掲示板「チームオンコロジー」

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治療とその選択
「肉芽腫性乳腺炎」など乳腺の良性疾患について。
ちえ(東京都) 2015/11/18
こんにちは。私は東京在住で胃がん・乳がんの体験者です。地方に住む従妹(45歳)が乳がんの疑いとのことで相談を受けました。

生検の結果、悪性ではなく「肉芽腫性乳腺炎」などかもしれないと診断され、1か月後にマンモによる再検査を受けるとのことです。

たとえ良性疾患であっても手術が必要な厄介なタイプもあり、中には悪性に転ずるものもあると聞きますので、再検査はマンモだけで良いのかどうか、ご意見をお聞かせ願えないでしょうか。

以下に経緯をお知らせいたします。

●11月3日(火)
左胸に痛みとパンパンの張りを感じ、触ってみるとゴルフボール以上テニスボール以下(4~7㎝ぐらい?)の大きなシコリ。

●11月4日(木)
地元の総合病院の外科を受診し、「触診、マンモ、エコー、太い針を刺して細胞を取り出した」とのこと。担当の先生からは「かなりガンの可能性高いね。かなり密度高い。これだけあるから全部、取らないとダメだと思う」と言われ、非常に大きなショックを受けたそうです。

病院のサイトで確認したところ、担当の先生は消化器専門医で、その病院には乳腺外来がなく乳腺専門医もいません(従妹の住んでいる県内では「日本乳癌学会」専門医は9名の先生方のみです)。

●11月10日(火)
「組織診 検査結果報告書」
病理医の所見は以下の通りでした。

―――――――――――――――――――――――――――――
左乳腺(ACE領域)生検

乳腺導管組織の周囲に軽度のリンパ球、好中球浸潤、軽度の浮腫をみる。
導管上皮には反応性と考えられる腫大をみるが、上皮の増生は目立たず、2相性もよく保たれている。
明らかな異型病変、悪性像は認めない。1ヶ所、肉芽腫様の組織球の集簇、軽度の好中球、リンパ球浸潤を伴う箇所をみる。肉芽腫性乳腺炎を考える組織像であるが、異物巨細胞は認めない。
明らかな悪性像はなく、肉芽腫性乳腺炎などの炎症性病変を疑う組織像です。
外傷や妊娠の既往はないでしょうか。
―――――――――――――――――――――――――――――

従妹には4歳になる男児がおり、妊娠前に子宮筋腫の手術経験があります。現在、妊娠の可能性はないとのことです。

担当の先生からは肉芽腫性乳腺炎などに関する説明は一切なく、1か月後にマンモによる再検査を予約しただけだそうです。

高密度乳腺の場合、マンモだと真っ白に写ってしまうことが多く、診断が下しにくいと見聞きしたことがあるのですが、マンモだけで良いのでしょうか?

従妹には乳腺専門医のいる病院でセカンドオピニオンを求めるよう勧めており、私の“乳がん友”にも聞いてみたところ、「万一のことも考えて、先にPET検査を受けて全身状態を把握しては?」と提案してくれました。

以上、長々と申し訳ありませんが、アドバイスをいただけないでしょうか。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

   
Re:「肉芽腫性乳腺炎」など乳腺の良性疾患について。
Y.Kojima(神奈川県) 2015/11/21
ちえ様

悪性所見が認められなかったとのことですので、ご家族としても一安心ですね。肉芽種生乳腺炎であれば、治療により症状が改善することもあり、ちえ様がお考えのとおり、乳腺専門医のセカンドオピニオンを受けるのも良いでしょう。また、乳腺疾患のみ診療している専門医と違い、より幅広い疾患を診療されている医師であれば、診察する機会もそれほど多いものではございません。厄介な経験をすることもあり、主治医の先生が対応に対応に困っていらっしゃるかもしれません。症状がひどくなったり、なかなか良くならない時のことも考えて、一度乳腺専門医を紹介していただき、診察を受けてみては如何でしょうか。
また、PETですが、「炎症」を起こしている部位もPETは指摘してしまいますし、この場合受ける検査としては適さないと考えられます。
このまま不安を抱えられて過ごされるよりは、乳腺専門医の診察を受け、検査や治療方針、あるいは経過観察に関して適切な判断をして頂くことをお勧めいたします。それにより、現在担当して頂いている医師と乳腺専門医との連携も取れれば、乳腺専門医が少ない土地にお住まいであったとしても、安心して過ごせるようになるかもしれません。
良い方向に向かうことを祈念しております。
Re:「肉芽腫性乳腺炎」など乳腺の良性疾患について。
ちえ(東京都) 2015/12/03
Y.Kojimaさま

お礼が遅くなって申し訳ありません。アドバイスをありがとうございました。
肉芽腫性乳腺炎の場合はステロイド投与で改善した人も多いようですが、ステロイドでは効果がなかった人もいるとか。膠原病などの自己免疫疾患が原因というケースもあるそうで、乳がんとはまた別に難しい病気なのだなと認識を新たにしております。

従妹は結局、現在の担当医の再検査を受けてから、後日、乳腺専門医の診察を受けることに決めたそうです。私としては、なぜムダな検査と費用を!?と思うのですが、従妹は医療従事者で(医師や看護師でも事務方でもありませんが)、地元の病院やお医者さんに対して遠慮があるようです。
こういう点は選択肢の多い首都圏とは事情が異なりますね…。セカンドを求めるための紹介状も依頼しにくいようです。

また、従妹は「癌かもしれない告知を受けたのが辛すぎて、新たに(診察・検査・診断などを)やり直すのが本当に怖い」とも言っております。担当した先生が病理の結果も待たず、悪性の恐れを安易に口にしたようですが、そのときのショックが非常に大きかったのだろうと思います。

いずれにせよ、本人が納得して選択すべきことですから、私としては少々もどかしい気持ちもあるのですが、気持ちが落ち着いたら専門医の診察も受けるという従妹の意思を尊重するしかありません。

それから、私の“乳がん友”が「PETを受けては?」と言ったのは、「悪性と診断された場合」が前提の話だったそうです。前回の投稿時には私が勘違いして書き添えてしまいました(スミマセン!)

以上、報告とお礼まで。
従妹共々、Kojimaさまの温かいお言葉に感謝申し上げます。

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