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患者と医療者のコミュニケーション
腺様のう胞ガンの治療法について
高橋(千葉県) 2015/10/07
初めて投稿させて頂きます。

現在、右耳下腺に腺様のう胞ガンを患っています。
過去4度にわたり摘出手術を行ったのですが、
いずれも再発、現在は肺にも転移しており、主治医からは
様子を見ましょうと言われています。

ある程度の覚悟はしていますし、
完治できないことも承知の上ですが、
延命治療を望んでいます。

そこで、何か延命にあたっての治療法や、
良いアドバイスがあれば教えていただきたいと思います。

何卒、宜しくお願い致します。

   
Re:腺様のう胞ガンの治療法について
宮本(海外在住) 2015/10/09
高橋様

日本および海外で医師をしている宮本と申します。
過去に4度にわたる摘出手術をされているとのこと、また、肺転移があり経過観察中とのこと、長くご不安な闘病生活と推察致します。

耳下腺の腺様のう胞がんは希少ながんであり、希少がんの治療指針として評価の高いNCCNガイドラインを紐解きますと、肺などの他臓器への転移がある場合は臨床試験への参加を推奨してはいますが、化学療法、無治療経過観察、転移の摘出手術も選択肢となっており、科学的根拠のある確立した治療法がないことが伺えます。

このような現状と、高橋様の詳細な病状を知らない立場から申しますと、まずは高橋様のご不安、ご希望を十分に主治医に伝えていただくことが何よりも重要かと思います。

どのような状況・タイミングでも、主治医と良好なコミュニケーションをとることは、最善の治療への近道だと思います。

肺転移をこのままにしていて良いのか、他に選択肢はないのか、など、ご遠慮なさらずに疑問点や不安な点を紙などにかいてまとめて質問されるのも効果的な方法です。

その上で主治医に、現在行われている臨床試験についての情報を聞いたり、希少がん患者さんが集まりやすいがん専門施設などへのセカンドオピニオンを求めるのはいかがでしょうか。
希少がんという性質上、セカンドオピニオンを求めることは特に嫌がられないと思います。

高橋様が納得された上で最善の治療が受けられること、祈念しております。
Re:腺様のう胞ガンの治療法について
高橋(千葉県) 2015/10/09
宮本様

ご連絡ありがとうございます。

私の症状ですが、肺への転移は複数個所に見られるため手術は出来ないと言われ、
また以前にくも膜下出血も発症しており、そのときの検査で見つかった他の脳動脈瘤に
トータル36グレイのガンマナイフを受けているため、放射線治療も考えていません。
恐らく完治することはないだろうと思い、延命効果のある治療がないか伺った次第です。

実は、昨年主治医が定年退職されまして、後任の医師に診てもらっているのですが、
コミュニケーションがうまく取れておらず、質問をしても軽く流されてしまい、
肺転移発覚後は「もう何をしても変わらないから、好きなことをしていいよ」と
言われる始末です。

現在の医師に対して不信感が強まっていることもあり、セカンドオピニオンを
検討しているのですが、どの病院を選べば良いのかわからないのが正直なところです。
また、現実を受け入れ、緩和ケアなども考えています。

ただ、生きたいという気持ちはありますし、仮に良い治療法がない場合でも、
医師とのやりとりは納得のいく対応を希望していますので、
やはり、セカンドオピニオンを受けてみようと思います。

もし、腺様のう胞ガンに対する治療例が多い病院など、セカンドオピニオンを
受け入れてくれる施設をご存知でしたら、教えて頂けると幸いです。

SNSのような場所への投稿は半信半疑だったのですが、宮本様のように
気にかけてくれる方がいてくれただけでもガン患者には嬉しいものですね。
希望は捨てず、前向きな検討をしていきたいと思います。

高橋
Re:腺様のう胞ガンの治療法について
宮本(海外在住) 2015/10/10
高橋様

千葉県在住でしたら、がん研有明病院頭頚科、国立がん研究センター東病院頭頚部内科・外科、国立がん研究センター中央病院頭頸部腫瘍科、亀田総合病院腫瘍内科などが候補に挙がると思います。
大変申し訳ありませんが、各施設で具体的にどのくらいの経験があるのかはわかりませんでした。

頭頸部腫瘍は日本では主に耳鼻咽喉科の領域ですが、化学療法などの全身療法を検討する場合は、欧米では腫瘍内科が中心です。

上記に挙げた病院は腫瘍内科と耳鼻科がありますので、治療の選択肢がより多いと思われます。

専門家によって意見の分かれる状況なのかもしれませんので、可能であれば、複数の施設を受診されるのはいかがでしょうか。

信頼のおける医師と巡り会うのは患者さんにとっては最重要事項の一つですが、コミュニケーション技術に焦点をおいた医学教育がまだまだ不足しており、大変心苦しく思います。

高橋様がこころから納得できる医療を受けられること、祈念しております。

お困りのことがありましたら、いつでもご相談ください。
Re:腺様のう胞ガンの治療法について
高橋(千葉県) 2015/10/10
宮本様

ご連絡ありがとうございます。

私が患っている腺様のう胞ガンは希少ガンのため治験が少ないようで、
専門医や情報も少ないので、治療をどのように進めていけば良いのか
判断するのが難しいようです。

セカンドオピニオンを受けるのは、一つの病院でなければいけないと
思っていたのですが、複数の病院の先生に意見を聞いても構わないのですね。

仰るように、専門医によって意見も分かれると思いますので、
複数の先生に治療法を伺い、納得のいく治療を進めていきたいと思います。

大変参考になる、ご回答をありがとうございました。

高橋

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