掲示板「チームオンコロジー」

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治療とその選択
CYP2D6低活性におけるタモキシフェンの増量
ひばり (埼玉県) 2014/07/06
お世話様です。
当方、閉経前 43歳乳がん患者です。

下記のタイプの乳がんにより、ゾラデックス+ノルバデックス20mg/日の治療を先月から開始しました。

乳頭腺管がん
リンパ節微小転移あり(センチネル1/12)←リンパ節覚醒なし
ER 100%、PgR 80%
HER2 0
浸潤径 1.2×0.6cm
脈管侵襲 2+
グレード 1



投薬後、1ヶ月が経ちましたが、副作用は特に見られず心配になり、CYP2D6の遺伝子多型の検査を受けました。
結果、CYP2D6*1*10でした。
タモキシフェンを増量すべきでしょうか?

*1*10タイプですとタモキシフェンを30mg/日や40mg/日に増量することで、*1*1と同等の血中エンドキシフェン濃度を維持できるとの文献も見られます。

色々調べてみましたが、*1*10タイプに関し、増量せずとも十分奏功するのではないかという見解がある一方、*1*1と*1*10の10年無再発率を比べたとき、*1*1の方が有意差をもって10年無再発率が高かった(10%程高い)という文献も見られました。


*1*10タイプに関して、タモキシフェン服用量増量についての御意見をお聞かせください。(このまま20mg/日でもよいのか、30mg/日や40mg/日に増量すべきか)

また増量する場合の服用方法は、朝夕(20mg+10mgまたは20mg+20mg)に分けて飲むという理解で宜しいでしょうか?


   
Re:CYP2D6低活性におけるタモキシフェンの増量
YF(群馬県) 2014/07/09
ひばりさん、こんにちは。

ご自分の治療に関して、しっかり調べ、かつ実行に移していて、とても前向きに治療に取り組まれてらっしゃると思います。

ひばりさんの状況であれば、そもそもベースラインリスクはそれほど高くないと考えられます(Adjuvant Online!だと、10年再発率が無治療で18%、タモキシフェンを使用すれば11%)。そのため、仮に増量が有効であったとしても、絶対リスク減少はわずかと考えられます。一方で、あくまで一般論ですが、増量することで副作用が増強する可能性も気になります。タモキシフェンの増量をするよりは、治療継続が可能な量でこつこつと続けて行かれてはいかがでしょうか。

ひばりさんがお調べになられたように、CYP2D6の遺伝子多型と効果の関係について、明確な結論は出ていません。ただ、僅かであっても少しでも可能性の高い治療をしたいと望まれるのであれば、増量を試してみて、副作用が問題にならなければ継続する、というような方法を主治医と相談されても良いと思います。仮に増量する場合、一般的なタモキシフェンの説明書(添付文書)によると1日1回でも2回でも良いのですが、通常、ひばりさんのご理解のように飲むことが多いと思います(臨床試験で、そのように増量されているものがあります)。
Re:CYP2D6低活性におけるタモキシフェンの増量
ひばり (埼玉県) 2014/07/11
お忙しいところ、ご回答頂きまして誠にありがとうございました。
大変参考になります。

微小ながらリンパ節転移もあり、再発リスクは低くないと思っておりました。10年再発率が11%なんですね。
自分の再発リスクを考慮し、増量の有無を主治医に相談したいと思います。

タモキシフェンを投与して、まだ1ヶ月半ですので、今後長いスパンで着実に投与出来る量を服用して行った方が良さそう気がしてきております。

貴重なご意見を頂きまして、ありがとうございました。

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