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患者と医療者のコミュニケーション
乳がんの術後抗がん剤治療を受けるべきか・・・耳下腺腫瘍多形線腫と円形脱毛症もあります
honoka EM(広島県) 2013/05/17
40歳・女性・乳がん患者です。

今年2月に告知を受けました。
告知までの約6年半、無排卵による月経異常になることが多く、婦人科受診しながらホルモン剤を服用していました。
今はもちろん服用は止めています。

乳がん術後の抗がん剤治療をするかしないか悩んでいます。

左ECD領域7mm大の乳癌:IDC 4/10左乳房温存術・センチネルリン節生検を受け、5/10に病理診断の結果を聞きました。

以下、結果内容です。

診断:Breast cancer , invasive ductal carcinoma, papillotubular carcinama Invasivecarcinoma of not special type: left breast: Bp+SN

所見:腫瘍径1.0×1.0cm 浸潤部径1.0×0.5cm 波及度 f 、ly0、 v0、 EIC(-)
充実性~篩状構造をとって増生する異型上皮よりなる腫瘍。浸潤巣に隣接して、乳管内病変を認める。切除断端は陰性。

Microscopic grading Tubular formation 2 Nuclear pleomorphism 2 Mitotic counting 1
Grade Ⅰ

免疫組織化学
ER(+) 70-80%
PgR(+) 70-80%
HER2 score : 0
MIB-1 index: 21.3%

SN周囲組織 No evidence of malignancy

センチネルリンパ節に転移の所見なし。 SN-1(0/3分割),SN-2(0/2分割)


主治医からは、放射線とホルモン治療は必須、抗がん剤をするなら TC×4回 ・ 抗がん剤をする・しないの再発率の差は2~3%だと言われました。

家族や周囲の人は、再発率の差がその程度なら辛い思いまでして抗がん剤治療を受けなくても良いのでは?という意見が多数です。
私もそう思う半面、決断しかねています。引っ掛かるのはMIB-1の数値です。

手術の際も、病巣が乳輪と乳房の境界位置のあまり深くない場所にあり、乳房も小さいので、温存か全摘出かで悩みました(温存しました)。

それから、PET-CT を受けた際に左耳の下に異常があり、後日MRIとエコー・細胞針の検査を受けたところ、今のところ耳下腺腫瘍の多形線腫で大きさは2cm大だと言われました。
まずは乳がん治療を優先するということで、今は耳下腺の方は半年に一度のMRI検査を受けるように言われています。ですが悪性化する可能性があり、徐々に大きくなり顔面神経が通っている所でもあるので、最終的には手術しないといけないようです。

円形脱毛症は昨年11月に左耳の上辺り、大きさは約4×5cmで見つかりました。以来、皮膚科にてセファランチンとネオファーゲンC配合錠を処方され、2週間に一度の紫外線治療を受けていますが、多少大きさが小さくなったようにも感じますがあまり改善は見られません。

乳がんだけでも大変なのに、これらの病気も気掛かりです。
同時にあれこれと治療して大丈夫なのか、薬同士の相性など・・・考えればキリがありません。

差し当たり、乳がんの抗がん剤治療をどうするかが目の前の課題です。

次回受診の際に抗がん剤をするかしないか返事をしなければなりません。

意見を頂ければ幸いです。
よろしくお願い致します。

   
Re:乳がんの術後抗がん剤治療を受けるべきか・・・耳下腺腫瘍多形線腫と円形脱毛症もあります
杉山直子(東京都) 2013/05/18
Honoka EMさん、こんにちは。

乳がん診療に携わっていたものです。

がんの治療のほかにもご病気があり、考えなければいけないことが沢山あることで悩まれているご様子と拝察いたします。

悩みが多い時は、具体的に何が心配なのかを一つ一つ書き出してみると、悩みを分類して整理することができるかもしれません。
心の中で思っていることを、実際に紙に書き出し、目に見えるようにすると、優先順位がより分かりやすくなり、もやもやしたものがすっきりしてくることがあるように思います。

差しあたって、いわゆる早期といわれる乳がんに対して、治療のための抗がん剤をするかしないかを考えていらっしゃるのですね。

>抗がん剤をする・しないの再発率の差は2~3%だと言われました。

とのことですが、まず、ホルモン療法と放射線をした時点でのご自身の再発率そのものはどれくらいかは、ご存知ですか。
再発率自体が高いか低いかによっても、2-3%の持つ意味が、人によっては変わってくるかもしれません。

>引っ掛かるのはMIB-1の数値です。

これは主治医の先生からはどのように説明されていますか?引っかかるのであれば、その意味をもう少し先生と話し合われてもよいかもしれません。

もう一つ、判断の補助になる可能性のある検査で、オンコタイプDXというものがありますが、すでにご存じでしょうか。
閉経前、ステージI,II、リンパ節転移なしの患者さんについて、術後の抗がん剤をしたほうがよいかどうかの参考になる検査ですが、費用がかかるのと、検査結果によっては、また新たな悩みが出ることがあるので、まずは主治医の先生とご相談いただくのが良いかと思います。

オンコタイプDXについては、この掲示板の中でもいくつか記事がありますので、ご参考になるかもしれません。(これらを拝見すると、検査したら、必ずすっきりする、というものではないのかもしれないですね…。)

Oncotype DXが役に立つ検査かどうかについて
https://www.teamoncology.com/bbs/thread_dtl.php4?coid=1&cid=10&pg=&tid=4163

他、このページの上部の検索boxにキーワードを入れると、関連した記事が検索できます。

いずれにしても、皆さんとても悩まれるところでしょうし、honoka EMさんは他のご心配もあるとのことですので、よく考えて、納得して治療を選択できますよう、応援しています。

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