掲示板「チームオンコロジー」

Bulletin board

治療とその選択
ホルモン治療の実施判断
SS(愛知県) 2014/01/18
こんにちは。SSと言います。始めて相談させていただきます。 術後のホルモン治療についての相談です。
・年齢 46歳(閉経前)
・2013年12月18日
右乳房皮下全乳腺全摘手術
同時再建(エキスパンダー挿入)
・病理検査結果
腫瘍の大きさ 0.4×0.4(浸潤部)
組織型 浸潤性乳管癌
組織学的悪性度 グレード1
エストロゲンレセプター 陽性
プロゲステロンレセプター 陽性
HER2 1 陰性
kI67 20%以下
リンパ節転移無し

上記の結果を踏まえて主治医からは、非常におとなしい癌なので無治療でも良いと言われました。

10年生存率(無再発率??だったかも)
で無治療→95%
ホルモン療法→97%
と言われました。また、もしホルモン療法を選択する場合でもノルバディックのみで充分と説明を受けました。

いろいろ調べてみたのですが、標準治療は、ホルモン治療のノルバディックとゾラデックスの併用治療と書かれている内容が多い様に思います。
副作用と治療効果の天秤になると思いますが正直、悩みます。
私としてはとにかく、再発リスクを少しでも減らしたい気持ちが強いです。 治療についてアドバイスをお願いします。

もし可能であれば一般的な数字で結構ですので①無治療 ②ノルバディックのみ ③ノルバディックとゾラデックス 併用のそれぞれの10年再発率を教えていただけないでしょうか?
Adjuvant onlineで調べようとしましたが、どうしてもソフトのダウンロードがうまくできませんでした。
上記の病理検査結果だけでは不足でしょうか。
主治医からは上記が書かれた紙を頂いただけですので現在わかる情報は上記のみです。

主治医とは良好な関係で信頼もしていますが、説明に対してはあまり苦手のようでこちらから勉強して質問しないと詳細まで説明してもらえない感じです。

長々と申し訳ありません。よろしくお願いします。

   
Re:ホルモン治療の実施判断
Hiro(茨城県) 2014/01/29
SS様

手術を無事に終えられて何よりです。
今後の全身治療についてのご質問ですが、治療方針の選択にお役に立てるように考えてみたいと思います。

治療を選択する場合には,治療のメリットとデメリットを考慮するということはSS様の考えられているように重要です。

再発率に関してですが、“一般的な再発率”というものは一人一人の方の治療方針を考えるにあたり、必ずしも有用ではないように私は考えています。一番の理由は、何をもって一般的とするのかが不明だからです。
よく使われる○年再発率というのは、同じような条件の方がたくさんいらっしゃった場合の結果であって,実際にお一人の方の再発率を占っているわけではありません。さらに、しこりの大きさやがん細胞の性質、リンパの状況や年齢など全く同じ状況の方はほとんどなく、ある程度おおざっぱな予想にしかすぎないと考えています。

ゾラデックス治療を追加することによる再発率の改善について質問されていらっしゃいますが、これも難しい質問です。ゾラデックスは閉経前の方に使用することが可能ですが、より若い方(20-30歳代など)でその治療効果は高いとされております。また過去の臨床試験では、Ki67などとの関連が評価されていなかったり、より腫瘍径が大きい病変での治療効果を評価したデータしかありませんので、SSさんの治療効果がどの程度改善するのかについての確実なデータというのはないようにおもいます。

再発率という言葉は、こうした背景により,注意深く使用する必要があり、パーセントのみが過度に重要視されないように医療者は注意してお話をしています。

アジュバントオンラインも絶対的なものではありませんので,医療者ごとにその価値をどうとらえるかもさまざまです。もしアジュバントオンラインでの評価をお知りになりたいということであれば、主治医の先生に、先生がアジュバントオンラインをどう評価するかも含めて確認されてみてもよろしいのではないでしょうか。

ご参考になればと思います。

記事内容を変更することはできません。記述を修正したい場合はコメント欄を使って補足・訂正を行ってください。