掲示板「チームオンコロジー」

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治療とその選択
原発不明がん
とわ (大阪府) 2016/01/21
夫が去年の12月に原発不明がんと告知されました。

健康診断での腫瘍マーカー(CEA)の上昇から始まり、いろいろ検査を重ねていたのですが、今一つはっきりせずPET-CTで肩、肺、胸のリンパ節に集積が認められ、気管支鏡検査で原発不明がん、リンパ節転移(3箇所)と診断されました。臓器に転移病巣は現在ありません。

治療としては3箇所のリンパ節転移があるので
手術、放射線治療は不適応、抗がん剤治療しかないと言われ
抗がん剤を決めるのにDNAチップをを使い原発を推定の臨床試験に参加「肝細胞がん」推定とされました。
「肝細胞がん推定」には「ネクサバール」を使うとのことで
抗がん剤投与がはじまりましたが、投与3週間を過ぎた辺りで激しい頭痛により休薬(手足症候群や湿疹などの副作用もあり)
頭痛は抗がんの副作用ではなく肩リンパ節の腫れが増大した為で
症状緩和のために放射線治療1か月の予定で入院中です。
モルヒネの投与で痛みは緩和されつつあり、適正量を見極め中です。

現在CEAは54まあで上がっています。
他の腫瘍マーカーの数値はわかりません。
C型、B型肝炎のウィルス検査は-です。

肩の症状が緩和されたとして
ネクサバールを継続するよりも
他の抗がん剤も試してみたいのですが
肝細胞がん推定では他の抗がん剤も効果は期待できないでしょうか?
緩和ケアに重点を置いたほうが主人の為でしょうか。
主人の体力があるうちにもう少でも積極的治療をしてあげたいと願っています。

少しでも主人に良い治療がないかと思いますが
原発不明がんでは情報があまりに少なく呆然としています。
よろしくお願い致します。


   
Re:原発不明がん
近藤 千紘(愛知県) 2016/01/22
とわ様

旦那様の治療に寄り添われ、少しでもよくなって欲しいという、とわ様の思いのあふれたお便りをいただき、何かお役に立てればと思い回答させていただきます。12月に原発不明がんと診断されたとのこと、それまでの検査の間もなかなか情報が得られず、歯がゆい思いをされたことととお察しいたします。

臨床試験に参加され、最新の診断技術を用いてその結果に即した治療法を受けられているようですね。文面からはお薬を使用していたにもかかわらず病状が進んでしまっているようにも聞こえますが、実際に効果をどう判断するかは、画像所見などをもとに主治医の先生が考えておられることと思います。

リンパ節に放射線をあてているとのことですので、進行をカバーし痛みを緩和するための治療を続けられている状況でしょうか。手術が不適応なご病状では、病気と共存していくための抗がん剤治療が勧められるかと思われます。しかし今までのネクサバールでご経験になったかとは思いますが、抗がん剤にはそれぞれ程度の差はありますが、副作用があります。

旦那様の痛みがモルヒネにより緩和され、日常生活が自立できるくらいのお元気さがある状態であれば、主治医の先生に次の治療のことをご相談になることをお勧めします。臨床試験という、一般の病院ではなかなか参加のできない治療の機会をとわ様の旦那様に紹介してくださった主治医の先生ですから、きっと次の手を考えていてくださるように思います。一方で、常にベッドで横になっていないと体が辛いほど、体力がない状態では、辛さをとる治療に専念したほうがよいという状況もありえるかと感じました。

原発不明がんはすべての人に正解といえるほどの決まった治療がない領域で、情報は少なくご不安も募ることと思います。一般的には、病気の分布や顕微鏡でみた組織型、お元気さを加味して、患者さんと主治医がよく話し合いながら治療を決めていくことが求められるといわれています。とわ様の旦那様の診断に関しては十分信頼できそうですが、もし詳細な情報がお役にたつのであれば、インターネットで公開されている患者さん向けの動画ですが、ご参考にしていただければと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=HUQnlpfII1I

また診察をさせていただいているわけではない状況で、申し上げられることは多くはありませんが、診断の時、治療開始の時、治療変更の時、、、とお体の状態もお気持ちも少しずつ変化します。病気や体の専門的な部分は主治医や看護師、薬剤師の意見を大事にしつつ、旦那様のお気持ちのよき理解者としてとわ様が間に入り、よりよい治療法を選択できることをお祈りいたします。
Re:原発不明がん
とわ (大阪府) 2016/01/23
>近藤様

誠に丁寧なお返事ありがとうございます。

確定診断がなかなかつかなく
治療への遅れの焦りもあり、早く、早く、と思ってしまうわたしです。
昨日、主治医の先生ともよくお話しをして
今の治療の目標は痛みの緩和とリンパ節腫大の縮小
そして、痛みをコントロールして病院から動けるようにすることとしました。
抗がん剤はそのあと考えましょうということで
わたしも納得できるお話しができました。

とにかく今は全身状態を良いものにしていきたいと思います。

ありがとうございました。

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