掲示板「チームオンコロジー」

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治療とその選択
Oncotype DXが役に立つ検査かどうかについて
中村 千恵(埼玉県) 2013/04/03
初めまして。1月中旬に手術を受けましたが、主治医からOncotype DXの検査を勧められ、また抗がん剤による治療も勧められております。抗がん剤の治療は避けられるのであれば、避けたいと思っているのですが、Oncotype DXの検査が役に立つものかの判断がつかず、悩んでいます。
私は47歳で、閉経前です。病理組織診断の結果は、
1. Breast, right, total mastectomy:
- Invasive ductal carcinoma (papillotubular type), pT2, f, ly(-), v(-).
Surgical margin: Negative
2. Non-Sentinel lymph nodes, biopsy:
- Negative for metastasis (0/3)
Nottingham GradeはGrade 1相当であり、組織学的な癌の広がりは約24x23x23mm大。明らかな静脈・リンパ管侵襲はみられない。
免疫染色結果は、
ER 陽性細胞の占有率:5 陽性強度:3
PR 陽性細胞の占有率:5 陽性強度:3
Her2/neu 2+ (FISH検査では増殖なしと判定)
Ki67標識率 20% (Hot Spot)
との事ですが、
Oncotype DXが役に立つ検査がアドバイス頂きたく、
宜しくお願い致します。

   
Re:Oncotype DXが役に立つ検査かどうかについて
HB(茨城県) 2013/04/03
中村様

Oncotype Dxについてのご質問をいただきましたが、返信が遅くなり申し訳ありません。

中村様の場合はホルモン受容体が強陽性、腫瘍径は24mmとあまり大きくはなくGrade1であるものの、Ki67標識率が20%(Hot spot)と低いとは言えない。よって内分泌治療のみでよいのか、化学療法を追加したほうがよいのか悩ましく、OncotypeDxによる追加情報を得ることが化学療法の適応決定に有用か知りたいとのことですね。

OncotypeDxの検査に関してはこのツリーに示されている状況と(2009年のものですが)その後大きな変化はないと考えてよいと思います。TailorXという臨床試験の結果はまだ出ておりませんのでOncotypeDxと通常の病理診断の結果による化学療法の推奨度合いが異なった場合、どちらを信じるべきかが未確定です。

とはいえ、OncotypeDxを行い再発の危険性がLowとでればおそらく内分泌治療のみでよいであろう、一方Highと出た場合には化学療法を追加したほうがよいであろうと考える医療者は多くなっているのではないかと思います。
OncotypeDxによりLow/Highとなった場合にその結果に基づいて治療方針を選択できるのであれば、検査は有用であったと考えられるでしょう。Oncotypeの結果、再発リスクが高いとなっても化学療法をしないと決めているのであれば有用ではありませんね。

問題となるのは再発リスクが中間となったときであると思います。その場合はどうするかについて主治医の先生とご相談されることをまずはお勧めいたします。

OncotypeDxを行うかどうか、行うことを有用と考えられるかどうかは、この検査の結果をどう考え、どのような選択を行うか、それに納得がいくのかどうかしだいではないかと思います。

中村様にとって良い選択ができますように。

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