提です。

閉経が10年以内にくるひとに、タモキシフェン内服をするか、また、途中でaromatase inhibitorに切り替えるかに関しての明確なデーターは無いのです、現実には、10年内服を推奨することはとくに、閉経が近づいている人には、このデーターだけでは出来ません。今回のデーターに関しての解釈は、MDアンダーソンがんセンターの乳腺内科部門での公式見解を制作中です。
Re:術後補助療法タモキシフェンの内服期間(5年 vs 10年)について
zoe(愛媛県) 2013/01/18
たいさん、上野先生

コメントありがとうございます!
質問の意図は患者としての立場で、ATLAS試験結果を踏まえて、どのようなことを主治医の先生に聞くことが大切か?です。
ご意見宜しくお願いします。

たいさんの教えてくれたツール勉強になりました。
Re:術後補助療法タモキシフェンの内服期間(5年 vs 10年)について
KEN(愛媛県) 2013/01/18
愛媛県の乳腺外科医です。今回の発表ですが、今までも様々なTAM長期投与試験の結果はあるのですが、必ずしも一致を見ていません。またこの試験は、TAM内服5年目で、どうするか決められない人を対象にランダム化するという、特殊な振り分け方で、従来のランダム化とは違い、バイアスがかかるんじゃないかというコメントを、以前米国の腫瘍内科医から聞きました。しかし、TAM10年投与という重要な命題(世界ではAI使えない地域も多い)にこたえようとする意欲的な試験であることは間違いないです。5年目でどうしようか迷っている人は多く、また以前からこの試験のアップデートデータがebctcgでも出ていたこともあり、当院でもこの試験に参加していたこともあり、その時点での最新データに基づいて患者さんに提示したこと(当然MATUREでないと話しますが)もありますし、本人希望がつよく10年投与している患者も当院でいくらかはいます。今のところはその程度の応用しかしていませんし、すぐ適応しなくてはとあまり焦る必要はないと思います。

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