掲示板「チームオンコロジー」

Bulletin board

治療とその選択
抗がん剤や検査にについて
綺羅 (和歌山県) 2013/03/06
先日。近藤誠医師の番組を見まして、
がんは検査するたびに被爆し、CTの被爆は聞いてましたが?
抗がん剤を使うたびに
がんは増えていくのではないのでしょうか?

今あるがんはがんもどきだから治療しなくてもよい
とゆうがんもあるのだと番組で知りましたが

医者は医薬品の関係もあり産業でもあるから
日本では抗がん剤と検査が主流ですが?
CTやMRIもそんなに頻繁に受けて
大丈夫なんでしょうか?

それに高価な抗がん剤を使い続けても亡くなる友達もしたし、今やってる抗がん剤も調べてみると
副作用がありますし、そんなことが可能なら治療もする意味がなくなりますが皆さんは今の治療でよいとお考えでしょうか?

細胞は放射線被爆で検査のたびに、被爆していためるのではないのでしょうか?

今やってる治療にも疑問点がいっぱいです。

   
Re:抗がん剤や検査にについて
中村(東京都) 2013/03/25
遅くなってしまって申し訳ありません。
いろいろと考えておりました。投げかけて頂き、有難うございます。東京都の医療従事者です。

今現在実施可能な治療でよい、とはまったく思っておりません。
体に入れた瞬間に、副作用なくがん細胞がすべて消滅してしまう抗がん剤が開発されない限りは、みんなが満足する治療にはならないでしょう。

お薬は、抗がん剤でなくてもそうですが、体にとっては異物であり、抗がん剤は特に副作用が強い、すなわち正常組織にも害を及ぼす作用があります。しかしながら、癌の進行を抑えることがわかっているので、抗がん剤として使用しています。

今現在、まだまだ、わからないことがたくさんあり、新しい治療が出てきたら、どの治療にも副作用はあるけど前の治療よりもいいかな、どうかな、といろんな側面から比較しながら治療方法を選択していることになります。

癌の進行を抑える効果の証明として、試験管や動物実験の結果や、人での臨床試験の結果があるのですが、臨床試験である程度患者さんの背景がそろっていたとしても、実際はいろんな状況の患者さんがいらっしゃるわけで、結果として効く人もいれば効かない人もいます。臨床試験の結果として、AよりBが効く、となったとしても、AでもBでも効く人もいれば、Aしか効かない人、Bしか効かない人、AもBも効かない人がいるかもしれません。ただ、割合として、AよりもBの方が効く人が多いと言えるのです。

診断の精度、治療の効果は、100%ではありません。近い将来にも、100%になることはないでしょう。十分とは言えない情報の中で、それでも、医療者や科学者は診断の精度や治療の効果を上げようと日夜努力しているところです。
今、わかっている情報で、がんのタイプを分類していますが、わかっていない因子の方が多いかもしれません。少しずつわかってきてはいますが、もっともっと、いろんな因子がわかってくると、抗がん剤の効く効かないを、さらに精度良く予測できるようになるかもしれません。

このような状況の中でも、治療を行うことによって、再発しなかった人、また、副作用は経験したけれど長く生きられた人、そして、その時点でのご自身の治療選択でよかったと考える人、もいらっしゃるので、抗がん剤の恩恵を全否定することは、いいとは思っていません。

CT検査の被爆に関してですが、乳癌の診療ガイドラインに、「通常の医療被曝など,低線量の被曝でも乳癌発症リスクを増加させることはほぼ確実である。」という記載もあり、リスクはあります。
全くCT検査をしないとなると、治療効果の判定ができないですので、治療中であれば、ある時点から効いていない治療を意味なく続けていくことになりかねません。また、発熱があり変な咳が出るとき等、原因を突き止めるために検査を行うことがあります。他の方法よりも、体の現状を確認する上でCTが適切であると考えられる場合、検査が実施されます。すなわち、被爆のリスクはありますが、それよりもCTから得られる情報が重要であると判断される場合です。

このように、現時点では、薬剤ならば副作用、CT検査ならば被爆のリスクと、得られる効果や情報を天秤にかけて、体にとって毒になることをあえて行っているのです。

医療者側も、診断の精度、治療の効果は、100%でないということをもっと自覚して、患者さんとお話するようにしたらよいでしょうか。自分の中でも結論が出ていませんが、患者さんと医療者、両者がコミュニケーションを図る努力をして、今わかっている情報、今はまだ解明されていない情報を共有することが大切なのではないかと考えております。
Re:抗がん剤や検査にについて
みるくてぃー(北海道) 2013/04/02
近藤誠医師の本は私もよく読んでいます。
近藤医師の著書ばかりでなく、他のいろんな
医師のがんに関する著書、いろんながん関係の
本を 読みあさってます。

治療で 後遺症が残った者として
自分が やった治療に意味があったのか、
その意味が見いだせれば少しは前向きになることが
できるか…その思いで がんについて
今 必死に勉強しています。

でも がんのことは 知れば知るほど
自分が イヤイヤながらにやった治療は
無意味だったと言ってほぼ間違いない(自分にとって)
ことが わかるだけで、更に
大きなショックを受けています。

私的には 近藤医師の言っていることは
ほぼ 間違いないと思っています。

近藤医師においては いろんな
論争が繰り広げられてきましたが、
大多数の意見が必ずしも正しいとは限りません。

むしろ、少数意見のほうが
正しかったりするほうがこの世の中には
けっこうあるように思います。

実際、ブログを綴っておられる
乳がん患者の方がそのブログに
近藤医師を受診し 補助療法の
ホルモン治療もやめ、定期健診も
行かないことにした。。「あーすっきりした!!」
と語っておられた方もいました(笑)

何が、正しい 何が 正しくない、
今の がん治療においては まだ
そんなことがはっきり言えるような
ものは何ひとつないのかもしれないとも思います。

最近読んでいるがんの本には
がんは遺伝子の病気であり、
まだまだ どちらかというと
不治の病に属する、というようなことが書いてありました。
だったらやっぱり自分の価値感が大切と思います。

がんは攻撃すれば攻撃するほど、
その逃げ道をみつけ、更に
強力化し 増殖を続けるようになると…
まるで意思を持った生き物のように…

近藤医師も言われていますが
がんは闘わないのが一番…
なんとなく わかるような気がします。(個人的には)

根治を望まず、せいぜい症状が悪化も改善もしない
安定状態をもってよしとするのがいいのかもしれないと
いう意見も今読んでいる本に書いてあります。

遺伝子の病気、
DNA…これは 一人一人違いますから、
だから 同じ状況の患者に
同じ治療をしても効く人もいるし
効かない人もいる。

そして がんは自分の細胞が
変化し起こってくる病(遺伝子のコピーミス)
とのことなので、そのがんを攻撃することは
必ず 自分の正常な細胞も攻撃するということ
になるので、いわば あまりにも
がんを攻撃しすぎると 自分を攻撃することに
つながってしまいます。
がんは ただ攻撃するだけでは
ダメなんだ…と、そんなふうに思います。

でも 今の西洋医学は
それで成り立っています。
攻めて攻めて攻めまくる…体が
いくつあっても足りません(笑笑)

私なら がんでも
人間らしく生き、人間らしく死にたいです(笑笑笑笑)
こんな後遺症…
こんなはずじゃなかった…
人間らしく生きたいからがんばったのに!!!!

後遺症が残って 辛い思いを
かかえながら生きるのもまた苦痛です。

「命が一番」とはよく言うものですが、
あまりにもそこに固執しすぎるのも
何かが違う気がします。

私は こんなことになって
時おり 死ねばよかったとも
正直思ってしまいます。
(言ってはいけないことと思うので、
人前では言いませんが)

患者自身が 自分の価値観で治療を
選択できる医療現場が必要です。
それが がん治療において 今できる
最善の策のように私は感じています。

医師や医療者のできることは
正しい情報をきちんと患者に伝えること。
私は 自分がこんなことになって
そう思います。
そして 治療はひとつではありません。
患者の価値観で 治療を選択させてほしいです。

抗がん剤については 間違いなく
細胞毒です。
しかも 日本は抗がん剤大国と
言われるくらい なんの危機感もなく
あれやこれやと簡単に抗がん剤が使われています。

まるで 患者を救うためではなく
何も対処できないときに出てくる
医療者を救う薬のように…

効果がでている患者もいるのも
確かですが、後遺症が残って
苦しんでいる患者がいるのも確かです。

副作用ではなく後遺症です。

医師の方は かたくなに
後遺症という言葉は使いたがらないように
感じますが、副作用と後遺症は違います。

抗がん剤治療を勧めるときの
説明は 足りなさすぎです。
きちんと現実を見て、
きちんと患者に話すべきです。

その上で やるかやらないかは患者が
決めることです。
いつも やってしまってから、
あー なっちゃった…では困ります。
いいかげんここのところ、少しは
学んで下さい。医療者の方、改善して下さい。
身体が受ける苦痛は 何にもかえがたいものだと
わかってほしいです。

話を戻しますが、
近藤医師の言ってることは
まんざらでもなく むしろ正解と思います。
がん産業と言われる、お金が動いているのも事実
であると思いますし。
ただ、患者からすれば こんな目に患者があってるのに、
腹立たしいの一言ですが。

今 読んでいる本は
立花 隆さんの
「がん 生と死の謎に挑む」という本です。
内容は濃く、従来のがんに関する本とは
少し傾向が違って、がんそのものに視点をおいて
かかれている本です。
医療者の方にも 内容的には
濃いのもと思われます。

綺羅さんも もしよろしければ
読んでみて下さい。
がんに対して見かたが変わるかもしれません。
でも 決して絶望ではなく。。
後遺症で苦しむよりは ましです。(私的には)

○---------------------------------------------○
追記:今読んでいる本には、抗がん剤は効かないと
大概の医者は知っているようなこともかかれてありました。

Re:抗がん剤や検査にについて
綺羅 (和歌山県) 2013/04/02
中村様

ミルクテイ様

ご返事ありがとうございました。
あの時は、副作用もあり、いろんな意味での治療がわからなくなり
そんな折に近藤先生がTVで出て 医者自らが
がん治療についてしなくてもよいと断言してましたので、
本当の真実はこれから良くなるのでしたら解決できるのかは
わかりませんが・・・

できたら、抗がん剤もいろんな副作用があることをもう少し説明していただけたらと思いました。
確かに、大病院は 患者さんらの待ち時間が長いし、
先生も大人数さばかなければならないので
大変な仕事のことはわかるのですが 

中村さんのような方もいらっしゃるのでしょうし、仕事に大変な労力を費やしてらっしゃるのもわかりますしあまり、細かいことを言えば、今度は診て貰えないのでは?

との不安も患者側にもあるので、
それが がん患者ともなれば余計に死の宣告のようなものですから 情緒不安にならざるを得ないので
つい 治らない病気と結われてから落ち着けてねれれずで
つい投稿をしてしまったので

このように 本当に返事を頂けただけでもありがたかったです。

ミルクテイさんも その後体調は?いかがでしょうか?

この間、全身がん宣告をした木樹きりんさんのように
覚悟の治療もなさる方もいるし、人それぞれだとは
思いますが、今後も本当に ISPの治療も進んで
がんにならない治療が進むのも 期待して

やはり、抗がん剤治療と CTの検査は今後もしばらくは
続けて行けれるだけしてみようかと思いますが
また今後 何かありましたら また宜しくお願いいたします。

中村様もお体に気をつけて患者さんが少しでも軽くなれる
医療をまた続けていただけれましたら
わざわざ難しい回答にご尽力していただき、
ありがとうございました。

ミルクテイサンの教えてくださった本も拝読させていただき
また、本当の治療もこれからも疑問点もありますが、
参考にさせて頂きます。
お体に気をつけて 無理のないように 本当にお返事ありがたかったです。
また、これからも 宜しくお願いいたします。
Re:抗がん剤や検査にについて
山内 (滋賀県) 2013/04/06
近藤誠医師の話は、一面の真実をとらえている話もありますが、一方でがん医療に携わる人々の努力や労苦を、全く評価せず切り捨てていいものかという疑問を持っています。
私は抗がん剤、手術、放射線のすべてを受けました。抗がん剤は術前に投与を受け、手術の結果抗がん剤治療の時点で患部に癌細胞が残らず消えていたことがわかりました。なので「固形がんには抗がん剤は効かない、腫瘍を縮小させる程度」という一般的な評価以上の効果が私にはあったことになります。がんが初期だったからではありません、ステージはⅣ期でした。「副作用」は当然ありましたが、これは「中毒症状」と呼ぶべきですね。
抗がん剤で消えたはずのがんですが、医師は術後に放射線治療を提示してきました。「治ったのではないのか?」疑問は主治医にぶつけ、納得いくまで話し合いました。近藤氏の著書は読み物としては面白いですが、がん患者としてしりたいのは、いま提示される治療に対して、おこりうる事象、リスクとベネフィット、必要性と有効性(の根拠)です。ここをあいまいにして、周辺情報に振り回されるべきではないと思います。

このチームオンコロジーのサイトの主催者の一人である上野直人医師は近藤誠氏に批判的ですが、みずからがん患者でもあります。私は上の医師から多くのことを学び、闘病生活に役立ててきました。ぜひ参考にしていただきたいです。上野医師の体験談http://www.az-oncology.jp/taiken/taiken_message_03vol1.html

「最高の医療をうけるための患者学」
著者: 上野直人(講談社+α新書)

記事内容を変更することはできません。記述を修正したい場合はコメント欄を使って補足・訂正を行ってください。