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癌患者どうしのコミュニケーションについて
癌患者仲間(埼玉県) 2017/01/08
貴サイトに何度か相談している癌患者です。
毎回、親身なるアドバイスいただき、おかげさまで、私自身は寛解状態となり、職場復帰果たすことができました。
あらためて御礼申し上げます。
その一方、同病のお仲間には、再発・転移となってしまう方もあり、その場合のコミュニケーションについて、ご相談いたします。
局部再発でしたが、いきなり脳に転移してしまった友人です。
脳への転移ということのみ伺っていて、現在の医療的な状況はわかりませんし、それを直接ご本人にたずねることは憚られます。
私も癌患者として、脳への転移の意味合いはわかりますので、その一報に触れた時には、ショックで非常に動揺しました。
私ですらそうしたわけでして、当該ご本人様のお気持ちを察するだけでも、胸がひきさかれる思いです。
でも、仲間として、なんとか気持ちを通わせたい。
孤独に闘病する友人に、私たちがいつも心を寄せていることを伝えて、いくばくかのよすがというか、共に支えあっていきたい…そんな思いがあります。
ガンマナイフ療法のため、頭髪を剃ってしまっているかもしれず、体調の厳しさもさることながら、いつも身綺麗な友人にとっては、私たちに会いたくない状況かとも想像しています。
寛解状態の私は、友人にとっては恨めしい存在かもしれません。
共に励ましあって、癌という病気と対峙してきました。
癌という厄介な病でしたが、しかし、同病の仲間という素晴らしい宝物のような知遇を得られました。
その宝物の友人が、今、厳しい状況です。
こうして文面を書いていても、涙が込み上げてきます。
家族の方々とはまた違う存在の患者仲間としての私たちは、この友人にどう接していったものか、ご経験やご意見など教えてくださいませ。

Re:癌患者どうしのコミュニケーションについて
t(東京都) 2017/01/10
「癌患者仲間」さんへ

医療者です。
寛解、復職と素敵なニュースをありがとうございます。

さて、今回のお話、医療者である以前に、ただの1人の人間として、友人がそのような状況の時に、今までの共に戦ってきた共有の歴史を持つ、あなたが書いてくださったこと、特に友人への配慮について、とても、敬意を感じながら読みました。

友人の苦しみを察すれど、ご自身が何に救われてきたかということを考えたときに、この友人のために、できることはなんだろうか、と、考える気持ち、どうしたら、友人に負担なく添えるだろうか、と深慮されているご様子が本当に伝わってきました。

私にも実は、正解は見えていません。

どうしたら、友人の側に(気持ちが)いれるか、(気持ちを)一人にしないか、負担をかけないか、迷惑をかけないか。
その時々の気持ちによっても、刻々と、必要なものと必要のないものと、ありがたいものと、そうでないものと、かわることを知っているからこそ、どうしたら良いか、難しいと感じます。

だからこそ、その気持ちがここに確かにあること、その事実は、力だなと感じました。

友人にとって、周りの、どの力を必要とするかは友人のものだと思います、が、周りの力としてあなたがいること、選ぶことができる用意があるということ、ただ、それだけを、ただ、ここにいるね、と、返信はいらないですよという言葉も添えて、伝えることは、してもいいんじゃないかと、個人的には思いました。

「癌患者仲間」さんにとって、素敵な一年になりますように。
Re:癌患者どうしのコミュニケーションについて
豊田(兵庫県) 2017/01/10
癌患者仲間様

腫瘍内科をしている豊田と申します。

ご友人のこと、心配ですね。

今回、ご友人の方から直接脳転移の情報を聞かれたのでないのでしたら、『おひさしぶりです!最近お体の調子はいかがですか?』といった尋ね方でよいかと思います。また、直接ご本人から脳転移されたことを伺ったのでしたら、Tさんがお答えされているように、癌患者仲間様がご友人のことをいつも気にかけておられること、何かあれば癌患者仲間様がいること、をお伝えされてもよいのではないでしょうか?ご友人のお気持ちに配慮されたご対応であればよいと思います。

ただ、時間の経過で、ご友人の心の中にも、なぜ私だけ再発したの・・・とか、非常に落ち込まれたり、他の方を羨んだりされることもあるかと思います。また、癌患者仲間様ご自身も、再発されたご友人と話をされたりお会いになる機会ができた場合には、話の内容などにより辛い思いをされることもあるかもしれません。コンタクトを取られる際には、少し勇気と覚悟が必要かもしれませんね。

ご友人の状況により受け止め方は変わるかもしれませんが、気にかけて心配して下さる仲間がおられること、癌患者仲間様のご友人は幸せだな と思いました。

適切な回答になっているかどうかわかりませんが、この掲示板でお力になれることでしたら、またご相談ください。
Re:癌患者どうしのコミュニケーションについて
S(京都府) 2017/01/10
癌患者仲間さん

初めまして。こんばんは。
京都で看護師をしているSというものです。
ご質問、ありがとうございました。

投稿を拝見して、癌患者仲間さんがご友人の「脳への転移」という知らせにとてもびっくりして、つらいお気持ちが伝わってきました。
一緒に闘病してきた仲間だからこそ、癌患者仲間さんご自身もとても衝撃が大きかったんじゃないかと思いました。
そのご友人に何かできることがあればと、思っていることもお察しいたします。

もし私が、病院で患者さんに「○○さん、再発してるんやって。何かできることないかな?」と聞かれた、どうこたえられるかなと考えました。
何が正解なのかは、わからないと思いました。

患者さんたちは、本当に様々で悪い知らせを聞いたときにそれを仲間と共有したい人もいますが、逆に誰にも知らせたくなかったり、そういう時は誰にも会いたくないと病室から出ることもはばかられる方もおられるからです。
一般的にがん患者さんは悪い知らせを聞いた際に、様々な心理的な反応が起きるといわれています。
否認の時期、怒りが現れる時期、取引を行おうとする時期などです。
ご友人の方が今どのようなお気持ちや状況でいらっしゃるのか、だれも分からないと思うのですが、ずっとずっと同じ気持ちのままではなく、もしかしたらまた癌患者仲間さんたちとお話をしたり、今の自分の気持ちを分かってほしいと思う時期が来るかもしれません。(一度分かち合った体験をしていれば、きっとまたそう思うようになるのでないかなと思います)
なのでご友人から連絡があった際に「心配していたんだよ」とか「どうしてるの?」と癌患者仲間さんが心を寄せてきたことや、これからも支えあいたいと思っていることも伝えられたらいいのではないかと思います。


今すぐ何かアクションを起こさずとも、世の中に心配している人や支えになりたいと思っている人がご家族以外に存在している事実こそが、ご友人にとってはとても心強く、支えになるのではないかと思います。

いかがでしょうか?
まだまだ寒い時期が続きます、特に明日から関東はさらに寒くなるとか、癌患者さんもご自愛ください。


Re:癌患者どうしのコミュニケーションについて
患者仲間(埼玉県) 2017/01/11
さっそくにも、3名の皆様からのお心のこもったお返事ありがとうございます。
また涙が込み上げました。
でも、友人の一報に触れた時や、貴掲示板に投稿する文面を書いている時とは違います。
あたたかい涙…悲しみではなく、面識はないけれど、こうして私に手をさしのべてくださる方がある!という、希望と感激の涙が頬をつたわりました。
私も、友人同様、苦しくつらい思いにしめつけられそうでしたが、悲観に暮れるのではなく、また前を向いていこうと、いただいたお返事の一字一字に勇気づけられました。
私が、t先生、豊田先生、S先生から授かったこの希望の思いを、友人にリレーしたいと思います。
お三方のアドバイスいただいて、手書きのお手紙にしようと思い立ちました。
実は私は、休職中は、同病のお友達に、手書きのおたよりを書くのが多かったです。
先方は、メールやSNSですが、おかまいなしに手書きの葉書や封書です。
みんな癌治療中で(腕のリンパ浮腫など)大変ですので、手書きでの返信は、もとより望んでいません。
(私は、電子メールなどの即応性や手軽さが、苦手です。
肉筆の手紙は、健康な方でも大儀ですから、その敷居の高さを免罪符に、返信できない場合にエクスキューズしやすいのは、お互いに好都合では…と、そう勝手に思っていますが、お仲間たちには、きっと迷惑なことでしょう)
復職したら、それこそ、PC三昧の日々ですが、今回は、へたな字ではありますが、心をこめて,したためたいと思います。
お三方の文章を、参考にさせていただければと思います。
友人も、メールなどで、液晶画面を見るのは、きついことでしょう。
手紙なら、読みたくなければ、未開封でそのまま置きっぱなしでいいですし、ご家族に代読も可能でしょう。
そして、季節も暖かくなり、友人のお気持ちが、私たちに会ってもいいかなという日和に、おいしいものでもご一緒できればと、そう願っています。
昨今の癌治療の進展は、目を見張るものがあります。
今回のような遠隔転移の場合も、QOLを保持しつつ、患者に負担の少ない療法がもたらされることでしょう。
今まで同様に、友人らしい、陽気で楽しい日々の再来を信じていこうと思います。
年初でお忙しい中、お返事ありがとうございました。

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