掲示板「チームオンコロジー」

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治療とその選択
術後化学療法の副作用による化学療法継続の有無について
ユーカリ (滋賀県) 2013/06/29
はじめまして

今回、1回目の術後化学療法中に好中球減少症になり、38度を超える高熱が2W近く続き、骨盤内リンパ膿瘍も発症しました。
膿瘍穿刺と抗生物質にて3Wでようやく熱も出なくなりましたが、
2回目の化学療法を行うかで悩んでいます。
主治医も、グレーゾーンの化学療法なのでここまで副作用がある場合はリスクの方が高いので中止されますかと言われています。
ただ、どうしてもしたいといわれるなら薬剤を減らしてできるとも言われています。
家族は命にかかわることなので、標準治療(3クール)はしておいたほうがよいのではないかという意見です。
2回目の治療で必ず副作用が起こるわけではないではないとはいわれていますが、やってみないとわかりません。

1度目でかなりつらかったのと、中リスク分類の化学療法の有効性のエビデンスがまだはっきりとしていないというのもあり、続けるべきなのか悩んでいます。

何か指標になる情報があれば御教示お願い致します。



35歳 
子宮体癌
病理組織 類内膜腺癌
TNM分類 T2 N0 M0
病気分類 Ⅱ期 筋層浸潤1/2以下

術式 子宮全摘出 両附属器切除 リンパ節郭清
術後化学療法薬 ランダ ワンタキソテール

   
Re:術後化学療法の副作用による化学療法継続の有無について
向原徹(兵庫県) 2013/06/29
ユーカリさま

はじめまして、腫瘍内科医をしています向原と申します。
大変な思いをされたようですね。

2回目の化学療法についてですが、究極的には予想されるメリットとデメリットのバランスをもって決めていくしかありません。すべての医療行為は、メリットとデメリットのバランスですべきか、せざるべきか決めているのですが、現在ユーカリさんが受けられている、術後補助化学療法は、そのバランスを最も吟味すべき治療です。なぜなら、既に恐らくご存じのように、手術だけでも治ってしまうかも知れない方を対象に、残っているかどうかも分からない目に見えないがん細胞を相手にする治療であるからです。

そこで、まず主治医の先生に確かめられることとしては、手術のみで経過をみた場合の、再発率がどれだけ見積もられるか、4サイクルした場合どれだけそれを減らすと見積もられるか、ということかと思います。1サイクルした場合と、予定通りの4サイクルした場合の差がどれだけあるかはデータがなく不明ですが、1サイクルを終えられた訳ですから、今後の再発率は手術のみと同じかそれよりは低いと考えられます。

化学療法をするとなると何らかの工夫が必要になります。減量の他、G-CSFという好中球をあげるお薬を予防的に使う方法などもあります。

選択肢(化学療法する、しない)があるのは、決断をしなくてはならないという意味において辛いことですね。しかし、上にあげられた数字に対して、どれだけのリスクをご自身が背負えるか、という判断は最終的にはご自身がすべきことがらなのです。再発率、あるいは治療から得られるメリットを、「そんなにも」と思うか「たったそれだけ」と思うかは、患者さんの主観によるものだからです。

よく相談をされて、よい選択をされることをお祈りします。
Re:術後化学療法の副作用による化学療法継続の有無について
ユーカリ (滋賀県) 2013/06/30
向原先生
お忙しい中回答して下さりありがとうございました。
主治医によると、化学療法をした時と中止した時の再発率のパーセンテージはまだエビデンスが無く不明との事でした。
判断材料は少ないのですが、自分にとってのメリットとデメリットを熟慮した上で決めたいと思います。先生からのコメントで理性的な判断の必要性を再確認できました。本当にありがとうございました。

ちなみに、グレーゾーンの患者に対して化学療法を行っていない施設もあると主治医から聞いたのですが(国立ガンセンター等)、何かエビデンスがあるのでしょうか?
何かご存知であれば教えて頂きたいです。よろしくお願い致します。

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