掲示板「チームオンコロジー」

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治療とその選択
乳ガン ホルモン治療 閉経と生理
マラソンランナー(東京都) 2007/12/02
ガンの専門腫瘍内科の上野先生にお伺いしたいです。
乳腺外科の主治医をもつ私は 腫瘍内科の分野での疑問をどこに持っていってよいかわからずにいました。
セカンドオピニオン的なことは受け付けないとのことでしたが、わらをも掴む気持ちです。
かかっている病院には腫瘍内科の先生はおりません。
チーム医療というのもありません。
乳腺外科のドクター1人です。

8月末に外科手術が終わり、術後病理の結果 治療法が決まり、10月からホルモン治療を始めました。
47歳ですが、マラソンを競技でやっているせいか生理が年に4回くらいしかなく、術前も5月頭にあっただけです。
血液検査でエストラジオー 10以下 pg/ml 、 プロゲステロ 0.03以下 ng/ml と閉経状態との診断で アリミデックスを使うことになりました。
アリミデックス服用2ヶ月で 生理がきてしまいました。
血液検査では 閉経状態というはずだったのですが。

ホルモン療法では 閉経しているかいないかは 薬を決める上で とても重要なことだと思います。

年齢的にも狭間な時は どうなのでしょうか?
閉経前の タモキシフェンを使ったほうがいいのでしょうか?

タモキシフェン2年の後 アリミデックス5年というのが妥当でしょうか?

ホルモン療法中の生理は どうなのでしょう?

ご意見をお聞かせください。


 

   
Re:乳ガン ホルモン治療 閉経と生理
shige(東京都) 2007/12/02
上野先生ではないですが、ホルモン療法を専門としているのでコメントを残します。日本人女性の場合、生理不順のかたでも、50歳までに閉経になっているかたはほとんどいません。卵巣機能はあるのですが、生理をおこすだけの波がつくれていない場合がほとんどです。この場合アリミデックスをつかうとほとんど生理がでてきてしまいます。というより、婦人科では排卵誘発目的で使用する先生もいらっしゃいます。現時点ではタモキシフェンに変更していただくのをお勧めします。2-3年でアリミデックスなどにスイッチする方法がありますが、50歳前後ですので判断が難しいところです。本当に閉経しているかを判断するには、E2(エストラジール)だけではわかりませんのでLHとFSHというのを測定してもらうことが必要です。ただしタモキシフェンを飲んでいるうちは正しい結果がでないので(理由はやや難しいので省きます)、5年タモキシフェンで予定してその後にスイッチがいいかもしれません。できればゾラデックスかリュープリンを一緒につかっていただき、卵巣機能を3年間程度(5年という意見もあります)止めながらタモキシフェンを飲むことができるといいです。自覚される更年期系の副作用が強めになるかもしれませんので、このあたりは主治医先生と相談していってください。
Re:乳ガン ホルモン治療 閉経と生理
上野 直人(海外在住) 2007/12/02
閉経の判断は、Estradiolとprogesteroneレベルで判断することはとても難しいです。shige先生の仰るとおりです。FSH, LHを含めて、またどの時点でFSH、LHをはかることがとても大切です。特にマラソンランナーの場合は生理のパターンがかなり違いますので、産婦人科系の先生に生理状態を専門的に確認していただく必要があります。

さて、治療に関しては、おおむねさじ先生と同感です。主治医の先生に相談した結果をまたおしえください。
卵巣機能があるならば、エビデンスが高い治療は
1.卵巣切除
2.タモキシフェン
3.タモキシフェンとゾラデックス(ループロン)

アロマテース阻害剤の閉経前の使用はまだ、確立していません。諸事情によって行うことがありますが、かなりの医療情報がないと紙面上で判断するとは出来ないです。

大切なことは、色んな意見を直接医療従事者から求めることです。ホルモン療法を早急にはじめるよりも、納得した治療を受けることの方が大切だと思います。
また、腫瘍内科であるいかよりも、あなたの治療の全体像を見渡せることが出来る医師であるかがとても大切ですね。また、本当に癌の専門教育をうけてるかがとても大切です。また、教えてください。
Re:乳ガン ホルモン治療 閉経と生理
マラソンランナー(東京都) 2007/12/02
shige先生、上野先生、ご意見ありがとうございました。
こんなにすぐにコメントをいただけるなんて思っていなかったので、感激いたしました。

先週血液検査をし、明日診察日ですので 主治医の先生とよく相談してまいります。
そしてご報告もさせていただきます。

主治医の先生はアスリートを診るのは初めてということでしたので、
産婦人科系の先生と連携していただけるようにお願いしてみようと思います。

またご相談させてください。
よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。




Re:乳ガン ホルモン治療 閉経と生理
マラソンランナー(東京都) 2007/12/04
主治医の診察を受けてまいりました。

血液検査の結果
エストラジール 24 pg/ml
プロゲステロン 0.13 ng/ml

アリミデックス服用前とは数字がだいぶ変わっていました。

この数字だけみると閉経と考えていいのだけれど 数字が変化したのは アリミデックスの影響が考えられるので タモキシフェンに変えるのがよいでしょう とのことでした。

リュープリンは必要ないでしょう とのことでした。

タモキシフェンを50歳まで その後はアリミデックスでいってみよう とのことでした。

LH FSH は測っていません。そこまで必要じゃない とのことでした。
エストラジールの値が決定打だ とのことでした。

エストラジールの値が閉経を示す値であるから リュープリンは必要ない とのことでしたが どうでしょう?

産婦人科の先生との連携の話は 出せませんでした。

主治医の先生との関係は 良いほうだと思います。







Re:乳ガン ホルモン治療 閉経と生理
上野 直人(海外在住) 2007/12/04
どんどん主治医に質問してください(笑)。
前回も述べましたが、閉経の判断は、Estradiolとprogesteroneレベルで判断することはとても難しいです。基本的には、症状とFSH, LH, estradiol, progestroneなどで総合判断することが大切です。

タモキシフェンですので、閉経前であるが、閉経後、閉経前後であるが換券無くなりますが、主治医にタモキシフェンとその後aromatase inhibitor の選択の導入の根拠になる判断をもっと詳しく聞いても良いのでは無いでしょうか。

また、ループロンを使用しなくても良い根拠も聞き出すべきです。

Re:乳ガン ホルモン治療 閉経と生理
shige(東京都) 2007/12/04
卵巣機能が残っているかを判断するのに、2つしか測定できないのなら、測定すべきはE2とFSHです。progesteroneは排卵した卵胞が黄体形成しないとあがらないので、閉経前でも(卵巣機能があっても)特に生理が不順なかたではあがらないことがあります。このあたりの知識と判断は、乳癌を専門とする内科、外科医にとってもかなり難しい部分なので、婦人科の先生に連携してもらうほうがいいように感じました。今回はとりあえず、薬が変更になっているのですぐには大丈夫ですが、50歳のときにまた同じようなわかりずらい部分で判断が必要になります。
Re:乳ガン ホルモン治療 閉経と生理
マラソンランナー(東京都) 2007/12/04
上野先生 shige先生 ありがとうございました。
早速に 専門的な細かいアドバイスをいただき 感謝しております。

検診での早期発見でローリスクの乳ガンで、手術後のホルモン療法を閉経でヨシと嬉々として受け入れていた矢先の生理でした。
私なりに「ホルモン療法 閉経」で医学書を読みあさりましたが、私のようなタイプの例は全く出ていなく、本当に悩んでおりました。
閉経年齢の狭間、閉経に近い年齢でのマラソンによる生理不順、ガイドラインにはありませんよね。
タモキシフェンに切りかえましたが これから先、3年後になるのか5年後になるのか、また薬を切りかえる時が来ると思います。
その時期をどのようにして決めるのか、その時のデータになるように 今何をすべきなのか、教えてください。

産婦人科の先生との連携は、私が受診していけばいいことでしたら タモキシフェンにしたことですし、信頼できる産婦人科の先生のところに生理の確認、子宮ガン検診をうけていこうと思います。




  
Re:乳ガン ホルモン治療 閉経と生理
shige(東京都) 2007/12/04
掲示板をご覧になる他の患者さんや、先生のために一つ前の測定に関し記載しました。ご本人はすでにタモキシフェンを内服開始されていると思いますので、この時点ではホルモン濃度を測定してもあまり今後の判断の根拠には使えないように思います。お書きのとおり、婦人科先生の関与があれば、また2-3年後の時点で卵巣機能に関し総合的に判断してもらえるのではと思います。

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