掲示板「チームオンコロジー」

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治療とその選択
乳がん治療の選択と その機会
ねむねむ (東京都) 2013/12/03
先日は 掲示板の意図をよく理解しないままの相談に 丁寧なお答えをありがとうございました。
改めて ホームページを読ませて頂いた上で、投稿したいことがありましたので よろしくお願いします。

45歳で乳がんになり、全摘手術・化学療法(FEC→DTX計8クール)を受けました。現在ホルモン療法中です。 

化学療法が終わって2年が過ぎましたが、かつらが外せない状態です。大学病院や美容に積極的な皮膚科などにも行きましたが、有効な治療はないと言われました。  この2年 どれだけかつらが外せる日を楽しみにしていたか。。。 治療前には、髪が抜けることに抵抗を感じていた私に、インターンの若い先生から「半年でもとにもどるよ?」と説明がありました。

「なんでこんなに戻らないんだろう。」調べてみると、2010年の乳癌学会(私が化学療法を受ける前)では、仙台医療センターの渡會Drが 乳がんの化学療法後2.4%の人が 2年経ってもかつらを外せないでいる。という報告をしていらっしゃいました。
また今年は規模を増やした報告が 日立総合病院のDrからあり、FEC→DTXでは 2年後30.2%の人がかつらや帽子を使っているという報告もなされていました。

では なぜそれが 担当の医師から私に告げられなかったんだろう。。。

乳がんは ある意味特殊です。 手術をする側からすれば、侵襲の少ない簡単な手術なのかもしれません。 実際 内臓をいじるわけではないので、回復も早いです。 でも 乳房を取られるということの意味や現実の 本当のところはなかなか理解されません。  
入院中 教授回診があって たくさんのDrを連れた偉そうな先生が 創を見て「うん。 きれいだね。」と言いました。 私は「胸取られて きれいだなんてあるか!!!」と思ったのを今でも覚えています。

術前術後ほぼ自由に動ける乳がん患者は 治療の相談や選択もほぼ自分一人で受診した時に聞き決定してるのではないでしょうか?

でも、病気がわかってからまず考えるのは、入院中の家族の生活の方で、自分の姿形の変化をつらく悲しいと思うことはあっても、医師が提示した治療以外を考える余裕はあまりありません。
せめて 治療前に 髪が元に戻らない可能性もあると言うことを知らされていたら 私はどうしただろう。

自分にとって譲れない物は何か?  一つの治療を受けた時に変わるであろう生活を、想像する時間と機会がほしかった。
自分の気持ちに添った選択肢を見つけたかった。
そう思えてなりません。

大学病院では、 治療がないと言われて意気消沈している私に「患者会や化学療法をした病院でもフォローする看護師などがいると思いますので」と言われましたが、悲しい胸の内をわかってもらおうと思っているわけではなく、同じような思いをする同病の人たちが 少しでもいなくなるための改革を望むという意味で投稿させていただきました。

できるなら 
術後に化学療法を受けるなら入院中に、 その治療をしたらどのようなことが起きるかを聞き、自分に照らし合わせ 選択しなかった場合のリスクや他の選択肢なども提示される機会があればいいなと思います。
それには 医療者側だけでなく、実際治療を受けた患者の 良かったと思える経験や、失敗したと思うことなども盛り込まれていなければ、心に余裕の無い癌患者は考えが及ばない事だらけで治療を受けることになると思います。

癌治療でよく使われる 「生存率」も医療者側の言葉と感じています。  生存していても、 再発していて明日をも知れぬ命も含まれているのなら どれだけの意味があるのか。。。
治療の効果を「生存率」で示すだけでは 患者が本当の意味で「生きる」ことの指針にはならないような 気がするのです。

長々と 駄文を失礼致しました。 ホームページ内の医療関係者の方々の投稿を拝見し、忙しい業務の中ここまで患者に寄り添おうとしてくださる皆様を 尊敬し、感謝いたします。

   
Re:乳がん治療の選択と その機会
ゆんゆん (三重県) 2013/12/03
ねむねむさんと同じ乳がん患者です。
抗がん剤毎30分前に頭皮を冷却すると脱毛が防げるとテレビで紹介されていました。一日も早くすべての抗がん剤治療される方が頭皮冷却法を利用できるようになって欲しいです。
Re:乳がん治療の選択と その機会
豊田(兵庫県) 2013/12/03
むねむね様

がんと診断され、治療をうけていく中で、副作用に対する悩みや、これからの不安、私たちが提供している現実のがん診療の問題点など、心の内をお聞かせ下さり本当にありがとうございます。がん診療に関わるものの一人として、むねむね様の言葉を心に刻み、明日からも患者さんと向き合っていきたく思います。

これからの治療が、よい方向に進んでいくように、主治医・看護師・薬剤師など、多くの医療者と良好なコミュニケーションがとれるといいですね。

困っていることや、誰かに伝えたいことがありましたらまたご投稿ください。
Re:乳がん治療の選択と その機会
ふじくろ (神奈川県) 2013/12/03
はじめまして、乳がん患者です。
術後、腕~肩~脇に電気が走る痛みや、肩や腕を伸ばしたり後ろへ持っていくときの痛みに苦しみました。
十数年経った今でも一時よりはよくなったものの、苦しみ続けています。自分の体なのに思うように動かせません。

>治療前に 髪が元に戻らない可能性もあると言うことを知らされていたら 私はどうしただろう。

我が身に当てはめてみますと抗がん剤後に頭髪は1年で元に戻りましたが、もし戻らない可能性もあると事前に知っていればリスクとベネフィットを秤にかけてどうしていたか..??
とても難しい問題ですね。


>その治療をしたらどのようなことが起きるかを聞き、自分に照らし合わせ 選択しなかった場合のリスクや他の選択肢なども提示される機会があればいいなと思います。

今まで耳にしてきた医療施設やがん医療サイトの説明では、実際の後遺症・合併症・副作用の数十分の一程度のことしかわかりませんでした。
例えば放射線治療は「痛みはない」とよく言われますが、それは”照射のときだけ”のことで私の場合は黒こげの火傷のような状態でビリビリと激しく痛みました。
「医療者が軽く説明するのは治療拒否を防ぐためなのでは?」と自分なりに解釈しています。患者は多くの経験者に聞かなければ何事もわかりませんね。
実際に経験者の方に伺うと、少しでも苦痛を和らげるための工夫についていろいろと知ることができました。その機会がもっと増えるようになるといいですね。
Re:乳がん治療の選択と その機会
尾上美紀子(兵庫県) 2013/12/03
乳ガン患者で現在、術前の抗がん剤治療を行っています。
私の場合は脱毛はもちろん、タキサン系の副作用である末梢神経の痺れに悩まされています。

治療方法についてはセカンドオピニオンを受けておけばいろんな情報が先に手にはいるのではないでしょうか。
私は面倒なのでその順序を踏まなかった事で知っておくべき情報に漏れがあったことに対しては自業自得だと思っています。

大勢の患者さんが待っている中、主治医の先生を独り占めするわけにはいかないですもんね。

もしセカンドオピニオンを受けて副作用のマイナス面を聞かされていたら命と引き替えに治療方法を変えるでしょうか?主治医の先生は一人一人に最適な治療を提案してくれていると思うので非常に難しいところですよぬ。
Re:乳がん治療の選択と その機会
ねむねむ (東京都) 2013/12/04
ねむねむです。私の他愛も無い思いにコメントを頂きましてありがとうございます。

実は 私 元看護師です。外科病棟に勤務しておりましたので 当然癌患者さんもたくさん いらっしゃいました。

今、自分がそうなって思うことは 医療者側と患者側では こんなにも重要なものや感覚のずれが思いの外大きかったと言うことです。  

そう考えると、自分は患者さんの気持ちにきちんと寄り添った看護をしてたのか?  同じ気持ちにはなりきれなくても より近くにいようとする努力をしていたか?と やりきれない思いになります。

患者になった今、 自分の身に起きたことや知っていてほしいことを伝える場がほしいな。と思いました。

もちろん これから手術や治療を受ける方々にやたらに不安を与える様なことがあってはならないと思いますが、「医療の現状」と「患者の現状」には 少なからずずれがあるなと感じ、自分の過去の反省も踏まえの投稿させていただいた次第です。
皆様の貴重なご意見 ありがとうございました。
Re:乳がん治療の選択と その機会
三輪 教子(兵庫県) 2013/12/04
ねむねむさん、

貴重なコメント、有難うございました。私も、自分が病気になって、患者の立場の弱さ、医療者側からと患者側からの意識のずれのようなものを痛感しました。

おっしゃるように、患者として体験されたこと、知っておいてほしい事を伝える場があるといいですね。

とても共感しました。

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