掲示板「チームオンコロジー」

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治療とその選択
リュープリン注射を追加するか迷っています
けろ美(宮城県) 2019/03/29
はじめまして。
主治医へ返事をする前に、頭の整理ができたらとご相談させていただきます。

46歳 閉経前
【針生検】
浸潤性乳管がん、 腫瘍径25〜30ミリ、ER90% PR90%、HER2(−)、Ki67 38.4%
ルミナールB、ステージ2

【術前化学療法】
TC療法 3週毎4クール
腫瘍は小さくない、増殖能高め、ホルモン療法だけで安全とは言えない→抗がん剤を選択
温存希望で、腫瘍縮小も期待して術前を選択

【手術: 部分切除】
抗がん剤で腫瘍は10〜16ミリとなり、きれいな形で温存していただけた。

【病理検査】
組織学的治療効果Grade1b
リンパ節転移なし、切除断端陰性、浸潤径2.8センチ 浸潤径+乳管内進展巣2.8センチ、Nuclear grade1(atypia:2、mitosis:1)、histological grade1(tubular formation:1, atypia:2, mitosis:1)、ER陽性(8/8) PR弱陽性(3/8)、HER2(−)、Ki67: 3%


現在術後4週目です。術後3週目からタモキシフェン開始、来週から放射線も開始します。抗がん剤2クール目から生理は止まっています。

主治医からは、「40代後半でも生理が戻る人もいる」「半年〜1年後に生理再開した時に後悔する人が多い」とリュープリンもすすめられています。

私はこの掲示板の情報も拝見して、
①抗がん剤もしたし、悪性度は低い方で効果も低いのでは。
②抗がん剤後に生理が戻ったとしてもタモキシフェンで5年間は予防できるのでは。もしくは戻ってからリュープリン開始では遅いのか。
③45歳以上にはすすめない医師もいる。
④更年期障害,性機能障害,骨粗鬆症などの有害事象が増加する。

以上より、できれば注射しない方向で考えています。要は卵巣機能が戻るのかどうか、なのだと思いますが、現時点で調べる方法も無さそうなので迷っています。やはり気持ちの問題でしょうか。同じような体験された方や、他のご意見、何でもご感想いただけますと幸いです。

   
Re:リュープリン注射を追加するか迷っています
O(東京都) 2019/04/03
けろ美様

初めまして。腫瘍内科医のOと申します。
ご質問の内容に関する一般的な事項について回答申し上げます。

ホルモン受容体陽性乳がんstageII術後の閉経前女性に対しては、再発リスク低減を主目的として、術後タモキシフェン療法が標準的に行われます。ご記載のように、リュープリン併用の有効性についても大規模な臨床試験によって評価されております。これまでのデータからは、全ての患者さんがリュープリン併用すべき、とは考えられておりません。つまり、再発リスクが相対的に高いと思われる患者さんにのみ使用が推奨されます。具体的には、年齢が35歳未満、術前術後化学療法を受けられてその後に月経が回復した方、とされています。
すると、けろ美さんの場合、ご記載のとおり、月経が回復するかどうか、ということが論点になります。
一部のデータでは、40歳以上の患者さんで化学療法後に月経が回復する確率は2割前後、45歳以上ですとさらにその確率は低くなると報告されています(http://www.jakunen.com/html/ransou/kagaku.html)。
月経が回復するかどうかは現時点ではわからない、という不確かな状況にあるのは事実ですが、その中で、リュープリン投与によるリスク・ベネフィットをよく主治医の先生とご相談していただき、検討いただくのがよいのではないかと考えております。
少しでもご参考になれば幸いです。
Re:リュープリン注射を追加するか迷っています
けろ美(宮城県) 2019/04/06
O 先生

お忙しい中お返事いただき、本当にありがとうございます。

教えていただいた年齢別月経回復率ページも拝見いたしました。参考にさせていただきます。

患者としては、まず主治医の説明と自分の病状、治療法を誤って理解していないか、それも心配なのです。

本当は主治医に聞くべきですが、外来は大勢の方が並んでいますし、たいてい家に帰ってから疑問がわいてきたりします。

この掲示板で第三者、しかも専門の医師にご意見いただけて、客観的に見直せるのはとてもありがたく、素晴らしいシステムだと思います。

グレーな部分を決めるのは難しいですが、注射をした場合としなかった場合の効果やリスクをまとめて、主治医と相談しようと思います。

ありがとうございました。

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