掲示板「チームオンコロジー」

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治療とその選択
術前療法と再発後の治療
mikiko(神奈川県) 2013/10/15
乳がん治療の基礎中の基礎かもしれませんが、自身の心と折り合いをつけるための手助けをしてください。

病歴は以下の通りです。

1年半前に右胸に乳がん30.0mm×28.5mm
センチネル陰性
オンコタイプDX23
Ki-87:43%
ホルモン感受性ER8/10、PgR7/10、HER2陰性
PETCTなどで右胸以外に転移なし(術前療法前初診時)
ルミナスB
TC×5回
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全摘手術
乳頭腺菅癌、T2、M0、N0
切除断端(-)
脈管浸潤2/3
リュープリンとタモキシフェン服用
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閉経となりフェマーラに変更
同時に、腰痛がひどいためPET撮影。胸骨へ転移発見(PETCT、MRI、CT、骨シンチでいずれも転移と診断、痛みなどは特になし、CEA、CA15-3正常範囲内、術後から特に上昇なし)
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再発・転移は誰にとっても突然おこるものかもしれませんが、術後1年半で胸骨に転移が見つかり驚いています。
胸骨に転移ということは、血を巡って骨に到達した(血行性転移)ということで全身病であることも、完治が難しいことも理解しています。ただ、心がついていけません。

手術を延ばして術前療法で化学療法をしました。
その時は、全身に散らばっているかもしれない癌細胞をたたくためと理解していました。
しかし、血行性で1か所でも転移が見つかれば、もう全身にちらばっている癌細胞をたたききることはできないのでしょうか。

胸骨1か所であれば、今後の様態と希望しだいでは、骨の生検+手術で胸骨をとったケースもあると通院している病院で聞きました。閉経していることがわかりフェマーラに変えたばかりなので、全身治療としてはフェマーラを使うか、抗がん剤にするか、骨への投薬としてはランマークかゾメタ、骨の治療としては切除の他に放射線治療もあると聞きました。これからの一生をかける治療を選らばなくてはいけませんが、どうしても同じ問いかけで止まって今います。

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術前療法では全身に散らばっている癌細胞をたたくための化学療法で完治を目指した治療の一環だったのに、血行性で1か所でも転移が見つかればもう完治は難しいのですね?
1つが転移として発見されるほど大きな癌となってしまったが、他の散らばった癌細胞がそのまま叩かれ続け芽を出さないという考え方はしないのでしょうか。
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みなさまのお考えをお聞かせください。

完治の希望があるのであれば、骨の切除や放射線、化学療法など積極的な治療もしたいと思いますが、1つの骨の転移でもう完治は難しいと未来を予告されているのであれば、身体にきつい治療はやめて天命を静かに楽しくまっとうしたいと考えていいます。もちろん、医学で100%とか必ずがないことは理解しています。でも、どの本を読んでも、骨などの転移は命に直接影響は及ぼさないものの、全身に癌がまわっていて遅かれ早かれ全身に癌が出てくるのが必至で、根治治療は難しいということしか書かれていないので、改めてみなさまのお考えをお聞きしたいと思い書き込みをいたしました





血行性転移

   
Re:術前療法と再発後の治療
Y.Kojima(神奈川県) 2013/10/19
mikikoさんの今のお気持ちをお聞かせ頂きありがとうございます。少しでもお役に立てればよいのですが...。
まず、mikikoさんは完治をめざして治療を受けていたのに、「自分はもう完治しない」ということにショックを受け、お気持ちの整理がつかずにいるのですね。
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術前療法では全身に散らばっている癌細胞をたたくための化学療法で完治を目指した治療の一環だったのに、血行性で1か所でも転移が見つかればもう完治は難しいのですね?
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抗癌剤の治療では恐らく勢いのある(増殖能の高い)細胞はなくなったかもしれません。しかし、がんとはそもそも複数の性質の細胞が混ざったものとかんがえられます。ゆっくり増える性格の癌細胞は抗癌剤投与だけでは完全には消せなかったかも知れません。その増殖のスピードが遅く、骨転移が検査で分かる程になるまえに乳房の病変が見つかり治療が行われたということかもしれません。
がんの治療は、この様ないろいろな性質をもつ癌細胞をくまなく、効果的に抑え込み、宿主である私たち人間の寿命の方が先に来る様にすることなのかも知れません。
mikikoさんが病気を完治させることに懸命になるのは当然だとおもいます。
しかし、完治とは何であろうか?と時々考えることがあります。自分の限りある人生をどの様に生きるのか?寿命も人によって違いますし、その人の生き方次第で長くもなれば短くもあるのではないでしょうか。
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1つが転移として発見されるほど大きな癌となってしまったが、他の散らばった癌細胞がそのまま叩かれ続け芽を出さないという考え方はしないのでしょうか。
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治療の継続は必要となりますが、勿論このような考え方は成立すると思います。癌があっても、その状態を維持し、ご自身の生活を送っておられる方々は現にいらっしゃいます。mikikoさんはもともとどの様なことに打ち込んでらしたのでしょうか?もし病気のことがなければ、何をされたいとお思いでしょうか?
私たち医療者はチームとして、がん体験者の方や、今まさに闘っておられる方達が、その方らしく、充実した生活が送れる様にサポートしたいと思っています。
mikikoさんの担当の医師やそのチームの方に、今のお気持ちを相談されてみては如何でしょうか。
治療方針も、mikikoさんの希望や価値観に合わせて選択することができると思います。

少しでもお役に立てれば幸いです。

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