掲示板「チームオンコロジー」

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治療とその選択
閉経前のフェアストン服用について
まりりん (東京都) 2015/06/18
初めて投稿いたします。

 一月前に左乳房全摘手術を受けました。50歳、閉経前です。
術後の治療として、フェアストンをご提案いただきました。(本来ならタモキシフェンですが、五年前に右乳房の手術後のホルモン治療で服用した際、うつ状態がひどく服用を中止した経緯があります。このため今回はフェアストンということにして下さったようです。)

 自分でいろいろフェアストンについて調べましたが、閉経後のお薬としての重篤な副作用しか記述がなく、閉経前の服用ではどのような副作用があるのか、日常の軽い不具合等含めてもっと具体的に知りたいと思っています。
毎日生活していくうえで、自分の体に起こりうる変化がどのようなことなのか。タモキシフェンの場合は「更年期症状的なこと」ととても解かりやすかったのですが…


 前回の辛い副作用の記憶がまだ残るなか再びのホルモン治療挑戦となりますので、使うお薬のことをよく知り、恐れずに服用していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

   
Re:閉経前のフェアストン服用について
向原徹(兵庫県) 2015/06/20
まりりんさん

こんにちは。腫瘍内科をしているものです。

タモキシフェンとフェアストンは、いずれも選択的エストロゲン受容体モデュレーターというグループに属するお薬です。ところが、どういう訳か、閉経前・後問わず、沢山の臨床試験の結果のあるタモキシフェンに比べて、フェアストンのデータはほとんどが閉経後のものです。実際、当初フェアストンは閉経後乳癌の治療薬として承認され、数年前までは閉経前の方には使えないという状況もありました。現在は、健保組合宛に通知がでていて閉経前でも認められることになっています。

タモキシフェンとフェアストンを比較した臨床試験はいくつかあるのですが、いずれも参加されたほとんどが閉経後の患者さんです。ですので、フェアストンの副作用に閉経前と閉経後で差があるか、ということは分かっていません。ちなみに、タモキシフェンとフェアストンの比較試験では、「タモキシフェンで発熱・悪寒が多かった」という結果のものがあったり、「フェアストンでオリモノが多かった」という結果のものがあったりしますが、概ね似たような副作用の発現割合であったと報告されています。ただし、日常臨床では、タモキシフェンで強い副作用(フラッシングなどが中心ですが)がだめでも、フェアストンに切り替えれば大丈夫、という方も経験するので、今回、まりりんさんがタモキシフェンで経験された同じことを経験されるとは限りません。

長く続く治療なので、最小限の副作用で治療が進んでいくように祈ります。
Re:閉経前のフェアストン服用について
まりりん (東京都) 2015/06/20
向原さま

 フェアストンについて詳しく教えてくださり、ありがとうございました。また、臨床でのご経験のお話はとてもすんなりと腑におちました。副作用のことも含め、タモキシフェンとだいたい同じようなものと考えてよいと理解いたしました。

 今度は前回の服用から五年経過しており、同じ閉経前とはいえ自分の体も変化している(老化に向かって?)と思います。
信頼する主治医から「今回は使ったほうがよいと思う」とのアドバイスを頂いておりますので、不安がらずに治療に取り組もうと思います。
どうもありがとうございました。

 
 
 

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