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卵巣がんの転移とCA125,CA19-9の値
けろぞう(京都府) 2017/03/06
はじめまして。2014年に卵巣がん(おそらく漿液性腺がん)を発症し、今年になって再発が見つかりました。

初発時は進行が早く1ヶ月の間に腹水がたまってお腹がパンパンになり、胸水からもがん細胞が見つかり、腫瘍マーカーCA125は最高時4,000前後という非常に高い値だったので、まずカルボプラチン+パクリタキセルの化学療法を4クール、その後手術で卵巣および子宮、大網、鼠蹊部等のリンパ廓清を行い、術後にまた同じ化学療法を3クール行いました。
その後は寛解状態で、腫瘍マーカーと造影CTによる画像診断でフォローして頂いていましたが、今年に入ってすぐ脳に腫瘍が2つ見つかり、外科手術とガンマナイフ治療で腫瘍を縮小。(卵巣がんの転移によるものと診断確定しています)
その後PET-CTで全身をチェックしたところ、脾臓にも3個播腫らしきものが見つかりました。(昨年12月の造影CTの画像では何も見つかっていませんでした)

現在、主治医からは初発時と同じ抗がん剤での治療を勧められており、脾臓の手術は考えておられないそうです。

疑問に思うのは、腫瘍マーカーは手術が終わってからずっと正常値だったことです。
初発時には非常に高かった腫瘍マーカーが、再発の時には全く正常値のままということはあるのでしょうか?ネットで検索しても、数値が高くなってしまって…という例は見つかりますが、逆のパターンが出てきません。
またこのように腫瘍マーカーがあてにならない場合、脾臓の経過については画像診断のみになるのでしょうか?

そして、転移した場所が、脳・脾臓とも卵巣がんではあまり例がないという点もひっかかっています。
PETでも造影CTでも今のところ他のがんらしき影は見つかっていませんが、胸部など他のがんから転移したものではないか?という疑いが私の中で拭いきれていません。(乳がん検診は4~5年受けていません)
治療を開始する前に、可能性のあるがんをもっと調べておく必要性はあるでしょうか?

Re:卵巣がんの転移とCA125,CA19-9の値
向原徹(兵庫県) 2017/03/06
けろぞうさま

神戸で腫瘍内科をしている者です。
ご質問の点について少し調べてみると、一つの論文を見つけました。

米国のMD Anderson Cancer Centerの研究グループからの発表ですが、彼らの報告では、卵巣癌で再発がCTなどで見つかった方の内、CA125が正常値の2倍以上に上昇していたのは37%の方であったとしています(感度 37%といいます)。逆に再発がCTなどで再発が見つからないときに、CA125が陰性である確率(特異度)は98%とされています。また、検査のほうから見てみると、CA125が陰性であるときに再発がない確率(陰性的中率)は44%、CA125が陽性のときに実際に再発がある確率(陽性的中率)は98%と報告されています。

つまり、CA125は上昇していれば再発の可能性は高いのですが、上昇していなくても再発がある可能性はそこそこある、ということになります。

もちろん、その研究では、診断時のCA125が低かった方、高かったかた様々(7-33439、中央値490)なので、ご自身のように4000の方で同じ確率かどうかは分かりません。

今回、指摘を受けておられている病変が再発なのかどうなのかについては、この掲示板でお話できる範疇を超えてしまいます。
一般論で言うと、卵巣癌は腹膜播種が多い腫瘍なので、脾臓に見えているのが、血をめぐって脾臓内に転移した様子でなく、表面にくっついた(播種をした)癌細胞が大きくなってできた様子であることを根拠にされているのかもしれません。

一度、心配なお気持ちについては、素直に主治医にお話になって、再発と判断している根拠について、ディスカッションをされるのがよいと思います。


Re:卵巣がんの転移とCA125,CA19-9の値
けろぞう(京都府) 2017/03/07
早速ご回答いただきありがとうございました。

CA125が陰性でも再発の可能性はありうるんですね。論文にデータがあるということをうかがえて、少し安心しました。
婦人科の主治医に、これまで実際に私のような前例があったのかをきちんと聞いてみようかと思います。

また先ほどPET画像の所見をよく読み返してみたところ、「腹膜播種を疑います」とありました。これは「表面にくっついている状態」という訳ですね。そこそこ勉強したつもりでしたが、どうもそこが理解できていませんでした。

お医者さんは常に忙しく、毎度質問のタイミングがつかみにくいのが悩みの種ですが…勇気を振り絞って疑念を払拭したいと思います。


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