掲示板「チームオンコロジー」

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治療とその選択
若年性乳がんのLH-RHアゴニスト使用期間
わさび(香川県) 2016/01/21
こんにちは。
現在35歳(乳がん発覚時32歳)で、全摘手術、抗がん剤(EC)ハーセプチンを終えたのち、生理が再開したのでタモキシフェンと、ゾラデックスの治療を続けています。

腫瘍径13×10mm
リンパ節転移なし
Grade 1
ER(+) 90%
PgR(+) 95%
HER2 score : 3+
ki67 8%

ゾラデックスはもうすぐ2年になり終わる予定だったのですが、主治医は、若年性なので、まだ続けた方がいいのでは(5年、ないしそれでも閉経に至らなければその後も続けたほうがいいのでは)と考えが変わったようです。
ゾラデックスを延長することで何%再発率が下がる、という具体的な話は聞けませんでした。

私としては、ゾラデックスの副作用は地味にきつく、この年齢から閉経させることでの体への弊害はどうなのか、心配もあります。
また、タモキシフェンを5年で終えたら、可能性があれば挙児も希望しているので、どうするべきか悩んでいます。

◎ゾラデックスを2年でやめるのと、その後も続けた場合(5年、閉経す
るまで、など)の再発リスクはどの程度差があるのでしょうか?

◎ゾラデックスの期間を2年から5年に延ばした場合、生理が再開しずらくなったり、妊娠率への影響は大きくなるのでしょうか?

アドバイス宜しくお願い致します。

   
Re:若年性乳がんのLH-RHアゴニスト使用期間
陶山久司(鳥取県) 2016/01/24
わさび様

ようやく2年のゾラデックスが終わりそうな時に延長の相談があり、驚かれたこととお察しします。現在向き合っておられるホルモン療法は期間が長く、副作用も感じておられ、お気持ちを維持することが大変だと思います。ご参考になればと思い回答させていただきます。

今回ご経験されたように、手術の後のホルモン療法では治療中に新しい情報が報告されることがあります。今回ご質問のゾラデックスを2年併用する場合と5年併用する場合での再発リスクについて明確な数値をお答えすることは難しいです。少し前に、タモキシフェン単独と比べ、ゾラデックスなどの卵巣機能をおさえる注射薬を併用して5年間治療した場合に、併用したほうがより良好な治療成績を得ることができると報告されました。今回頂いたご相談は、わさび様により良い治療を提供したいという主治医の先生のお気持ちが伝わる内容だと思います。その報告では、診断された年齢が35歳未満の方、手術の後に抗がん剤が必要であった方、抗がん剤治療後にも月経が続いている方では良好な成績だったようです。主治医の先生がご意見を変えられたのは、このような報告があったからではないかと思います。

掲示板でご質問いただいた通り、妊娠のご希望があるとホルモン療法の期間は一層悩ましい問題になります。妊娠を希望される場合は治療を終えられるときの年齢も大切なお話ですよね。場合によってはホルモン療法を一定期間のみ中断する、という方法を検討される患者さんもおられるようです。ぜひ妊娠のご希望を担当の先生にお伝えになったうえで、ゾラデックス・タモキシフェンの投与スケジュールをもう一度ご相談いただくことが大切かと感じました。大切な選択ですので、相談の場には可能であればご家族も同席され一緒に話し合われる方が良いかと思います。

妊娠のご希望に関して、ご参考になればと思い以下のサイトをご紹介します。
日本がん生殖医療研究会のホームページ(http://j-sfp.org/about/index.html)
聖マリアンナ医科大学生殖医療センターのホームページ(http://www.marianna-u.ac.jp/hospital/reproduction/)

わさび様のより良い治療選択に役立ちましたら幸いです。
Re:若年性乳がんのLH-RHアゴニスト使用期間
わさび(香川県) 2016/01/27
お返事ありがとうございます。
1人で悶々と悩んでいたので、暖かいお言葉と的確なご回答で、少し気持ちが楽になりました。
やはり、ゾラデックス2年と5年の比較、という研究は、今はされていないのですね。
しかし、化学療法をした患者、または35歳未満の場合はタモキシフェン単独より、ゾラデックスを5年併用した方が再発率は下がるのですか、、、。 
タモキシフェンだけで完全にブロックできればいいのですが、タモキシフェンが効かない方も何割かいるという情報もありますし、ここでやめていいのか、悩ましいところです。

ホルモン治療の影響は思っていた以上に大きく、身体的、精神的副作用、妊娠や性生活への影響など、人生を左右するようなことも含まれるので、癌になってしまった以上我慢しなくてはいけないことが沢山あるのだと改めて実感させられています。
命が一番大事なことは分かっているのですが、小さな希望や喜びを天秤にかけた時に、何を選択するかは難しいですね…。

主治医の先生は、命を亡くさないための最善の治療を提案されるだろうと思っていたし、男性なので言いづらいことなどもあり、副作用や妊娠のことなどは、今まで一切伝えずに来ました。(耐えるしかないとないと思っていた)
でも、やはり、きちんと相談することが一番ですよね。

先生にちゃんとお話し、その上で後悔のない選択ができればいいなと思っています。

背中を押して頂き本当にありがとう御座いました。

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