掲示板「チームオンコロジー」

Bulletin board

治療とその選択
内服の抗がん剤
ガラス(埼玉県) 2015/11/30
母が再発乳ガンで、ホルモン剤がきかなくなり治療法の選択を迫られてます。手術、別のホルモン剤、内服の抗がん剤です。
母は吐き気の副作用が出やすいです。
内服の抗がん剤は吐き気どめを使っても吐き気の副作用は出ると思ったほうがいいでしょうか?
手術は一年以内と言われました。やはり早い方がいいでしょうか?
治療法の選択について、家族としてどの程度口出ししてもいいのでしょうか?

   
Re:内服の抗がん剤
向原徹(兵庫県) 2015/12/11
ガラスさま

腫瘍内科医をしているものです。
乳癌で使われる内服の抗がん剤というと、主なものはカペシタビン(ゼローダ)とTS-1というものが思い浮かびます。両方のお薬とも、それほど吐き気で苦しまれる方は少ないと思います。ただ、やはり個人差があるところであるのは事実です。
ちなみに、抗がん剤の吐き気の強さは、制吐剤を使わないときに何%の方が嘔吐(からえずきのようなものも含む)するか、というので分類されますが、ヨーロッパの学会が出している分類では、カペシタビンは4段階中吐き気が弱い順に2番目(low risk=制吐剤を使わないときに嘔吐が10-30%)に分類されます。TS-1はその分類にはのっていませんが(日本のお薬なので)、同じようなものだと想像します。

私がカペシタビンのみを処方するときには、あらかじめ制吐剤をお渡することはしないことが多いですが、もちろん個人差がありますので、吐き気が出る場合は、制吐剤を追加します。

手術というのは、状況がわかりませんが、どこの手術のことでしょうか。乳房に再発されて、それをとる手術のことでしょうか?一年以内、という数字も何を意味するかすぐには分かりませんが、早いほうがよいかは、状況によりますので、またお教えいただければと思います。

家族として、というのはとても難しい問題ですね。ご家族と患者さんの関係は、患者さんと我々医療者との関係よりずっと深く長いですから、患者さんとの関わり方については、ご家族の数だけ答えがあると思いますし、われわれから押し付けないように心がけています。
ただ、最終的には、治療を受けられるのは患者さんですので、ご家族としてどういうアドバイスをされたとしても、「患者さんが最終的に選ぶ治療選択肢が一番よい選択肢だし、患者さんが決めた限りは、どの選択肢であってもそれについてのサポートは最大限しますよ」という言葉や態度を示してあげるのが重要かな、と思います。医療者としても同じことを心がけています。

お母様の治療が上手くすすむようにお祈りしています。

記事内容を変更することはできません。記述を修正したい場合はコメント欄を使って補足・訂正を行ってください。