掲示板「チームオンコロジー」

Bulletin board

患者と医療者のコミュニケーション
高齢者の乳がん再々発の治療について
ひーちゃん (東京都) 2016/06/28
84歳の母についての相談です。
よろしくお願いします。

2006年 右乳房粘液性ガンで温存手術
リンパ節転移あり、郭清

ホルモン受容体 陰性
HER2 +2

術後、抗がん剤治療

2012年 腹部大動脈瘤手術

2013年 主治医が変わって同じ右乳房に再発がわかる
PET検査で他所の転移認められず
全摘出手術

事前の説明ではハーセプチンの投与の話もあったのですが、前回抗がん剤治療が詳しい説明もなく(手術後の説明も数ヶ月経ってからしか教えてもらえなかった)かなり辛い思いをしたので、抗がん剤ではありませんが治療しませんでした。

2014年 胆石摘出後、 胆嚢摘出手術

2015年 主治医が変わると再度同じ右乳房上の鎖骨の中側にガンが見 つかる
半年様子を見て、大きくなってきている(約1センチくらいのが2箇所)ので治療するかどうかの選択を考えているところです。

治療方法として
ハーセプチン単独での投与
摘出手術
抗がん剤

高齢なので、抗がん剤、手術はやらないつもりです。
いらいろ調べても、高齢者の治療についてなかなかわからないのが現状のようです。
母は治療しない選択も視野にいれていますが、再発したものがどのくらいのスピードで進行していくのかわからないので、それも恐いようです。
PETの検査で見つからず、全摘出しても隠れていたガン細胞が他にもいるかもしれないと思うと、何もせずにいる不安もあるようです。

ハーセプチンの副作用として、心不全が一番恐いのですが、心臓の検査では大丈夫な数値のようです。
ハーセプチンの投与期間を、3週間毎にこれからずっとと言われているのですが、効果が現れるにはどのくらいの時間がかかるのでしょうか?
投与した後、急に具合が悪くなったりすることも心配なようです。

母は一人暮らしで、私も家から3時間くらいかかり、子供もまだ小学生なので、なかなか思うように動けません。

粘液性のガンは進行は比較的ゆっくりだが、再発している場所が鎖骨の下で静脈に近いこともあるので、血液や骨への転移の可能性もあると言われ、本当に悩んでいます。

長くまとまらない文章になってしまいましたが、高齢者のハーセプチン単独投与の効果と、病歴を踏まえて考えられる副作用
治療しなかった場合の生存率など教えていただけたらと思います。

編集削除|編集キー

Re:高齢者の乳がん再々発の治療について
M(神奈川県) 2016/07/05
 ひーちゃん様、お返事が遅くなってしまい、大変申し訳ありません。病院薬剤師のMと申します。大切なお母さまが受けられる治療の選択についてとても悩まれているお気持ちに少しでもより添えればと思い、J-TOPのメンバーで話し合った結果を記したいと思います。

 まず、ハーセプチンを投与した場合にその効果がいつ現れるのかというご質問ですが、薬が世の中に出てくる前に必ず行われる臨床試験(特に抗がん剤)では、再発をせずに過ごせる期間や病気の進行を食い止めることができた期間などで薬の効果を判定します。例えば、術後の乳がん患者さんではハーセプチンを1年間継続することで、再発率を抑制することが知られています。しかし、それ以外の期間投与した場合について、再発抑制効果がどの程度かはデータがないため誰にもわからないのが現状です。

 次にご高齢の患者さんに対してハーセプチンを使用した場合の心臓の副作用(うっ血性心不全)の発現率です。ひーちゃん様のお母様と全く同じ状況の患者さんの集団に対する試験結果ではないものの、ご高齢の患者さんでは若い患者さんに比べて心臓の副作用がやや高くなる様です。しかし、心臓の検査では医師から「ハーセプチンを使用する上で大丈夫な検査値」との診断を受けられているので、ハーセプチンを導入することは可能な状態ではないかと考えます。ただ、ひーちゃん様がご心配されているように心臓の副作用が生じる可能性はあるので、定期的に心臓の検査をうけられる必要があるでしょう。検査のタイミングに関しては主治医の先生に一度確認されてみてはいかがでしょうか。

 また、ハーセプチンを使用する上でのその他の副作用ですが、特徴的な物としてインフュージョンリアクションと言う、点滴中から24時間以内に現れるアレルギー反応が挙げられます。こちらは心臓の副作用と同様に発生頻度は少ないと言えます。とはいえ、万が一に備え、点滴を開始する前に、起こりうる副作用についての対応方法を医師を始めとして、看護師や薬剤師などにも確認しておくことをお勧めします。

 最後に、ひーちゃん様とお母様の今後のプランとしては手術や抗がん剤による治療を受けないことも選択肢に上げておられましたが、治療を受ける場合でも受けない場合でも何かあった時の相談先を作っておくことは非常に重要です。ひーちゃんとお母さまを支えるのは医療チーム一人一人のメンバーです。チームには医師をはじめとして看護師や薬剤師、ソーシャルワーカーなど多くの職種で構成されていますから、心配や不安を感じられる時には迷わずスタッフに相談してみてください。

 ひーちゃん様とお母さまがご納得いただける治療を安心できる環境で受けていただき、日常に平穏が訪れますことをJ-TOPメンバー一同心からお祈りしています。

編集削除|編集キー

記事内容を変更する場合は、該当記事の「編集キー」を入力し「編集」「削除」を押してください。