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治療とその選択
乳がんの病理診断結果について
ブラームス(東京都) 2013/06/19
前の「切除断端0.3mm」の質問をした者ですが、懇切丁寧なご回答を頂きまして、本当に有難うございました。
すみませんが、再度質問させて頂きたく、よろしくお願いいたします。
前の質問に詳細を書かせていただきましたが、術前の診断と、術後の病理診断結果に大きく異なる点があったこと(腫瘍径の違い)、そして、深部側断端が0.3mmであり、その様子が現実としてどうだったのかを確かめるために、大学の病理専門の教授にセカンドオピニオンをお願いしました。

その結果、腫瘍径が確かに4mmであったことと、0.3mmの断端はとりきれた、と考えてよいことは、しっかりと確認していただき、1つの大きな不安が解消されたのですが、核グレードが手術を受けた病院の結果と大きく異なり、また新たな不安が生まれ、混沌とした状態からまた抜け出せなくなりました。
詳細は下記のとおりです。

病院の術後病理診断結果
核異型スコア:2  核分裂スコア:3(12/10HPF)
核グレード:3

セカンドオピニオンの結果
grade 1 (tubule formation G1, nuclear atypia G1, mitosis: G1)
Ki-67 labeling: 15%
腫瘍は乳腺深部に局在し、最大径4 mmと小型で、境界鮮明です。管状構造形成が明らかで、核異型は乏しく、核分裂像もほとんどみられません。組織学的異型度G1の浸潤性乳管癌です。

最初に告知を受けた病院では針生検の結果、グレード3、ki67 50%で、「あなたのガンは非常に顔つきが悪く、今まさにあなたの体の中でワルサをたくらんでいます。」と言われました。その病院で採取した組織を、手術を受けた病院で再度検査した結果も変わらず、G3、ki67 50%でした。

ずっとG3であったのが、今度はG1という診断書を受取り、「切ってみたら腫瘍径が3分の1だった」時と同じく、素直に喜ぶべきか、何か疑うべきものがあるのか(病院から別人の標本を間違えて渡された?・・・・とか)、また闇の中に入りこんでしまいました。
ki67 に関しては不確定な部分が多いと聞いていますが、ガンの顔つきまで見る人によって変わってしまうということは、よくあることなのでしょうか。それとも私のガンは多重人格?のようなガンなのでしょうか?
次から次へと不安が押し寄せて、自分の頭では整理することができずにいます。
お答えいただけたら幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。



   
Re:乳がんの病理診断結果について
Koji(神奈川県) 2013/07/01
ブラームスさま

はじめまして、三浦先生に助言させて頂いた腫瘍外科医の一人です。
専門的な事をなんとか理解しようと必死になっているところに、容易には納得しがたい結果に悩まされておられる胸中をお察し致します。
Ki-67に関してはブラームスさまご自身もコメントされていた様に、不確定要素がまだあります。一方、組織グレードに関してですが、術前の針生検ではグレードを敢えて評価しない病理医もいらっしゃいます。ブラームスさまの場合に限った事は何とも言えませんが、一般的なお話をさせて頂きますと、針生検は病変のほんの一部分像を見ているに過ぎないのです。さらには検査処置の修飾がかかることも考えられます。たまたま針生検の時には悪そうなところが採れてきてしまって、手術で採ってみて全体像を見てみると病変の大部分はおとなしそうな細胞であったという事も考えられます。
お気づきの様に、癌は一様ではなく不均一な細胞の集合ですので、この様な事は起こり得ると思われます。
いずれにしてもブラームスさまの場合は全体像を評価できる状態ですので、最終的な病理組織に基づいた診断結果でご判断頂ければ良いと思います。
ご理解の一助になれば幸いです。
Re:乳がんの病理診断結果について
ヨハネス・ブラームス(東京都) 2013/07/02
koji先生
お忙しいところ、私の低レベルな質問にご丁寧な回答を頂きまして、どうも有難うございました。

セカンドオピニオンに提出した標本は、小さなガラス片4、5枚に過ぎませんでしたので、ガン全体のごく一部を見て「グレード1」と診断されたのかな(?)と理解しました。
術前の告知の日から、手術後の診断結果が出るまでの2か月間、「腫瘍径は1.2㎝(病変全体は2.6cm)で、核グレード3、増殖率も非常に高いため、ルミナルBで抗がん剤治療必須」と言われ、覚悟を決めていたので、「もう抗がん剤治療は受けなくていい」と言われても、うれしいより罪悪感のようなものを感じます。また考えたくないですが、再発した時には抗がん剤治療を受けなかったことを後悔するのではないかとも感じ、悩みは尽きません。

Oncotype dx に出して、スコアが出た時点で抗がん剤治療をどうするか、決断することにしました。

一個人の勝手な悩みに、大変ご親切に対応して頂きましたことを、心より御礼申し上げます。
どうもありがとうございました。

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