掲示板「チームオンコロジー」

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治療とその選択
乳がん治療方針の決定について
wawawa!!(東京都) 2014/07/31
はじめまして
6月中旬に左胸乳がんの全摘手術を受けました。
37歳、閉経前です。

病理結果が出て、シコリは硬癌0.7cmが2つ、その周りに充実腺管がんが点在していました。センチネルリンパ節生検で、リンパ節への転移はありませんでした。

硬癌のうち1つは、細胞診ではわからなかったため、部分麻酔で腫瘍を取り、検査しました。
その後、セカンドオピニオンの病院に転院を決め、追加手術に向けて詳しく検査したところ、もう1つシコリがあることや、点在した癌があることが判明し、全摘となりました。
そのため、病理結果が2枚あります。

共に、
ホルモン陽性:ER+(PS5,IS3),PgR+(PS5,IS3)
HER2:0
グレード1:NA2,MC1
でした。

ただ、1つ目の病理結果にはLy++とありましたが、全摘手術後の病理結果には、Lyは見られずとのこと。1つ目以外には無かったとのコトでした。

また、全摘手術の際には、Ki67は調べていないとのことでしたが、セカンドオピニオンの資料には、MIB=中間という表記がありました。

術後の組織診報告書です(スペルの間違えがあるかもしれません。お許しください。)

所見
主病変
他院切開生検後 乳切
左外側上下
Bt+SN(左腋窩リンパ節3個と左第一肋骨リンパ節1個)→凍結切片 LN Ca(-)→腋窩覚醒省略
Scirrhous carcinoma>Solid tubula rcarcinoma
他院切開生検のレビューでScirrihous carcinoma.切開生検による瘢痕組織周囲には浸潤巣なし。#2に主病変と乳管内癌巣で連続する浸潤巣あり。この浸潤巣は、Solid-tubular carcinoma >Scirrhous carcinoma.乳管内癌巣の組織亜型は充実型で、左外側領域に広範に認められる。
手術標本の癌は、乳腺組織内にとどまっているが、借用の生検標本なリンパ管侵襲あり。

私としては、Ly++であるこあとが1件目の病理結果で分かっていたため、抗がん剤治療を覚悟していたのですが、ホルモン治療のみを進められました。Ly++と37歳という微妙な年齢、Mib中間あたりが気になるのですが、主治医はホルモン治療で十分でしょう…との見解でした。

ホルモン治療で大丈夫なんでしょうか。

また、CYP2D6遺伝子検査というものは、どういう物なのでしょうか?(これは自分で調べた物です、主治医には未確認です。)

あと1週間で治療を始めるため、迷いなく進めたいのですが、まだ混乱しています。
助言頂ければと思います。宜しくお願い致します。

   
Re:乳がん治療方針の決定について
YF(群馬県) 2014/08/04
wawawa!!さん、こんにちは。病院で薬剤師をしているYFです。
手術を終えたのもつかの間、続いて新しい治療が始まるということで、気になること・よく分からないことがたくさんあると思います。完全には難しくても、できるだけ1つ1つ、納得していただけたらと思います。

さて、遺伝子検査の部分についてですが、返信させていただきます。
CYP2D6というのは肝臓にあるタンパク質(代謝酵素と呼ばれます)で、薬を分解(代謝)します。ホルモン治療に使う薬のうち、タモキシフェン(商品名:ノルバデックス、など)という薬は、このCYP2D6というタンパク質で代謝されることで、薬としての効き目の強い物質(エンドキシフェン)に変わります。ここで、CYP2D6は遺伝子のタイプによってよく働くタイプと働きが弱いタイプのあることがわかっています。このため、エンドキシフェンの作りやすさも遺伝子のタイプによって個人差があり、効き方に違いがあるのではないか?と考えられています。このため、CYP2D6の遺伝子を調べることで、タモキシフェンが効きやすいかどうかを予測できるのではないか?という考え方があるのですが、現在のところ、CYP2D6の遺伝子のタイプと、タモキシフェンの効果との関係はよく分かっていません。CYP2D6の遺伝子のタイプを調べてくれる会社があることは事実ですが、タイプが分かっても「ではどうしたら良いか」ということは、残念ながらよく分かっていません。

以上のように、CYP2D6遺伝子検査の有用性について、現時点では不明ですが、気になるのであれば主治医と相談してみると良いと思います。
Re:乳がん治療方針の決定について
S(東京都) 2014/08/04
wawawa!!さん

こんにちは。
治療方法の選択は、病理結果だけではなく患者さんの全身状態や価値観なども加味して行います。
病理結果を拝見すると、ホルモン受容体強陽性HER2陰性でグレードが低く、浸潤径は7mm大、リンパ節転移なしのがんと読み取れます。通常このようなタイプには抗がん剤の効果は少なく(全くないわけではない)、ホルモン療法のメリットが大きいことが多いです。そのため、多くの医師はホルモン療法を選択すると思います。これらの情報に加えてKi67(Mib-1 indexと書いてあることもあります)の値を参考にすることもありますが、「中間」という表記では具体的にどの程度かわからず判断の材料にするのは難しいと思います。また、Ly(リンパ管浸潤)の有無や程度が治療効果にどの程度影響を与えるかはわかっておらず、治療方法の選択の参考にすることは少ないです。
どのような治療を選択するにしても、絶対にこれが正しいと言う正解はありません。wawawa!!さんご自身がきちんと納得して治療を受けることが最も重要だと思います。納得出来るまで、主治医の先生としっかりお話しされることをお勧めいたします。
Re:乳がん治療方針の決定について
wawawa!!(東京都) 2014/08/05
YF様

遺伝子検査の件、詳しく教えて頂きありがとうございました。
ホルモン治療のみになることで、万が一効きにくい場合はどうなるんだろう…という不安があります。もう一度、主治医の先生とお話してみます。

また、不安な気持ちにもご配慮頂き、ホッとして泣けてきました。この病気を通して、改めて本当に医療従事者の方々には頭が下がります。頑張ってください!
ありがとうございました。

S様

治療方針について教えて頂き、ありがとうございます。
MIBの数値は、私も気になってはいたのですが、全摘の術後では調べていなく、前院で摘出した腫瘍をセカンドオピニオンに出した際に記載されていました。あまり、積極的に調べていないようでした。
MIBについても、もう一度、主治医の先生に聞いてみます。

主治医の先生が、いつもかなり忙しそうで…年配の部長クラスの?お医者様のようで…事前に色々調べて行ったつもりが、いざとなるとなかなか聞ききれず、グレード1、腫瘍サイズ、ホルモン陽性、HER2陰性で、すでに低リスクと確定しているようなお話だったので、Ki67のことや、Lyのことは、帰宅後にモヤモヤしてしまいました。

自身が納得すること…そうですね、そのために必要な情報はあつめて、治療にあたれるようにしたいと思います。主治医の先生は、とても信頼しているので、きちんと話を聞いて決めてきます。

ありがとうございました。

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