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治療とその選択
乳がんリンパ節転移 3個以下の放射線について
ゾフ(東京都) 2015/07/17
乳がん2bで2年前に全摘し、抗がん剤後、現在ホルモン療法中です。
リンパ節は2個転移だったため、放射線は適用外でした。

昨年のニュースで、1-3個のの転移でも放射線をした方が、統計分析上は良い結果だったという記事を見ました。

現在の標準はまだ、3個以下は照射不要のままでしょうか。
時間が経っていますが、希望すれば今からでも受けられるなら、主治医に相談してみようと思っております。

第二リンパ節まで摘出しましたが、第二と第三の境界付近に腫瘍があり、本来なら細胞診をしたいが、肺に近いのでリスクがあり、エコーでの経過観察の方が良いと判断されました。
半年間変化がないので大丈夫だろうと言われていますが、先の乳がんはいくつかの良性腫瘍の中の一つがガンだったので、少々不安です。

主治医は色々な事に相談に乗って下さるので、診察の度に色々と質問するのですが、近頃は私の心配性を心配して下さり「考え過ぎんようにねー。先は長いけん、ゆっくり考えようねー」と仰るので、また新たな相談をする前に良く考えてみようと思った次第です。

   
Re:乳がんリンパ節転移 3個以下の放射線について
ノル (兵庫県) 2015/07/22
ゾフ様

こんにちは。放射線腫瘍医をしているものです。

ゾフ様が聞かれたニュースについて説明します。
昨年報告された研究結果ではリンパ節転移個数が1-3個であった乳癌に対する乳房切除術と腋窩リンパ節郭清術後の放射線療法の有効性が示されました。
そのため、2015年度版の日本乳癌学会ガイドラインによるとゾフ様のような場合は現在の標準として「1-3個でも基本的には術後照射を勧める」という治療方針になっています。

また、乳房切除術後の放射線療法の目的は手術部位+鎖骨上窩に残存している微細な悪性細胞を制御する目的にて行われます。化学療法が優先され、放射線治療が延期される場合もありますが、実施が遅いほど根治目的の治療効果が下がるというデータがあり、基本的には手術後早めに行います。

2年の経過では、他の加療などによって手術部位を含め体の中に悪性細胞が残存していないと考えれば、放射線療法を行わなくても無再発の経過が期待できます。

一方、手術部位に悪性細胞が残存していたとしても、2年の時間が経てば、術後照射(一般的な50Gy/25回照射)のみによって制御できない細胞に成長している可能性があると思います。

上記のいずれの場合でも現時点での放射線療法の意義は薄いであろうと考えられ、経験ではせずに経過を見る場合が多いです。

ゾフ様は主治医先生との信頼関係が築かれているようでなによりです。乳房切除術後の放射線療法ははっきりした期限はありませんが、現時点での照射の目的をはっきりされた方がいいですね。今後の治療方針についても引き続き主治医先生と良くご相談し、決めて頂ければと思います。上記の私のコメントがその助けになればうれしいです。
Re:乳がんリンパ節転移 3個以下の放射線について
ゾフ(東京都) 2015/07/26
とても分かりやすくアドバイス頂きありがとうございます。

主治医は基本的には希望を聞いて下さいますが、10年単位でメリット、デメリットを考えた方が良いといつも仰っています。 私の場合、心配しすぎず、体重をコントロールして、良く寝る事!と言われています。

次回は10月に受診で時間があるので、ゆっくり相談することを考えてみます。

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