掲示板「チームオンコロジー」

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治療とその選択
乳がん術後再発予防の抗がん剤治療の回数について
にゃお(東京都) 2013/12/04
 今年5月に乳がんの左乳房温存手術を受けた間もなく50歳になるものです。放射線治療25回受けた後現在術後再発予防の抗がん剤TC療法を6回の予定で受けており、4回目の投与を終え、一週間後5回目投与の予定です。この予定投与回数について疑問があり、投稿させていただきました。NCCNガイドラインではTC療法は4回とあり、乳がん患者さんのブログで同じTC療法を受けている方、すでに受けた方も皆さん4回です。私の主治医に、私は悪性度が高いから6回なのか?と伺いましたら、そうではなくて、4回では大丈夫かなと思う、と言われましたし、この病院の抗がん剤の薬剤師さんもTC療法の患者さんは皆さん6回ですとおっしゃっていました。つまり私の主治医のさじ加減なのかなという印象です。抗がん剤治療も行っている個人の乳腺外科でセカンドオピニオンを受けてみましたが、やはりその先生も私が主治医なら4回で終わりますと言われました。もちろん正式な病理の結果やオンコタイプDXの検査結果もすべて見ていただいた上でのお答えです。このような投与回数の違いはままあることなのでしょうか?抗がん剤治療を受ける時もとても悩みオンコタイプDXを受けたりして、色々調べ、勉強もしました。治療そのものもけっして楽ではなく・・・4回と6回の違いのエビデンスもないのに標準治療より2回も多く体に投与されるのはなんとも納得がいかないと思ってしまいます。5回目投与まで一週間、やめるなら後々何があっても4回でやめたことを後悔しない覚悟を持たなければならないと思いながら、抗がん剤治療に携わる方や治療経験者の方などのご意見伺いたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。以下に病理の結果を明記いたします。


Left breast,partial resection,Invasive ductal carcinoma,solid-tubular carcinoma>scirrhous carcinoma
g(+),f(-),s(-),ly(+),v(-),EIC(-)
割面最大径約18x13mm大、浸潤性に増殖する充実性腺管癌の成分が主体である。部分的には浸潤性に増殖する硬癌の成分も認められる。
Nucleargrade3(score5=2+3)
腫瘍細胞は乳腺組織内に留まっている。
D2-40の免疫染色にて軽度のリンパ管侵襲像が認められる。
明らかな静脈侵襲像は認められない。
断端陰性。
ER(+90%),PgR(+70%)
ki-67は40%、HER2は陰性
背景乳腺には乳腺症変化が見られる。

オンコタイプDX結果
再発スコア  38
ERスコア  10.1  positive
PRスコア  7.0   positive
HER2スコア 9.9  negative

よろしくお願いいたします。

   
Re:乳がん術後再発予防の抗がん剤治療の回数について
JME2011/2006(東京都) 2013/12/09
にゃお様



2011年、2006年にJMEに参加したチューターから連名でお返事させていただきます。



抗がん剤治療はにゃお様が感じられておられるように、効果と副作用のバランスの上に成り立っておりますので、御自身が納得の行く形で治療法を選択される事が最も大事だと思います。



副作用について4コースでも楽ではなかったとおっしゃっておられますので、後2コース行う事は勇気がいる事だと思います。既に主治医と薬剤師さんにお話をされているという事なので、副作用の事もお話しになっている事と思われますが、その思いを伝え、そのうえで後2コースを追加する意味や意義について主治医がどのように考えているかをお聞きになってはどうでしょうか。



既にお調べのように、TC療法は4コースが現在の標準治療であります。これは、US Oncology Researc Trial 9735という臨床試験で、AC療法(ドキソルビシン+シクロフォスファミド)x4コースとTC療法x4コースを比較してTC療法が無再発生存と全生存で優れていた事に由来します。ただし、再発リスクの高い患者さんには、このAC療法(もしくはこれに準じた他のレジメン[FAC, FEC, EC療法など])4コースにタキサン系薬剤(パクリタキセルやドセタキセル)を逐次投与する事が標準とされております。海外では、逐次投与でなく併用する事もあり、これをTAC療法と呼びます。現在、このTAC療法x6コースとTCx6コースを比較する臨床試験が行われており、結果が待たれているところです。おそらく、このような事を背景に主治医はTCx6コースを考えているのだと思いますが、にゃお様がおっしゃるように、TCx4とTCx6を直接比較している訳ではありませんし、TCx6コース自体、まだ結果の出ていない検討段階の治療法でありますので、効果については推測するしかありません。にゃお様がこれまで受けた中での副作用の程度と、主治医の考えるTCx6の効果の意義とのバランスを、おかかりの医療チームと相談してみてはいかがでしょうか?



にゃお様が満足のいく治療方針を決定できるようご祈念致します。
Re:乳がん術後再発予防の抗がん剤治療の回数について
にゃお(東京都) 2013/12/12
投稿させていただいたにゃおです。お忙しいところ丁寧でわかりやすいご返答をいただきまして本当にありがとうございました。
最初の投稿で書き忘れましたがセンチネルは陰性で郭清はしませんでした。セカンドの先生はリンパ節転移なし、her2陰性、ホルモン陽性などからtc4回で決して弱くないと考え、主治医はtc4回では弱い、しかも初回標準投与で白血球が800まで落ちたためか以後8割、9割、9割で投与しているのでなお弱いとお考えでした。どちらを向いてもはっきりわからないのが現実なのですね。ご返答いただいたこともしっかり頭に入れてあとは自分の身体の声を聞いて決めたいと思います。とても迷いましたが投稿させていただいて良かったと思っています。本当にありがとうございました。

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