掲示板「チームオンコロジー」

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治療とその選択
オンコタイプDXと抗がん剤治療
クロ (埼玉県) 2015/06/10
はじめまして。
家族の転勤でヒューストンに住んでいた事があり、メディカルセンターにあった全米屈指のMDアンダーソンガンセンターに親しみを感じています。

今回、3月中旬に左胸乳がん全摘手術を受けました。

40代前半、閉経前

size:invasion 27mm
組織グレード 2
ステージ2A
浸潤度 f、s
ly:- v:-
Surgical margin:X
リンパ節転移なし (0/4)
ER :100% 陽性
PgR:100% 陽性
Her2:-
Ki67 high(数値では出ていない為30%くらい?)

現在タスオミンのホルモン治療中。
サブタイプはルミナールBとなるため病院側では抗がん剤の追加治療も推奨するとのことです。

が、出来るだけ、抗がん剤は使いたくないと思っています。
ホルモン強陽性なのでリュープリンなどのホルモン治療を強化してみたら抗がん剤ほどの上乗せは無くても効果はあるのでは??とも思います。

そこでオンコタイプDX検査のちに治療方法を決定するかどうかも迷っています。

中間リスクの場合は上乗せ効果がほとんどないとの記事も見たことがあるので、高リスクの結果が出たときには抗がん剤追加もやむを得ないと思っています。。

高額なので気軽に利用できないですが、過度の治療も避けたいと思っているのでアドバイスをいただけたら有難いです。






   
Re:オンコタイプDXと抗がん剤治療
HIRO(茨城県) 2015/06/12
クロ様

乳癌の手術後に抗癌剤を行うべきかどうかの決定は悩ましい場合がありますね。
本掲示板では皆様に対してセカンドオピニオンのような形で個別の治療方法、検査方法についての相談に応じることはできないことをご了承いただけますようお願い申し上げます。

クロ様がお持ちの疑問点はおもに以下の2点ですね。
1. ホルモン治療として卵巣機能抑制剤(リュープリンなど)を追加した場合、再発抑制効果がどの程度であるのか?抗癌剤治療と同等の治療効果が期待できるのではないか?
2. オンコタイプDxを実施することで今までの状況よりももっと詳しく、クロ様にとっての抗癌剤の治療効果がわかるのではないか?

1に関しては、是非主治医の先生ともう一度ご相談してみられるとよいと思います。
2に関してですが、オンコタイプDXは過去の臨床試験データなどに基づいて、ホルモン治療と抗癌剤による再発抑制効果を数値で表示してくれると思います。しかしながら、高額ですね。オンコタイプにより得られる情報をどのように活用するのか、またその情報の価値が金額に見合うかどうかは考え方次第かと存じますが、クロ様は適切にオンコタイプDxについて理解されていらっしゃるように見受けられます。主治医の先生のご意見はいかがだったでしょうか。

クロ様がご自身で納得のいく治療法の選択ができますことをいのっております。
Re:オンコタイプDXと抗がん剤治療
クロ (埼玉県) 2015/06/12
HIRO先生

アドバイスありがとうございます。
迷っている自分の気持ちに背中を押してもらうために、オンコタイプの検査をしてみようかと
思ってきました。

最終的には主治医と相談して自分の納得できる治療法に決めたいと思います。

まだ主治医と相談できるのが先になるのですが、オンコタイプの検査はその診断によって個人に合う抗がん剤など詳しいデータが出るのでしょうか?それとも漠然と抗がん剤をした場合の上乗せ効果がわかるだけなのでしょうか?
Re:オンコタイプDXと抗がん剤治療
向原徹(兵庫県) 2015/06/20
クロさん

こんにちは。横からすみません。腫瘍内科をしているものです。

オンコタイプDXで、個人の患者さんに効きそうな化学療法の種類が分かるか?というご質問ですが、残念ながらそれは分かりません。オンコタイプDXに限らず、個々の患者さんにどのタイプの化学療法藥のが最適か正確に選ぶことは今の医療技術ではできません。そういう時代がくればよいと思いますし、世界中の多くの研究者が、真の個別化医療を目指した研究をしています。
Re:オンコタイプDXと抗がん剤治療
クロ (埼玉県) 2015/07/22
向原先生

アドバイスありがとうございます。
返事が遅くなりました、申し訳ありません。
今回、オンコタイプDXの検査をしてその結果が出ました。

RSスコアは25でした。中リスクのほんとに真ん中!と
いう感じでまたまた悩ましい結果でしたが。。。

私も出来るだけ抗がん剤は避けたいという気持ちと主治医が
この結果を踏まえて、副作用と天秤にかけて抗がん剤はしなくてもいいかな・・・という意見を聞いて抗がん剤はしない方向に向かっています。

それとは別に、ホルモン剤治療だけで果たして大丈夫だろうかと不安もあり、リュープリン注射2年を追加するかどうか迷っています。主治医も40代と言っても前半なのでリュープリン注射は追加しても良いかもしれないという話でした。

リュープリン注射は40歳までの効果は確認されていて、40歳を超えての効果はあまり期待できない、日本では処方されることが多いが、アメリカなどではほとんどない(医療費が高額というのもあるでしょうが)というのも読んだことがあります。

実際のところ40前半だとリュープリンの効果はありますか?
生理が止まれば2年完了を待たずして中止することも可能なのでしょうか??

もしよろしければアドバイスお願いします。


Re:オンコタイプDXと抗がん剤治療
向原徹(兵庫県) 2015/07/24
クロさま

こんばんは。
閉経前の患者さまで、タモキシフェンに加えて、リュープリンなどのLH-RHアナログを使うべきかについては、この掲示板でもたびたび話題にあがります。それだけ、異論がある部分だからです。

40歳で区切ってお話されているのは、過去のたくさんの臨床試験の結果を合わせた解析で、40歳未満(つまり卵巣機能が強く残っているかた)では、LH-RHアナログを用いるほうがよさそうだというデータがあったためだと思います。ただ、その解析には、タモキシフェンを使っていない患者さんも含まれていたため、「タモキシフェンを飲んでいればLH-RHアナログはいらない」とう考え方もあるのです。
最近、SOFT試験という、タモキシフェンとタモキシフェン+卵巣機能抑制(LH-RHアナログが使われることが多い)、タモキシフェン+アロマターゼ阻害薬を比べる臨床試験が行われました。その結果については、この掲示板で「ホルモン治療と皮下注射」というテーマのところに記載していますので、また見ていただければと思います。そこにも書きましたが、この臨床試験でも「絶対打たなくてもよい」「絶対打たなくてはならない」との結論は出せなくて、ケースバイケースで考えていくほかないのが現状です。
途中で閉経すれば中止できるか、ということについては、リュープリンをいったん始めると、閉経したかどうかの判断はできなくなりますので、基本的には期間を決めてその間するほかないように思います。

グレーゾーンのことなので、悩ましいですが、主治医の先生とよく相談されて、決めていかれることをお勧めします。
Re:オンコタイプDXと抗がん剤治療
クロ (埼玉県) 2015/07/26
向原先生

アドバイスありがとうございます。
過去のSOFT試験による「ホルモン治療と皮下注射」のテーマを
読んで参考にしました。

リュープリン追加を迷っているのは、タスオミンを飲んで3か月近くですが、以前と比べて生理がちょっと遅れてきたり、明らかに半減しているのでこのまま飲み続ければタスオミンだけでも生理が止まるのでは??と思っているからです。

客観的にみてオンコタイプのスコアが25で、タモフェキシン単独での10年後再発リスクが16%というのはリュープリン注射を追加と考えるのが一般的でしょうか・・・。

過去の向原先生のアドバイスで再発率15%はそんなに高くないと考えていますが、それは医療側の見方なんですねと書かれていたのを読んで、私も16%と出たのはそんなに高いわけでもないのかと少し安心しました。

もともと抗がん剤をするかどうか迷って、オンコの結果でしないことにしようと考えており、その副作用に比べたらリュープリンの副作用はそこまで強くないとわかっていても出来れば
タスオミンだけでやっていきたいと思ってしまいます。。。

タスオミンの副作用は現在特にないのでその治療は通常5年のところを10年になっても構わないとも思っています。

タスオミンの副作用がないからリュープリンでも副作用は軽いかどうかは関係ないですか?副作用は人それぞれなのでやってみないとわからないでしょうか・・・。

長々と書き連ねて申し訳ありません。
来月、主治医と相談して治療方針を決めたいと思いますが、
アドバイスをいただければありがたいです。



Re:オンコタイプDXと抗がん剤治療
向原徹(兵庫県) 2015/07/28
クロさま

こんばんは。
タモキシフェンの副作用の程度と、リュープリンなどのLH-RHアゴニストの副作用の程度は私の知る限りは関係ないと思います。

タモキシフェンもLH-RHアナログも5年という単位で使うことのあるお薬なので、多くの方で副作用は耐えられる範囲で済むのですが、LH-RHアナログを加えるとして考えるべきことのひとつは、骨密度のことです。閉経すると骨密度が低下するスピードが速まりますが、LH-RHアナログを使うと潜在的にその時期が早く訪れることになります。一般に、タモキシフェンは骨密度低下を防ぐ方向に(少なくとも閉経後では)働くので、相殺されると考えられてはいますが、骨密度を定期的にモニタリングすることが一般的です。

よく相談されて、納得されて進んでいかれることをお祈りします。

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